3048. 2000年08月22日 02時57分08秒 投稿:ほしずみ 
 [http://www.n-buturi.co.jp/tech/env/volc/kazan.htm]
3026さだぞうさんへ

わたしは火山ガスの専門家ではありませんが,どなたもお答えではないようなので.
 (どなたかフォローしてくださるとありがたいです)

“火山ガス災害とガス濃度による危険性” が上記HPにあります.

国内で火山ガスによる死者がでたのは,大部分が火口などの発生源の近傍です.
ですから,火口から2km以上はなれた場所まで致死的な濃度の火山ガスが流下
することは考えにくいです.

ただし,今の三宅島はわたしたちがこれまでに経験したことのないことが進行中です.
火山ガスの濃度が上がった場合にどのような刺激があるかが上記HPに載っていますので
参考にしてください.ただしかなりの高濃度になると逆に臭いがしなくなるそうです.
万一高濃度の火山ガスに遭遇した場合,高いところに移動することと
濡れタオルを口と鼻にあてることが有効です.
(昨夜11時に投稿したものをわかりにくい表現があったため一部書き直しました)

[150.29.133.212][Mozilla/4.7 [ja] (Macintosh; I; PPC)]

3549. 2000年08月26日 19時37分09秒 投稿:みね 
 [http://jwocky.gsfc.nasa.gov/aerosols/today_plus/]
>3541.astra さん
>現在の雄山は、明らかに有珠とは比較にならない危険な状況にあると言えます。
>有珠の場合の倣えば、三宅島全島がカテゴリー1の危険地帯としておかしくないのではないでしょうか。

>TOMS衛星による噴煙と亜硫酸ガスの解析画像があります。

oyama_ai.jpg と、oyama_soi.jpg ですね。見せていただきました。
噴煙http://jwocky.gsfc.nasa.gov/aerosols/today_plus/oyama_ai.jpg
亜硫酸ガスhttp://jwocky.gsfc.nasa.gov/aerosols/today_plus/oyama_soi.jpg

[211.5.12.200][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; MSN 2.5; Windows 98)]

3742. 2000年08月29日 01時07分59秒 投稿:やぎ@つくば 
 [http://www.gsj.go.jp/~yagi/Volc_Gas.html]
>さのさま

普通SO2は刺激臭で,いわゆる卵の腐った臭いはしませんから,さのさんのおっしゃる通り,H2Sもかなりの量含まれ,おそらくSO2濃度よりずっと高かったと思われます.ただし臭う濃度のH2Sは3ppm程度です.急性障害が起こる危険な濃度では逆に臭いは感じません.

今回観測されたSO2の濃度は,最高で0.5ppm程度とのことで,弱い刺激臭を感じるかどうか程度と思われます.阿蘇中岳火口周辺でSO2によりぜんそく発作を起こして亡くなったケースの場合,10ppm程度かそれ以上の濃度の場合が多いですから,急性症状はそれほど心配するレベルではないと思います.

土曜日から噴煙中SO2のCOSPEC観測が始まっていますが,それによると1日あたり1400トンのSO2が放出されているとのことです.実際にはこれ以上(倍程度?)出ている可能性があります.活発な時期の桜島とほぼ同程度ですから,気象条件によっては,ぜんそく発作や農作物への被害が生じる可能性が高いですね.

なお,仮に1日2000トンのSO2が放出されているとすると,脱ガスしたマグマの量は1日50万トンほどになります.TOMSをざっと見た同僚によると,18日の1回の噴火によるSO2放出量は1万トンクラス,およそ200万トン以上のマグマ中のSが脱ガスした量に相当します.

[210.155.216.163][Mozilla/4.72 (Macintosh; I; PPC)]

3748. 2000年08月29日 01時54分53秒 投稿:かz 
SO2放出の意味について

はじめて投稿します.

SO2がマグマから放出される圧力は50気圧以下くらいと思って下さい.
マグマの組成,温度などで大きく変化しますが,同じ玄武岩質のハワイのマグマでは低圧にならないとでてきません.

また,玄武岩質マグマ中に硫黄(S)は500-2000ppm含まれます.SO2として見れば1000-4000ppmです.
したがって,COSPEC観測による日量1400トンのSO2が意味することは,”低圧の場所”に”脱ガスしていない新鮮なマグマ”が日量45万から140万トンやってきていることになります.
現時点で8/18から10日経過しています.

問題はこの大量のマグマが低圧で脱ガスしていることと,脱ガスマグマの行方がわからないことです.浅いところにため込まれている可能性もあります.

補足:COSPEC観測を行った平林教授によると噴煙の上昇速度を3m/sと仮定して出した結果とのことで,過小評価している可能性があります.もし,6m/sだと放出量は倍になります.また,上記の計算では,H2Sを考慮していません.したがって,S放出量としてはさらに多いはずです.

>みねさま
TOMS(Total Ozone Mapping Spectrometer)は空のバックグラウンド紫外線の特定波長域におけるSO2による吸収から濃度を出しているので,成層圏以上の高度でないとうまく測定できません.したがって,大きな噴火時のSO2放出量の観測に適しています.
8/19以降データが無いのはそのためでしょう.

[210.150.147.151][Mozilla/4.04 [ja] (Macintosh; I; PPC, Nav)]

3749. 2000年08月29日 02時19分30秒 投稿:さの 
3735の後、まだ気になってAmedas、高層天気図(800、700、500、300hPa)、そらまめ君など見ましたが、28日の関東地方は背の高い高気圧に覆われほぼ下降場にあり、夏場の日中としてはかなり大気が安定していたこと、三宅島から関東平野にかけての5000m(500hPa)以下の層ではほぼ南から南南西の風が5m/s程度で継続して続いたことが分かりました。このため、三宅島から放出された火山ガスが、余り拡散されずに相模湾から神奈川県、東京都、埼玉県の西部を通過して群馬県南部に到達したものと思われます。また、そらまめ君の関東の大気汚染常時監視局のSO2の測定データをみると、隣接した(といっても数km以上は離れている)局でかなりの値の凹凸があり、高濃度の火山ガスの固まりはパフ(切れ切れの固まり)状になって通過していったと思われます。以上のことから、関東地方でも局所的にSO2は数PPMのレベルに達した所があるのではないかと思います(なお、29日0時のそらまめ君データを見ると第2のSO2高濃度ピークが相模湾から神奈川西部に進入してきたように見えます)。いわんや三宅島ではSO2及びH2Sの環境濃度はどの位になっているのでしょうか、冬場ではないし火口からの上昇効果があるので、接地逆転層中に高濃度で火山ガスが貯まることは考えにくいとは思いますが、空気よりも重いガスということもありますし、どうしても気になります。3742やぎ@つくばさんのおっしゃるように関東では3ppm程度で臭う程度のH2Sも三宅島では軽く数100ppm程度になることは考えられないのでしょうか。島の方の安全健康管理のため、火山ガスの事故警報システムに使われているようなSO2、H2Sの環境大気モニタリングを(やっていないならば)至急行う必要があると思います。これは、火山ガスとマグマないしは噴火の関係の分析ためとは違う観点からの必要性であることを付け加えます。
[210.165.70.63][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98)]

 

3961. 2000年08月29日 16時56分20秒 投稿:Hal.T 
いくつかの知識:
SO2,H2S(ガス):室内では換気扇を止め(なぜって排気した分は外から入ってくる)、タオル
に水を含ませてマスクにする。ガスが水に溶けて硫酸になるので時々水洗いすること。自動車の
中では外気導入から内気循環に変えるか、またはファンをとめる。

火傷:火傷した部分は非常にもろくなっているのでさわらないこと。服を脱がせる必要があると
きは鋏で服を切り裂き解体する。それよりもとにかく火傷部分が冷え込むまで10分以上水をかけ
る、からだが冷え込むぐらい水につけると直りが良いし痛みも和らぐ。海水でも良い。

PS:朝まで掲示板の索引を作っていて、昼過ぎに目覚めたらあっというまに200ギリギリ
 なんとかロスせずにすんだ。全島避難を!

[210.250.0.194][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98)]

3976. 2000年08月29日 18時02分53秒 投稿:Cauli. 
 [http://www.nihs.go.jp/ICSC/]
国際化学物質安全性カード↑(国立医薬品食品衛生研究所)より、硫化水素二酸化イオウ。ただし専門家向けで難解。

実際にH2SとSO2をチャンポンで吸って倒れた経験(高校生のとき、学校の実験室で無機イオンの定性分析の自由研究中にヘマしました)からの実践的対策としては、めまいの段階のうち(つまり意識を失う前)に助けを呼ぶ。今回のように助けに来れない場合でも、電話(消防(救急)は手一杯だろうから、島外でもいいから自分を心配してくれる人がよかろう)でどこにどういう状態でいるか通報しておけば、噴火が収まった後救出してもらえる率が高まる。

[202.233.212.21][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98)]

3980. 2000年08月29日 18時21分08秒 投稿:村松@有珠山ネット 
亜硫酸ガス=二酸化イオウ(SO2)と、硫化水素
いずれも還元性ガスで、水に溶けると酸性を示すので、できれば、弱アルカリ性の水で吸収させると効果的です。亜硫酸ガスは水に溶けるとまずは、亜硫酸ですが、水に溶けている酸素で酸化され、硫酸イオンとなります(反応は結構遅い)。亜硫酸は弱酸ですので、タオルにしみらせた水を、そうしょっちゅう洗うことはないでしょう。亜硫酸ガス5ppm、硫化水素10ppmが一応許容濃度とされていますが、硫化水素にはその強い還元力(つまり可燃性ガス)から窒息性があります。いずれも、長時間吸い込むと、めまい、さらには気を失うことがあります。
火山ガスは、亜硫酸ガスが多いと思いましたが、そうでもないのでしょうか?
[130.34.31.136][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]

3981. 2000年08月29日 18時33分19秒 投稿:村松@有珠山ネット 
Re: SO2&H2S補足
100gの水への溶解度は、圧倒的にSO2の方が大きくて、25℃で9.4gくらい。H2Sは、0.33gくらいです。温度が低いほど溶解度は大きくなりますので、そういう意味では、タオルを洗うのは温度を低くするという意味で効果があるのかもしれません。
あとよく言われるように、硫化水素よりも亜硫酸ガスの方がたまりやすい性質がありますので、床に這うのはご法度です。床に水をまいたりしておくと吸収してくれるので効果があると思います。拡散速度は硫化水素の方が圧倒的に速いですが。
[130.34.31.136][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]

4039. 2000年08月30日 06時49分25秒 投稿:村松@有珠山ネット 
4031ブドリさんへ
亜硫酸ガス=二酸化硫黄と硫化水素は別物です。
前者は、SO2という、窒素酸化物(硫黄の価数は+4、つまり陽イオン性)、後者は、H2Sという、硫黄の水素化物(位相の価数は−2、つまり陰イオン性)です。
後者は、H2S+O2→H2O+SO2(係数は無視しています。突っ込まないでね)と、爆発・燃焼しますので、爆発性ガスとしても知られています。SO2もSO2+O2→SO3となり、H2O+SO3→H2SO4で、硫酸へ酸化されますが、こっちは爆発性はありません。緩やかな空気酸化か、少し速度の速い水の中の酸化で進行します。
どちらも、人体には大変危険です。
なお、後者(硫化水素)の中毒の場合は、5%CO2を含む新鮮な空気を吸入させることが必要とされています。
[211.10.64.124][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 95)]

 

4377. 2000年09月01日 18時57分46秒 投稿:げし 
 [http://www.kishou.go.jp/press/0008/31a/index.html]
火山灰の付着成分に注意!!
東工大火山流体センターの発表によれば(↑の予知連資料)、29日火山灰にはきわめて大量の硫酸イオンおよび塩化物イオンが付着しています。硫酸イオンは約50000mg/kg、塩化物イオンは約2000mg/kgで、重量%に換算すると、それぞれ5%および0.2%になります。
このように大量の強酸性イオンが付着した火山灰粒子を吸い込むと、健康上悪影響が懸念されます。硫酸ミストについては、すでに掲示板上で報告されています。

火山灰や酸性ミストを吸い込まないよう、島にいる皆さんは必ず防塵マスクを着用することをお勧めします。
(なお、亜硫酸ガスなど有毒ガスそのものに対しては、ガスマスクが必要ですので念のため。)

[133.11.230.162][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows 98)]

 

4404. 2000年09月01日 23時27分00秒 投稿:村松@有珠山ネット 
4400千葉さん
通常、水のあるところで、そんなに高濃度のSO2に出会ったというのは、驚くべきです。
相当な濃度のSO2か、火砕流の温度が低かったために、燃えなかったH2Sが混じっていたのでしょうか。
とにかく、関東に来たSO2が雄山由来のものとすると、拡散を考えても、相当な量でしょう。
少なくとも、化学屋は近づかないでしょう。化学を知らない人は臭いのする、SO2は平気だと思うかもしれませんけど、それは違います。SO2は高濃度になるほど、臭いがしないように感じるのです。実際、pureなSO2ガスを浴びても、希薄濃度のSO2以上の臭いをほとんど感じません。
SO2の臭いはある濃度以上では感じなくなるのでは、と思っています。しかも、SO2は長い時間嗅いでいるにつれて確実に生命に危険な状態になります。
しかも、低地に溜まります。SO2は安達太良で一般人を襲いました。濃度があがるに連れてくさくなるという、都市ガスなどで慣らされた経験はSO2には当てはまりません。
知らないうちに死にいたるのです。
[211.10.64.124][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 95)]

4422. 2000年09月02日 06時32分34秒 投稿:村松@有珠山ネット 
4406みゃるさん
#すいません。不覚にも寝てしまいました。もうしわけありません。
私は医学は知らないのです。ただ、SOx,NOxの除去に関する研究をやっていたので、ガスの危険性を知っているだけです。Dojinのデータによると、
----
分子量64.06、気体密度2.927gdm-3、比重1.5(液体)、凝固点-75.5℃、沸点-10℃。窒息させるような強い刺激臭のある、無色不燃性の有毒な気体。硫黄を含む化石燃料(石炭、石油)の燃焼によって発生する大気汚染の主要物質であるとともに、酸性雨の主要原因物質でもある。腐食性が強い。硫酸製造の原料のほか、殺菌剤、漂白剤、還元剤などに使用される。ウサギやマウスは10ppmで90日間曝露してもほとんど影響をうけないが、植物では1ppm以下でも光合成が阻害される。高濃度の障害を受けると、葉に白色や褐色の斑点ができたり、落葉したりする。人では結膜炎をおこしたり、上気道を冒すために咳や呼吸困難、胸痛などの症状を引き起こす。慢性中毒になると気道狭窄による喘息様症状が生じ、高濃度の吸収では肺浮腫、声門浮腫のために死亡することもある。大気の汚染に係る環境基準では、二酸化硫黄は1時間の1日平均値が0.04ppm以下であり、かつ、1時間値が0.1ppm以下であること、とされている。
-----
とのこと。10ppmで涙や咳が多くなり、100ppm呼吸困難を起こし死ぬことがあるといいます。
[211.10.64.124][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 95)]

4431. 2000年09月02日 07時39分02秒 投稿:さの 
4422村松さんへ追っかけ

SO2は主要な大気汚染物質です。大気汚染公害の元祖ロンドンスモッグ事件の主犯で、我が国でも昭和40年代後半の工業地帯(四日市、川崎など)における大気汚染公害の主犯でした。発生原因は硫黄を含む化石燃料(石油、石炭など)の燃焼です。

現在の我が国では、化石燃料からのSO2排出は、大気汚染防止法による規制の下で大幅に減り、1800t/日程度となっています。この結果、工業地帯の真ん中でも環境基準(>4422村松さん)を満足するレベルとなっています。

一方、火山からのSO2は、桜島から2000t/日、現在の三宅島で3000t/日(http://www.asahi.com/0901/news/national01028.html)で、現在の我が国の最大のSO2
発生源となっています。

現在の三宅島からのSO2は、気象条件によっては100km以上離れた関東平野の内奥まで達し、環境基準の10倍近い測定値が観測されています(8/28)。当然、三宅島ではより頻繁かつ大幅にSO2環境基準を超えているものと考えられます。

しかし、そのことを客観的に裏付けるSO2の環境濃度(人が住んでいるところでの濃度)の測定値が全くありません。恐ろしいことです。

恐らく、現在の三宅島は、我が国が戦後経験した最も激甚なSO2大気汚染公害時の状況を超す事態に至っているのではないかと思われます。

また、三宅島からの火山ガスは、SO2だけでなく、H2S(硫化水素)、HCl(塩化水素)もあります。いずれのガスもある程度以上の濃度に長時間晒されれば、人間の体に不可逆的影響を残します。ガスマスクなどで自衛しても、寝ているときまでは無理でしょう。また、火山灰起源のSPM(浮遊粒子状物質:径10ミクロン以下の浮遊する粒子)も明らかに環境基準を大幅に超す状況が続いていると思います(これも環境濃度測定がないから客観的なことがいえない)。

この度の避難指示後に、島に残らざるを得ない方々へ:このような、複合ガス、粒子汚染大気の暴露人体実験(失礼)をやっているような状況からは、一刻も早く去られること(あるいは去るための理由とする)ことをお勧めします。

もうひとつ:
・空気の2倍ほども重いガスであるSO2が、噴火・噴気活動がおとなしく、無風・弱風の条件で 巨大な陥没火口にたまり、夜間から明け方の大気が安定(空気が上下に混ざりにくいとき)
 なときに、高濃度のまま静かに山から下りてくる。さらにその時、霧がしっとりとかかる
 ような状況だと、SO2が硫酸ミストとなって...−という事態をどうしても想像してしまう
 のですが。五感に訴える予兆はないでしょうし。これは荒唐無稽でしょうか。
 

[210.165.70.30][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98)]

 

4434. 2000年09月02日 07時59分41秒 投稿:村松@有珠山ネット 
4428いけださん:
H2S(硫化水素)は以前にも書いたように、燃焼性(爆発性)の気体でもあり、燃焼すると、SO2(二酸化硫黄=亜硫酸ガス)を発生します。酸化還元反応のなかの酸化反応です。
2 H2S + 3 O2 -> 2 SO2 + 2 H2O
この逆反応の、SO2から硫化水素ができることは、ほとんどありえません。
ただし、非常に特殊な条件下では、SO2の不均化反応
3 SO2 -> S + 2 SO3
が進むという報告もありますが、せいぜい、このS(単体硫黄、酸化数は0)までで、H2Sのような強還元性気体まで進むことはないです。
ただし、火山ガスにはH2Sが含まれていると聞いて、正直びびっています。環境基準としては、SO2よりも緩やかですが、いったん吸入すると生体へのダメージは大きいと聞いています。
やはり、Dojinのデータから
------
分子量34.08、比重1.19(空気1.00)、融点-82.9℃、沸点-59.6℃、発火点260℃。可燃性で水に溶ける。無色で、腐敗した卵のような臭気のある刺激性の有毒な気体。高濃度では臭気をあまり感じなくなるので極めて危険である。空気中の濃度が400ppm以上では生命の危険性がある。含硫黄タンパク質の腐敗によって生じるので、停滞した汚水から発生するのが見受けられる。天然には火山ガスにふくまれている。 
------
#ああ、火山ガスに含まれると書いてある (_ _;)
[130.34.31.136][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]

4436. 2000年09月02日 09時13分18秒 投稿:ちば 
 [http://www.geo.chs.nihon-u.ac.jp/tchiba/ada/ada.html]
■H2SとSO2
 安達太良山での火山ガス事故の報告のページです。
実際に、事故直後に現地調査にでかけ、地形条件との関係などを
調べたものです。風の弱いとき低い場所にたまりやすいということが
理解できると思います。
これは、H2S(硫化水素)ガスによる火山ガス災害です。
SO2ガスではありません。>村松さん

現在、三宅島で発生しているガスは
SO2およびHClであり、H2Sは報告がないと理解しています。
(それにしてもタイヤが青くなるのはどういう反応なのかなあ)

名古屋の辺りで、とても臭いという報告もありましたが
これが三宅島起源だとすると三宅島から名古屋にたどり着くまでに大気中で
酸化反応があり、H2Sに変化したと推定されます。
そういうことはありうるのでしょうか。

[210.166.70.63][Mozilla/4.5 (Macintosh; I; PPC)]

4437. 2000年09月02日 09時26分35秒 投稿:村松@有珠山ネット 
4436ちばさん:
安達太良の報告を読んでますが、硫化水素という結果には納得していないのです。
H2Sは分子量が、34で、空気の平均分子量29、酸素のそれ、32とそれほど大差ないので、くぼ地に滞留する可能性は低いと思っています。
それに比べて、SO2は分子量が64で、空気よりも重く、CO2の44と比べても滞留する可能性が高いのです。二酸化硫黄が検出されたのかどうか、その辺の具体的な数値を見ない限り納得できません。(^^) ま、とにかくどっちも危険なガスであることは間違いないです。
あと、硫化水素が酸化されてSO2になるのです。
酸化反応でH2Sができるというのは間違いです。
[130.34.31.136][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]

4439. 2000年09月02日 09時44分56秒 投稿:村松@有珠山ネット 
4437村松の補足:
分析手法でヨウ素法をつかったのではないか、と思うのですが、硫化水素も亜硫酸ガスも水に溶かした上で、ヨウ素による酸化反応を利用して、次亜硫酸による逆滴定で定量します。
両者の分離は化学的には可能ですが、pH条件などを厳しく設定しないと定量を誤る可能性があります。もっというと、亜硫酸ガス=二酸化硫黄のことを頭から除外しちゃうと、全硫黄を硫化水素として勘定する危険性があります。
もちろん、採取したガスをそのまま分析する方法(GC-MS等)もありますけど、いずれにしても二酸化硫黄はどのくらいだったのかがわからないので、納得してません。
#私が納得していないだけですので、どうでもいいのですけど。 (_ _;)
[130.34.31.136][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]

4440. 2000年09月02日 10時05分19秒 投稿:ちば 
 [http://www.geo.chs.nihon-u.ac.jp/tchiba/ada/ada.html]
そうですね、SO2が酸化というのは全くおかしいですね(恥)

ただ、沼の平の場合H2Sガスの存在は疑う余地がないと思うのですが
これは、H2Sガスセンサーの記録です。
問題の窪地に近ずくにつれてどんどん値が上昇し
底まで5m程度の場所では
見にくいですがサチッテいて100ppmを越えています

[210.166.70.23][Mozilla/4.5 (Macintosh; I; PPC)]

4441. 2000年09月02日 10時12分21秒 投稿:村松@有珠山ネット 
4440ちばさん:
半分納得しました。ありがとうございました。
残る半分は、SO2濃度なんですが、これはどのくらいだったのでしょうか。
実は温泉好きの私も結構あそこに行っているのですが、硫化水素の臭いももちろんですが、亜硫酸ガスの臭いもかいだのです。

なんでこんなにこだわるか、と申しますと、H2Sだとやばい!、ああ、SO2か、大丈夫。
というような変な誤解が起こるのを恐れているだけです。実際、公害程度の濃度なら騒ぐくらいで済むでしょうけど、濃度が高いと非常にやばいガスです>>SO2
すいません。こういう気性が化学屋の特徴です。
お忙しいときにお付き合いいただいてありがとうございます>>ちばさん

[130.34.31.136][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]

 

4446. 2000年09月02日 10時35分20秒 投稿:さの 
4441村松さん  

> 実際、公害程度の濃度なら騒ぐくらいで済むでしょうけど、
> 濃度が高いと非常にやばいガスです>>SO2

公害程度でもやばいんじゃないですか?
それで、「公害健康被害法」もできたし、多くの大気汚染訴訟(NOxじゃないですよ)
で争われたんですから。急性中毒だけがリスクではないでしょう。SO2の環境基準は
急性中毒の観点から作られているわけではないでしょう。

呼吸器系器官を中心に何年にもわたって続く有毒ガスの後遺障害について、もっと
重視するべきではないでしょうか。SO2暴露は予想される事態ではなく、環境基準を
越えている可能性が高い人体暴露が現在進行中なのですから。

(直前に4441村松さんの引用を誤ってポストしました(4445)。自己削除しました。
 すいません)

[210.165.70.171][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98)]

4450. 2000年09月02日 12時05分40秒 投稿:へちゃ 
 [http://www-sci.edu.kagoshima-u.ac.jp/volc/Sakura-Jima/sk04.html]
次第に西風主体の場に変わりつつあります。今後、本土へのSO2到達は激減するものと思われます。…はずです。風が強い季節のSO2のふるまいについては前にも紹介した↑参考です。
[210.236.130.20][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 98)]

 

4461. 2000年09月02日 15時36分12秒 投稿:ポチ 
 [http://www.campus.ne.jp/~labor/anei/boudoku.html]
昨夜からの火山ガス論争、興味深く読ませてもらいました。危機管理上、
東京都は防災関係者600人分の防毒マスクと防塵マスクを、
↑の労務安全情報センターの「防毒マスクと防塵マスクの
選択、使用について」にあげられた、

労働省労働基準局長通達第504号第505号

に従い、作業日数に必要な本数を調達し、使用法を周知徹底し、
管理者を置いてガス濃度,健康管理その他法令に基づいた安全
管理を行使しなければならないと考えます。
防災従事者はこの件に関する見解を、東京都に強く求めるべきです。

[211.120.76.81][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]

4480. 2000年09月02日 21時47分48秒 投稿:さの 
4478:三池住人浜さま

> それでもまだくさい
>(昼間は息ができないくらい)

この臭さというのは、次のどちらでしょうか。

・肺の奥に蜘蛛巣が引っかかったような感じの息苦しさ。
・卵の腐ったような、あるいは、糞便臭を刺激的にしたような感じでにおいで吸っている
 空気が何割かへった感じの息苦しさ。

前者であればSO2、後者であればH2Sの高い濃度(致死量には余裕があるが)の暴露の
可能性大です。後、塩化水素ですとどういう症状か分かりません。恐らく濃度が薄ければ
漂白剤に近いにおいだと思いますが?労働衛生、大気環境医学関係の方、フォローお願い
します。

浜様も早く逃げてください。人間命あってのものだねではないですか。

[210.165.70.250][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98)]

4488. 2000年09月02日 23時20分54秒 投稿:さの 
4487:早川さん

大気汚染法の守り神は環境庁です。

今回の事態では、環境庁(国立環境研究所)−東京都環境保全局(大気監視部門)の
責務だと思います。
火山予知連は、運輸省−気象庁、通産省−地調、文部省−各大学、科学技術庁の
方々ですよね。
東京都の防災会議に環境保全局の人がでてましたっけ。

抜けてますよ、環境庁と厚生省の線が。

+以下専門の方には釈迦に説法ですいません。

SO2に関する情報諸々(専門の方には釈迦に説法ですいません)

・ハワイ・キラウエア火山のSO2放出量観測値

http://hvo.wr.usgs.gov/products/OF98462/

ホットスポットの上でも常時2000t/日位で活発だと
7000t/日出ているようだ。桜島もすごい。

・ハワイ・キラウエア火山のSO2放出が減ったというニュース

http://hvo.wr.usgs.gov/volcanowatch/1997/97_03_07.html

キラウエアの近くに住む人への影響が考えられています。

・セントヘレンズ火山のSO2、CO2放出量観測値

http://geochange.er.usgs.gov/pub/volcanos/OFR_94-212/Derived/report.html

うん、やはり活発なときで2000-3000t/日だ。

・アラスカ・クック火山群のSO2、CO2放出量観測値

http://geochange.er.usgs.gov/pub/volcanos/OFR_95-55/Core/meta/index.html

こちらは6000t/日もいっている。近くに人が住んでいないようで幸い。

・火山ガスとその影響

http://volcanoes.usgs.gov/Hazards/What/VolGas/volgas.html。

米国地質調査所のHP紹介ばかりですいません。でもよくできているので。

・世界の地域別SO2排出量

http://www.envir.gov.cn/info/Geo-1/www.unep.org/unep/eia/geo1/tab/tab4_3a.htm

あの中国でも10万t/日というところか。

・ドイツのSO2排出量

http://www.sensut.berlin.de/UISonline/dua96/html/ed301_02.htm

東西統一した後でも7万t/年ちょっと。三宅島は100万t/年!

・大気環境月間値・年間値データ

http://www.nies.go.jp/japanese/nies-db/air/index.html

やっと日本の環境濃度測定データ。
日本の火山近くでSO2の環境濃度を常時モニターしているのは
次の2カ所
・ 桜島町役場(桜島南岳火口から北北西−北西約4.8kmの海岸沿い)
・ 赤池(桜島南岳火口から西南西約4.2kmの海岸沿い)
このうち赤池の1990-1998年度の月間SO2濃度観測値をみると

1時間値
平均 0.69ppm
最大 3.4ppm('91年2月)
最小 0.007ppm('91年7月)
日平均値の最高値
平均 0.16ppm
最大 1.132ppm('91年2月)
最小 0.004ppm('95年8月)
月平均値の最高値
平均 0.11ppm
最大 1.105ppm('91年8月)
最小 0.002ppm('98年8月)

これは我が国全SO2常時モニタ点の測定値チャンピオン。

1時間値の最大値3.4ppmは短期的環境基準(0.1ppm)の340倍!
月平均値の平均も短期的環境基準を超えている。
桜島の方も大変ですが...
三宅島では、火口からの放出SO2は桜島の1.5倍程度(ショットの測定値の比較なので
精度についてはごめんなさい−同程度以上と言った方がよいか)、
発生源距離は、雄山火口縁−三池港2.5km位、スオウ穴−神着集落3.3km位(私の目分量)
と赤池の場合の0.6-0.7倍。
以上から、現在の三宅島のSO2環境濃度は、赤池の2倍程度にはいっているでしょう。
もちろん我が国のチャンピオン。

余談1:米国ではかなり前よりSO2の排出権が市場で取り引きされています(SO2排出削減の
ための経済的手法というわけ)。シカゴでは、SO2排出権先物なんてものもあります。

余談2:SO2は成層圏に入ると有力な地球寒冷化物質(温暖化ではないですよ)といわれてい
ます。大規模火山噴火が気候変動に与える影響の主要なものの一つということです。三宅島は
地球の破局を救うかもしれません。

−管理人さん不穏当なら余談削除してください−

■(4632 9/4 9:04 自己訂正)
誤りは次の3点です。

・(誤)東京都環境保全局→(正)東京都環境局
・(誤)1時間値→(正)1時間値の最大値 :'90年度から'98年度の統計値を並べた所
・(誤)1時間値の最大値3.4ppmは短期的環境基準(0.1ppm)の340倍!
  →(正)1時間値の最大値3.4ppmは短期的環境基準(0.1ppm)の34倍!

[210.165.70.66][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98)]

4490. 2000年09月02日 23時36分39秒 投稿:村松@有珠山ネット 
4480さのさんへ
漂白剤は、塩素酸です。次亜塩素酸が多いでしょうか。
塩化水素は刺激臭です。鼻につん、ときます。口に入ると、にがにがしい刺激がありますが、酸味を感じます。あとは目にかなりきます。
硫化水素や二酸化炭素と違って、高濃度の塩化水素はすぐにわかります。
塩酸の瓶を開けてみてください。すぐにわかります。(^^)
[211.10.64.124][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 95)]

4492. 2000年09月02日 23時50分07秒 投稿:なや 
4480:さのさん>

>塩化水素ですとどういう症状か分かりません。恐らく濃度が薄ければ
>漂白剤に近いにおいだと思いますが?

HClも吸ったことありますが、SO2と同じような症状です。より刺激臭は強い感じ。
鼻の奥にツンときますが塩素のカルキ臭とはちょっと違います。酢に近いかも。
いずれにしても、むせ返るような感じです。<SO2&HCl

[210.159.175.5][Mozilla/4.72 [ja]C-NSCPCD (Win98; U)]

4495. 2000年09月03日 00時23分21秒 投稿:村松@有珠山ネット 
HCl補足
沸点−85℃,融点−114℃で刺激臭の気体です。水への溶解度が高く、湿度が高いとミスト状になって、目がやられますから、ご注意を。こいつは、濡れタオルが効きます。
許容濃度5ppmですが、この濃度で結構な刺激がありますので、すぐにわかります。
もちろん肺等呼吸系へのダメージも大きいですが、硫黄化合物ほどではないです。胃の中にも塩酸があるくらいですから。
でも、油断は禁物。硫黄化合物(SO2,H2S)と一緒にやってきます。
一方、塩素Cl2は、それこそ、漂白剤の臭いです。
[211.10.64.124][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 95)]

4498. 2000年09月03日 00時48分38秒 投稿:村松@有珠山ネット 
4494さだぞうさんへ
硫化水素、亜硫酸ガス(二酸化硫黄)、塩化水素ともに、皮膚に炎症を起こすのは、非常に濃度が高い場合だけです。
強酸性泉(秋田の玉川温泉<pH1>とか)に入っても、皮膚は大丈夫でしょ?
でも、目や粘膜は刺激が大きいでしょう。同じことが言えます。
鼻と喉を守り、できれば、目も保護できるといいのですが。
[211.10.64.124][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 95)]

4500. 2000年09月03日 01時04分33秒 投稿:Hal.T 
4494さだぞうさん>
 濡れタオルは、防塵マスクなどよりよっぽど有効ですがガスマスクではないことを忘れずに。

 ガスの対策として機密性の良い部屋(暑ければクーラー付き)を用意するといいでしょう。
空気の良いときにドアをあけて換気しておき、平常時は閉めておきます。危険を感じたら
そこに飛びこんで密閉します。夜に寝るのは船のほうがいいでしょう。
 しけっぽい空気になりますが毒ガスよりはまし、昼間の保険です。

 最近の家は機密性がいいので知っておくといいでしょう。オーディオルームみたいな防音室
でもかなり機密性は良い。換気扇を回しちゃ駄目ですよ。
 

[210.250.0.190][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98)]

4501. 2000年09月03日 01時09分44秒 投稿:Hal.T 
4499さだぞうさん>
 SO2が高濃度にあり、小雨が降れば希硫酸にならないほうがおかしい。硫酸ミストが漂って
いるのは確実です。
 これは吸い込むとむせますし、もちろん着物の繊維に穴があきます。薄ければ皮膚が白く
なったり、濃いと茶色く火傷になり、かなり痛みます。
[210.250.0.145][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98)]

4502. 2000年09月03日 01時17分09秒 投稿:村松@有珠山ネット 
4499さだぞうさん
わかりました。
ただ、服はすぐにやられますが、皮膚は結構強いので、すぐに刺激があるとは限らないです。私が何をいいたいか、というと、皮膚がやられるほどの高濃度だと、まず目にきます。だから、たずねるとしたら、まず目はどうか、開けていられない、となると、大問題です。すぐに避難しないと。しょぼしょぼでも相当にひどいです。
鼻→口→目→皮膚 の順に確認したほうがいい、と思っています。
[211.10.64.124][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 95)]

4505. 2000年09月03日 01時51分47秒 投稿:Hal.T 
 [http://www.c-systems.co.jp/kenis/list/2/i_04.phtml]
 室内を目ばりしても無理ならそこにいるべきではないと早川さんなら言うだろうな。

 しかし、それでもというのだろうから調べて見ました。低濃度の酸性物質用防毒マスクが
2600円、それに使う吸収缶が390円です。理化学用品店または上のURLから買えます
 

[210.250.0.153][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98)]

4511. 2000年09月03日 06時52分21秒 投稿:いけだ 
ちばさん4436の最後の段落>
私が聞きたかったのもまさにこのことでした.フォロー(?)ありがとうございました.
(どうも短く書くことが気に掛かり,日本語が足りない私.…いつものことか)

28日以来ここ東京東部でもずっと匂っていました.
今朝強い風が吹き始めようやく匂いがしなくなりました.

どうも体質的に火山ガス系の匂いに弱いらしく,
匂いをかいでいるうちに腹痛に襲われダウンしていました.
ようやく復活できたところです.

気になることがあります.
H2S,SO2ともに水に溶けやすい.だから当然雨には多量に溶けていることでしょう.
溶けている雨がふり続けているわけだから火山灰にも当然付着するだろう.
そしてそれらが濃縮されるということも予想できる.
煙草のフィルターにも入り込む火山灰.
体に入り込むことを防ぐことは殆ど無理だと考えられる.
ガスを吸い込むことに加え,濃縮されたH2S,SO2が付着した粒子を体が取り込んだ場合.
どのようなことがおこるのだろう?
何か分かっていることはあるのだろうか?
ということです.

たしか,からだから粒子状物質を外に出す繊毛細胞は酸性の環境には
あまり強くなかったと記憶しています.

28日以来いろいろ調べてみたのですが
何の手がかりも見付かりませんでした.

[210.166.226.19][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Mac_PowerPC)]

4515. 2000年09月03日 07時26分33秒 投稿:さの 
>4489 4491 Cauliさま

確かに相手が火山だから気象庁が正しいと思います。しかし、住民のガス暴露に対する配慮、
対応が欠如している中で、環境庁、厚生省、労働省の関与、それと、環境科学、医学関係者が
連携することが緊急に必要であると感じています。真意ご理解いただければ幸甚です。

>4493 三池住人 浜さま 4496 さだぞうさん

浜さま医者にかかって下さい。さだぞうさんも早く逃げてください。
さだぞうさん、Tシャツに穴が開くというのは、強い酸性雨を浴びたのではないかと思うの
ですが。そのTシャツを着用していたときの状況と、穴が開くまでどのくらい時間がかかっ
たか、穴の形状などを記録して、できれば、後々の分析に備え、そのまま保存しておくこと
をお勧めします。

>4506 ちばさん
火山ガスの刺激を感じたら薄い所に逃げろとのことですが、原則そうであっても、逃げなけ
ればならない場合に、特に微風無風のとき、今の島の中で薄い所が見つかるかが問題です。
やはりなるべく早く島から出るにこしたことはないと思います。

+SO2に関する情報

最近の米国のSO2環境基準未達成地域(米国環境庁)

http://www.epa.gov/airs/rvnonso2.gif

ロッキー山脈の中にある未達成地域は火山が原因か?

[210.165.70.220][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98)]

4528. 2000年09月03日 08時17分27秒 投稿:村松@有珠山ネット 
 [http://www.metro.tokyo.jp/INET/ETC/SAITAI/HISAI/MIYAK137.HTM]
東京都による二酸化硫黄の速報値が出てます↑が、単位がppbではなく、ppmとしても、低すぎる感があります。それでも、伊豆では、0.5ppmという精錬工場なみの数値もでています。
これまでの議論にもあったように、SO2は(単純に)比重が空気の2倍以上で、CO2よりも1.5倍も重い(プロパンガスの1.3倍)ので、滞留や拡散速度の関係から、局地的かつ刹那的に濃度があがったりしますので、観測には難しさがあります。
行政は、数値に頼る傾向がありますが、公害対策の基本が住民の症状をよく見ることですから、多くの人が異常を訴えている今、最悪のことを考えてすぐに行動をとらないといけないです。
早川さんが言っておられましたが、私もこれまでの火山ガスの訴えを甘くみていました。
頭のどこかで「そんなはずはなかろう」というのがあったのかもしれないです。大いに反省しています。が、行政が「そんなはずはなかろう」では困ります。
健康面への最大の配慮をお願いしたい。巨大なSO2、HCl発生装置の前で、取り除くのは絶対不可能。だとすれば、逃げるしかないのです。逃げるためには逃がす手段を講じないといけない。手遅れになる前に、逃がしてください>>東京都。ご自分の職員(三宅支庁)とて、同じ人間なのです。
[211.10.64.124][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 95)]

4538. 2000年09月03日 09時48分40秒 投稿:さの 
 [http://www.metro.tokyo.jp/INET/ETC/SAITAI/HISAI/MIYAK137.HTM]
4536早川さま

大気汚染常時監視局(一般環境測定局)は、通常、公共機関(市役所、出張所、学校、保健所
地域センターなど)に置かれているので、管理運用、土地の観点から三宅保健所に置いたのだ
と思います。この非常時ですから悪意というか、考えの無さというべきでしょう。

ところで、どなたか「検知管法」でのSO2測定での大気の吸引時間をご存じではないですか。
それが分からないと、測定値がどの位の時間の大気濃度を代表しているかが分かりません。
1時間毎に連続測定といっても、例えば1時間に1分の状況しか測定していないのでは
連続とは言い難い。

上記の大気汚染常時監視局の各種大気汚染物質濃度計測は5分毎に行われていて、1時間値
というのはその平均で与えているはずです。常時監視局のデータと今回の三宅の臨時局の
データを比較する際には、この点に充分注意が必要です。

[210.165.70.62][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98)]

4569. 2000年09月03日 13時51分33秒 投稿:なべ 
4533ちばさん>
酸性雨で、国内で有名なのはアサガオの花に生じる白い斑点です。ヨーロッパ等では、酸性雨による森林枯死(シュバルツバルトなど)有名ですが、国内では日光や赤城山など北関東で枯れ木の目立つのが酸性雨の影響かどうかでもめています。普通の酸性雨はpH=5程度ですが、今の三宅島ではそれより遙かに強い酸性雨が想像され、当然、植物の葉は枯れます。雨粒の付着部から、斑点状に枯れるはずです。なお、次のアドレスに酸性雨の情報がありました。
http://www.vuni.ne.jp/~jarn/index.html
[210.230.132.6][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 95; Yahoo! JAPAN Version Windows 95/NT CD-ROM Edition 1.0.)]

4574. 2000年09月03日 15時29分53秒 投稿:さの 
SO2測定値(東京都環境局臨時測定点:保健所(伊豆))と
気象観測値(アメダス三宅島測定点:神着)の突き合わせ
を行いました。

月 日 時 SO2 雨量 風向 風速 日照 気温
(ppb) (mm) (m/s) (分) (度)
08/30 0 - 0 南南東 3 0 23.9
08/30 1 - 0 南 2 0 24.2
08/30 2 - 0 南南東 2 0 24.2
08/30 3 - 0 南南東 2 0 24.1
08/30 4 - 0 南東 2 0 24.4
08/30 5 - 0 東 2 0 26.0
08/30 6 - 0 東北東 4 0 26.3
08/30 7 - 0 北東 2 0 26.9
08/30 8 - 0 東北東 4 0 27.5
08/30 9 - 0 東北東 3 18 28.3
08/30 10 - 0 東北東 3 0 27.9
08/30 11 474 5 東 4 0 24.9
08/30 12 274 0 東 2 0 26.5
08/30 13 21 0 東 4 10 27.6
08/30 14 13 0 東 2 38 27.8
08/30 15 10 0 東北東 2 10 26.9
08/30 16 9 0 東 3 0 26.7
08/30 17 8 0 東 3 0 26.3
08/30 18 7 0 東南東 4 0 26.1
08/30 19 7 0 東 4 0 25.9
08/30 20 6 0 東 4 0 26.0
08/30 21 6 0 東 4 0 26.3
08/30 22 6 0 東 4 0 26.1
08/30 23 5 0 東 3 0 26.0
08/31 0 5 0 東 5 0 25.9
08/31 1 5 0 東 3 0 25.8
08/31 2 5 0 東 4 0 26.2
08/31 3 5 0 東南東 4 0 26.4
08/31 4 4 0 東 4 0 26.5
08/31 5 4 0 東南東 4 0 26.8
08/31 6 4 0 東南東 4 10 27.4
08/31 7 5 0 東南東 4 34 28.6
08/31 8 5 0 東 3 18 28.9

*)SO2測定値の単位は読みにくいので原典のppm からppbに
変えました。

・風系がほぼ東で安定しているとき、火口から北北西の観測点で
474ppbが出ている(8/30 11)のが怖い。未明にはどういう状況
だったのか?

・このとき雨が降っている。さだぞうカメラでは30日は雄山
中腹以上がどんより雲に覆われて見える。また3-6時に有色噴煙
が3000m弱に達する噴火が観測されている(火山観測情報第207号
:9/2三宅島測候所発表 > 4572早川さま参照)。

・専門家の方のご参考まで。

・東京都環境局さん
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/taiki/kansi/so2/iou0829.htm
移動測定局を機動的に運用してください。データは早く分かりやすい
所に公開してください。
ただし、測定従事者の生命を最優先して下さい。お願いです。

長くなってすいません。

[210.165.70.128][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98)]

4575. 2000年09月03日 15時33分38秒 投稿:さの 
4574↓ スペースがパックされると思いませんでした。Excelか何かで変換していただければ
幸い。どうもすいません。
[210.165.70.128][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98)]

4580. 2000年09月03日 16時45分32秒 投稿:こばやし 
4538さの様

 東京都の災害情報(詳細)(9/1午後8時)によると、 
東京都が実施した三宅島における二酸化硫黄の測定で、検知管法は、
移動測定(島内5箇所)で実施された方法のようです。(連続観測とは
書かれていない)
各地点での測定時間は最も短いもので5分となっています。

なお、検知管法の試料ガスの吸引時間ですが、
手元にある検知管メーカ(ガステック)の資料に該当するものがないので、
はっきりとはわかりませんが、二酸化硫黄を0.5ppm〜2ppmの測定範囲で
測る場合で、最低4分の吸引時間が必要となっています。

[202.32.150.2][Mozilla/4.05 [ja] (Win95; I)]

4597. 2000年09月03日 21時15分01秒 投稿:東京都環境局のHP読者 
 [http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/ikanjigyou/songaibaisyou/songaibaisyou.htm]
火山ガスにも含まれている成分に二酸化硫黄がありますが、
同時に放出される成分に硫化水素があります。
こちらの有害性も考慮する必要があります。

硫化水素の有害性で有名な事件は杉並病です。

東京都環境局
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/ikanjigyou/songaibaisyou/songaibaisyou.htm
杉並中継所の排水に含まれていた硫化水素により
健康被害を受けた方々への損害賠償について

硫化水素により一般的に起こる症状です。

(1)眼の症状
痒み、痛み、異物感、流涙、赤眼、充血、視力低下、 視野のゆがみとかすみ、結膜炎、角膜炎など
(2)呼吸器の症状
咳、痰、鼻や喉の疼痛 、胸痛、鼻炎、咽頭炎、気管支炎など
(3)皮膚の症状
疼痛,掻痒、紅斑、発赤など
(4)神経系の症状
頭痛、めまい、倦怠など
 

[165.76.225.189][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; MSN 2.5; Windows 98)]

4603. 2000年09月03日 22時57分17秒 投稿:さの 
■4580こばやしさま:

ありがとうございます。お礼遅くなりました。

て、いうことは東京都の保健所臨時局のSO2測定値は1時間連続値じゃなくて1時間毎の
5分(程度?)間歇測定値ということですね。だから、桜島赤池の測定値と比較して
大したことはないなんていう評価はできませんよね。4528村松さんのおっしゃるように
SO2濃度は刹那的ですからね。

■4597東京都環境局のHP読者さま:

やはりご覧になってましたね。↑も見てください。

現時点の火山ガスのリスクは、

1.火砕流に伴う致命的高濃度の火山ガスに暴露されるリスク

2.白色の噴煙、あるいは噴煙等に伴わず気流にのって流下する致命的高濃度の火山ガス
  に暴露されるリスク(これでよいか?不安)

3.強い火山ガス発生源近傍であるため、致命的ではないが恒常的あるいは断続的に高濃度
  の火山ガス及び浮遊粒子状物質(SPM)を暴露されることにより、慢性的健康障害を
  負うリスク

に整理できると思います。

考慮すべき火山ガス成分はSO2、H2S、HClでCO2、COについても一応含めておく必要がある
と存じます。

今後島に残られる方のリスク認識と現実のギャップの大きいのは2と3で、2については
防災上の緊急性が要求される事態にあると思います。

2については防災本部と環境局の緊急かつ緊密な連携が、3についは緊急性は少ないですが、
環境局が防災本部の中でイニシアティブをとって対応する必要とあるものと存じます。
3のリスクをおろそかにすると「杉並病」や「ディーゼルNO運動」どころじゃ無くなると
思いますよ。

どうか上記の点を至急防災対応に反映させてください。一都民としてお願い致します。

■4600ちばさま+島に残る方々

4597山崎さまの消防庁化学災害専門部隊は派遣されないようですね。島に残る方々は火山
ガスの高濃度を感じたらどこに逃げ込めばいいのか是非業務命令者に聞いてみてください。

■4599阿古・しゃいんさま
要厳重警戒ですね(↑2のリスク)。

[210.165.70.253][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98)]

4612. 2000年09月04日 00時18分16秒 投稿:やぎ@つくば 
 [http://www.gsj.go.jp/~yagi/Volc_Gas.html]
SO2の連続観測は,大気吸引してSO2分子の紫外線吸収を連続測定する方法のはずですが…

なお,日量3000トンのSO2は,分布域の大きさを幅2km,厚さ0.5km,風速5m/sと仮定すると,平均的な体積濃度は約2.3ppmです.これだけでもかなりの濃度ですが,短期的な噴出量の増加や,気象条件によっては,この10倍程度にはすぐになる可能性が高いです.幅や厚さ,風速,放出量を適当に変更すれば,濃度の目安にはなるでしょう.

[210.155.216.45][Mozilla/4.72 (Macintosh; I; PPC)]

4632. 2000年09月04日 09時04分10秒 投稿:さの 
■4612 やぎ@つくば さま

> SO2の連続観測は,大気吸引してSO2分子の紫外線吸収を連続測定する方法のはずですが…

東京都の保健所臨時局のSO2測定値は1時間連続値、移動局は間歇値ということになりますね。
であれば、4603さの の 4580こばやしさま: にあてたコメント部分を撤回します。

> ...短期的な噴出量の増加や,気象条件によっては,この10倍程度にはすぐになる

防災面より安全側の立場で概算するならば、発生源のSO2流量の変動と、気象条件の変動の
影響をそれぞれ10倍程度として、環境濃度の変動を100倍程度とみておかなければならない
気がします。
発生源の方の根拠:28日の関東異臭騒ぎのときのSO2濃度と気象条件、ランドサット画像か
らみて、3000t/日よりも1オーダー強い放出があったのではないかと考えたこと(定常プ
ルームが1000m程度の大気混合層内を進むという簡単な計算はしましたが不安)
気象条件の方の根拠:大気安定度による水平・鉛直の拡散幅のレンジ

過大すぎる見積もりでしょうか?

■訂正
↑に関連して自己ログを見直し 4488 さの に誤りを見つけ自己削除したのですが、もはや
ログに入っていて手遅れのようでした(^^;

誤りは次の3点です。

・(誤)東京都環境保全局→(正)東京都環境局
・(誤)1時間値→(正)1時間値の最大値 :'90年度から'98年度の統計値を並べた所
・(誤)1時間値の最大値3.4ppmは短期的環境基準(0.1ppm)の340倍!
  →(正)1時間値の最大値3.4ppmは短期的環境基準(0.1ppm)の34倍!

申し訳ありませんでした。

[210.165.70.67][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98)]

4647. 2000年09月04日 13時04分42秒 投稿:やぎ 
100km*100km*1km*10ppb(体積)として計算すると,SO2の質量は約300トンです.平均濃度を100ppbとしても約3000トンですから,現在観測されている火口からの放出量とほぼ同じオーダーと見てよいでしょう.
万のオーダーは過大だと思います.
#SO2の気体密度は約3kg/m^3.
[150.29.132.131][Mozilla/4.73 (Macintosh; U; PPC)]

4688. 2000年09月05日 00時09分57秒 投稿:さの 
■4647 やぎさま:

> 100km*100km*1km*10ppb(体積)として計算すると,SO2の質量は約300トンです.
> 平均濃度を100ppbとしても約3000トンですから,現在観測されている火口からの
> 放出量とほぼ同じオーダーと見てよいでしょう.
> 万のオーダーは過大だと思います.

は、4632 さの 宛公開レスですよね?
計算は合っていると思いますが(>4653 Hal.Tさまと同様)、私の考え方(観点)と
かみあっていないように思いますので、もう一度、考えたことをなるべく具体的に書
いてみます。

1. 火山ガスの暴露を考えるときは「評価時間」を考慮することが重要。

2. 三宅島で数分から1時間程度致命的高濃度の火山ガスに暴露されるリスクについて
  概算を行いたい。

3. 8月28日の関東異臭騒ぎのときを考える。これは、大湧谷あたりの火山ガス噴出とは
  空間スケールが1、2オーダー違いそうだ。

4. 東京西部、神奈川西部のSO2測定データ、気象データ、ランドサット画像より
  高さ1km(日中大気混合層厚)、幅50km(ほぼ小田原-横浜間)の長方形グリッドを、
  SO2平均濃度0.1ppm、H2S平均濃度0.5ppm、流速5m/s(18km/h)の大気流束(フラッ
  クス)が3時間(測定局の高濃度継続時間)継続通過したと近似。

5. 上記流束ボックスの体積は1km×5km×54km=2700km~3。
  (SO2の質量は4647やぎさまと同様にして約810トン、H2Sの質量は分子量からSO2の
   半分(1.5kg/m^3)として約2000トン)。

6. 5.のボックス中のSO2、H2Sは、28日3-6時の噴火の際に1-3時間程度で三宅島より
  放出されたものと考える(火山観測情報第207号:9/2三宅島測候所発表 参照)。
  安定した風系の下で100km以上離れた所で、3時間程度のSO2高濃度が継続したと
  いうことから、100km以上の拡散輸送中の風向方向の水平拡散幅を考えると、対応
  する発生源での放出時間は3時間より短いはずで、ここでは1時間と考える。
  (つまり、三宅島でSO2 810トン、H2S 2000トンが1時間で放出されたと考えた。
   ←1日で平均的に放出されたと考えなっかた所が重要。また、既報のSO2放出量
    3000t/日とも矛盾しない。) 

7. 6.の想定で放出されたSO2、H2Sが、気象条件により三宅島をすっぽりと覆う厚さ
  500mの大気層内に1時間滞留することを気象条件によりあり得る事態として想定。
  この円筒状大気層の体積は、層厚×島の面積 0.5km×4km×4km×3.1=約25km^3で
  5.で想定した流束ボックスの約1/100である。そこで、この大気層内のSO2、H2S濃
  度は、流束ボックス内濃度の100倍と単純に考えると、各々約10ppm、約50ppmとなる。

8. 7.で見積もった濃度は1時間平均濃度である。8月28日の東京西部、神奈川西部での
  SO2測定データ(1時間値)の最大値は約1ppmで、H2S起因と推察される異臭についての
  住民の訴え(報道)から考えられるH2S濃度の最大値(時間評価は不明だが1時間以下
  と考えるのが妥当だろう)は約5ppmである。これらは、4.の流束ボックス内の平均
  濃度の10倍である。従って、7.で想定した条件下でも、数分間という評価時間で
  考えると1時間平均濃度の10倍程度にはなるであろう。すなわち、SO2約100ppm、
  H2S約500ppmである。

9. また、火砕流や噴煙に伴う火山ガスの流下、高大気安定度時の微弱風に乗った流下
  という事態が発生した場合は、7.で考えた大気層の体積を半分程度に小さく考えて
  も不自然ではない。
  すると、SO2、H2Sの1時間平均濃度は、各々20ppm、100ppm、数分間評価での最大濃
  度は200ppm、1000ppmとなる。

10. やぎさまのHP http://www.gsj.go.jp/~yagi/Volc_Gas.html によれば、
  SO2 400-500ppmで「1-2分で皮膚を刺激し、気道・気管支が犯され、生命危険となる。」、
  H2S 800ppmで「直ちに急性中毒を起こして失神、呼吸麻痺により即死する。」とあり
  ますが、9.の評価時間込み濃度見積もりと照らすと、これはまさに致命的濃度といえ
  る。

11. 4210 みゃるさま の火砕流下での歴史的証言(回想)(抜粋)

> 真っ暗な中、常夜灯の光で、霧がものすごい勢いで渦巻いている事が確認できる時に
> 外にでたのですが、2呼吸もすると、胃がひっくり返りそうな咳がでるので、
> 正しい確認ができたかどうか自信がありません。

> 臭いは、硫黄臭と、今回初の鉄サビ臭さです。
> 鼻腔の奥の刺激は強く感じる物の、目への刺激は、私は感じませんでした。
> 口を開けたので、味も感じました。歯医者で使う薬品の味がしました。
> 味、というより、刺激かもしれません。

> また、皮膚についた霧状の物は、しばらく経つと、異臭を発します。
> ちょうど還元剤を用いて、ひどい汚れの洗濯物や、魚焼きの網を洗浄するときの臭いに
> 似ていました。ただし、体毛が溶けるようなことはありませんでした。

> また、換気扇から入ってきた霧状の物は、ふきんで拭き集めると、
> 砂状のホコリのように見えました。
> 強いて言うと、一昔前のバルサンを部屋で炊いたときに床にうっすら積もった感じに
> 似ています。
> ですから、ジャリジャリしたり、ざらつくなどの感触はありません。

 と、上述やぎさまの HP を照らすと、このときのSO2濃度は室内で10〜20ppm程度、屋外
 で50〜100ppm位と思われる。ただし、継続時間は不明。他のガスとの複合効果も分から
 ない。
 SO2濃度について、10.までの考察結果とオーダーで矛盾しない。H2S濃度は心配ながら
 裏がとれない。

以上が、私の思考過程です(根拠資料の入替はありますが)。この結果、致命的な火山ガス
災害が発生するのではないかと心配するに至りました。ただし、不確実な仮定を積み上げて
いる上に、チョンボも多いので不安です。どこかに荒唐無稽な見積もりミスでもあるのでは
ないかと。
(→4678 Hal.Tさま お情けありがとうございます。後ほど甘えさせて戴きます。)

というわけで、4612 さの で「3000t/日よりも1オーダー強い放出」と書いたのは、上記
思考過程6.の810t/時=19440t/日 を想定したもので、1日に万tオーダーのSO2放出が平均
的に続くという意味で書いたのではありません。ここの所、誤解されたのではと思いました。

以上、まことに長文恐縮。島に残る方に早く逃げて戴きたい虚仮の一念の板汚しお許しを。

ところで、やぎさまは、八木様でなく山羊様だったんですね。びっくり。

駒ヶ岳にもびっくり。

[210.165.70.254][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98)]

4869. 2000年09月07日 14時27分09秒 投稿:きつかわ@電研 
>4866 山崎さん
こちら我孫子市では、硫黄臭がはっきり確認できます。
大気がむあっとしてて温泉気分です。

現在小雨が続いています。電研の1階と2階ではだいぶ臭いの濃さに差があるため、
地面に落ちた雨水の蒸発散によるものではないかと思います。(素人意見)
試しにpHを簡易測定器で測ったところ、6.4でした。
 

[133.187.1.1][Mozilla/4.5 [ja] (Win98; I)]

4881. 2000年09月08日 00時06分53秒 投稿:さの 
 [http://http://www.mech.kagoshima-u.ac.jp/lab/netu/miyake008/miyake008.htm]
>4875 桜島から10kmより木下さま
↑拝見しました(拍手)。
「桜島島内の南岳火口南側の有村では、噴火時の火山ガスよりも噴火前後の火山ガスが
 1000mの落差を吹き降ろされ,1時間の積算値で1ppm(環境基準の10倍)を超える濃度が
 年に何回か測定されています。(上記HPより)」
のところで三宅に残っている方のことが益々心配になりました。
また、素人考えなんですが、もっとそっとガスだけ出てくることは無いんですか?
[210.165.70.162][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98)]

4884. 2000年09月08日 01時29分45秒 投稿:なや 
 [http://www.nihs.go.jp/ICSC/icssj-c/icss0165c.html]
↑硫化水素のデータ

H2Sの比重は空気より少し重いようです。
分子量からしても、H2S:34.08、N2:28.01、02:32.00ですから、やっぱり重いですよね。

参考リンク
国際化学物質安全カード: 様々な物質を検索できます。
http://www.nihs.go.jp/ICSC/ 
高等学校版 試薬の物性データ集: 50音別の索引になっています。
http://www.edu-c.pref.osaka.jp/kak/rika1/subj2-db/db-index.htm 

[210.159.175.163][Mozilla/4.72 [ja]C-NSCPCD (Win98; U)]

4898. 2000年09月08日 09時41分53秒 投稿:村松@有珠山ネット 
 [http://www.miyakejima.org/]
4884なやさん
H2Sが空気よりもやや重いのは事実ですが、厳密に言えば、空気中の水分と結びついて行動するのでそう単純ではないのです。SO2の話はとりあえず置いておきます。
まず、分子量の比較について:
プロパンが分子量44で、床にたまることから検知器は床に置いて使用するように、分子量と空気の平均分子量29との比較でほとんどの話は解決します。
34と29では、せいぜい1.2倍です。この差はほとんどないと考えるのが一般的だと理解しています(SO2は64)。誤った認識=下にたまりやすい、だから、上にいけば大丈夫、という方向に向くのが怖いと思っています。よくドライアイスを例にCO2が床をはいずることを想定している人もいますが、ドライアイスは分子量のほかに低温であることを考慮に入れないといけません。同様に火山ガスも温度が高い場合には、分子量の比較ではなく、拡散速度を十分に考慮して行動する必要があろうと思います。つまり比重云々を考えないことが必要。
次に、水分子と行動をともにする件:
H2Sは塩化水素HCl(分子量36.5)ほどではないですが、水分子と行動をともにします。ですので、軽い水蒸気ととともにかなりよく分散します。
また、乾いた肌よりもぬれた肌だと濃度の高いH2Sに触れた場合、肌に障害がでる可能性が高いと思います。
以上のように、H2Sに関する限り、空気より重い軽いという論議は意味がないと思っています。
SO2は違いますけど。
[130.34.31.136][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]

4902. 2000年09月08日 10時38分53秒 投稿:山崎 
 [http://atomica.rist.or.jp/atomica/owa/display?opt=1&term_no=09-03-03-01]
火山ガスの話題に関連してこういう報道が出ています。以下に引用

09/07 20:29 共: 二酸化硫黄1万トン放出か 三宅島噴火で原研が分析

共同通信ニュース速報

 三宅島噴火の影響とみられる異臭騒ぎが関東地方西部を中心に起
きた問題で、日本原子力研究所(原研)は七日、先月二十八日に放
出された二酸化硫黄の推定量は数千―一万トン程度だった、と発表
した。原研が放射能汚染の拡散状況を予測するシステムを使って、
火山ガスが地表に降り注いだ様子をシミュレーションした結果、判
明したという。
 それによると、先月二十八日の未明に大量発生し、高度約二千メ
ートルまで噴き上げられた二酸化硫黄などの火山ガスは、南風に乗
って高濃度のまま関東地方上空までやって来た。
 夜が明け、日差しが強くなると、内陸部で上空と地表の大気が混
ざり始め、東京都西部付近でガスが地面に向かって降り注いだ。さ
らに地表付近を通る海風に運ばれて、埼玉県、群馬県付近にまで拡
散したという。
 シミュレーション結果は、三宅島に近い海岸部で異臭が報告され
なかったことも説明でき、環境庁が大気汚染調査のために計測して
いる二酸化硫黄の数値とも一致するという。
 
 

 使われたシステムはおそらくSPEEDI(System for Prediction of Environmental Emergency Dose Information)緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステムと呼ばれるシステムと同じようなものだろうと思います。これは原子力安全技術センターが運用していますが、原研が開発したものです。実際に運用されているSPEEDIは原子力施設からの放射性物質拡散を前提としているので、三宅島は対象ではないから、格納データが無いので、同じシステムを使ったというわけではないのかもしれない。
 昨年9月30日のJCO事故の際に初めて国内原子力災害に対応して使われましたが、事故の直後に拡散予測を行うという本来の目的では活用されず、後の解析に使われました。これは当時強く批判されたものです。

 上のURLがその説明の場所。

 放射性物質の拡散予測などを行うシステムで、大気中の二酸化硫黄などの放出量推定がどこまで正確に出来るのかはよくわかりませんが、こういう使い方があるのだとしたら、そして有効な数値が出るのだったら、島の内部の二酸化硫黄濃度推定も出来るのでは、と思ったりします。
 放出するときの温度は、たぶん放出高度に置き換えられるのだろうと思うのですが、この高度とさらに放出時間の決定によって、結果に大きな相違が出ます。今回の場合、各地実測データによくあっているということらしいので、こんどは放出高度、時間、気象パラメータを変更して、島の上の濃度解析をしてみるとどうなるか、というフェーズに移行するのかどうか。
 実際にそのように使えるのかどうかはわかりません。
 

[210.131.43.26][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98)]

4912. 2000年09月08日 14時36分22秒 投稿:JIRAIYA 
4907 村松さん

理論的な裏付けがあって述べているのでは無いことを予めご了承下さい.
私は次のように考えております.

1.火山ガス噴気地帯において,噴気孔周辺の低地において大気中の硫化水素濃度が高いと言う調査結果がある.(風の流れなど,地形や気象に左右される要因が大きいかもしれませんが….)
2.噴気地帯の中心を最大濃度とした理想的な大気中硫化水素濃度の濃度勾配が必ずしも成り立つわけではなく,噴気孔からある程度離れた位置に局所的に高濃度の硫化水素が観測される場合がある.(これは噴気ガスが「気団」のようなものを形作り,拡散せずに一時的にガスのかたまりとして移動する場合があるということだと思います.)

これから考えるに,火山ガスのかたまり(SO2,H2S,CO2を含む)として移動する場合があるとすれば,空気より比重が大きいガスのかたまりは,無風時には地面を這うように移動することがあると思われます.特に,これらのガスが液体の水の中を通って放出された場合(湯溜まりから発生するガスなど),水は液体の水として取られてしまいCO2とH2Sに富んだガスとなって比重は大きくなるでしょう(SO2もその多くが水に溶け込みで減少する).高温の噴気ガス中の水もが気温の低下により凝縮され液体となれば,残った気体成分の比重は同じく大きくなるでしょう.

実際,噴気地帯でフィールドワークを行う際,天候と地形に注意して低地には入らないように心がけております.

以上のことから,離れたところからやってくる硫化水素となると話は別になりますが,火山ガス起因の硫化水素による事故を防ぐ上で,高いところに待避しても意味がないと思われてしまうのも心配でしたのでコメントさせていただきました.
 

[202.211.200.76][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows NT 5.0)]

4913. 2000年09月08日 15時40分57秒 投稿:村松@有珠山ネット 
 [http://www.miyakejima.org/]
4912JIRAIYAさん
噴気口からのガスの出方が一定ではなく、濃度や量の時間変化が非常に大きい場合(たとえば、泥火山みたいなのを連想しています。ぶくつ、ぶくつ、ってなる感じ)、ガスの出口から十分に遠くない距離では、濃度の濃い部分ができてもいいのでしょう。
ガス団を形成するというのは結構不思議な現象ですが、ガス団自体が拡散していくと同時に形成するガスも拡散していきますので、十分に遠い場合は、単独のガスとして振舞うようになるものと思います。
が、これはあくまでも、化学屋が机上の空論みたいなのを並べて推論しているだけですので、実際には、硫化水素−二酸化硫黄のゆるやかな結合(分子間力でもなんでもいいですけど)ができている、というのだと、物理化学的には非常に興味深いです。
[130.34.31.136][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]

5009. 2000年09月10日 21時05分56秒 投稿:桜島10kmより木下 
 [http://www.mech.kagoshima-u.ac.jp/lab/netu/miyake008/miyake008.htm]
1. 快晴時の三宅島のランドサット画像と、国土地理院標高データと合わせた3D画像を加えました。
4831 みねさんご紹介のJPL製は、本年7月17日11時のASTER画像を2月のスペースシャトルからのレーダー観測標高データに張り付けたもので、雲が海や山腹に張り付くので、晴れた側から見ています。
我々は伊豆諸島快晴を探したら、三原山割れ目噴火収束半年後の1987年5月21になりました。古い代わりに四方からご覧下さい。
4878 みねさん、書き込みが遅れてすみません。

2. 高温火山ガスでも、強風で斜面に沿って吹き降ろされるので、
4992.ちばさん ご紹介の様になると思います。これは噴煙の写真で確かめられると
思いますが、桜島の山岳波の次のまとめをご覧下さい。噴煙とガスはまた上昇したりします。
http://www-sci.edu.kagoshima-u.ac.jp/volc/Sakura-Jima/sk04.html
4881 さのさん 「そっとガスだけ出てくることは無いんですか?」 については、
激しい噴火爆発でなくても、灰の少ない白煙でも、火口からSO2濃度の高い高温火山ガスが大量に出ていることはあります。その振舞いは上空の風次第です。

3. 原研のシミュレーション(4902山崎さん+4917さんご紹介)は、期待したものです。
日中の対流混合は、9月6日、9月9日(4865+4934おかもとさん、4866山崎さん)にもSO2, SPM濃度を高くしていると思います。9月7日雨天(4869きつかわさん)でも、強風で我孫子市方向に吹き付けられていると思います。
役に立つ素早いシミュレーションを期待します。それ以前に、取りあえず科学的予想を
鍛えることも重要だとおもいます。

4. 火山ガス災害を避けるために
4884-4898-48994907-4913 なやさん−村松さん のやりとりの結論に大体賛成です。
4903+4912 JIRAIYAさん、三宅島噴火では大量のSO2を含む高温火山ガスの危険は
確実で、その振る舞いについてコメントしているつもりです。常圧の硫黄は高温では酸素と、低温では水素と結合しやすいということです。
低温火山ガスに対する注意はおっしゃる通りですが、活発な火山でどれだけ出ているか、
プロの方のご意見を頂きたいと思います。

5. 衛星による噴煙監視(4886+4926+4928+4944 早川さん 座戸さん 源三郎さん)
雲を突き破り成層圏に達して広がりつつある大爆発の噴煙はともかく、
高度5km程度では、分解能が良くて1.1kmの気象衛星ノア画像では、見落とす恐れがあります。
http://www.mech.kagoshima-u.ac.jp/lab/netu/sing_gj/html/Sa_Erupt.htm 

民間航空の火山灰被害をさけるため、地震計・衛星監視・航空機の通報などをまとめた
オンラインの国際的監視連絡体制が出来て、気象庁の中に担当部署があります。
Tokyo VAAC - Tokyo, Japanが、英文のVAA Messages を流していますが、
国内の情報の風通しはどうでしょうか。噴火予知連で集約ということでしょうか?
以下に少し説明がありました。東京航空地方気象台航空路火山灰情報センターの項です。
http://www.kishou.go.jp/field_offices/tokyo/tokyo/index.htm
以上です。

[163.209.82.39][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 95)]

 

5122. 2000年09月13日 12時44分09秒 投稿:村松@東北大 
 [http://www.mech.kagoshima-u.ac.jp/lab/netu/miyake008/miyake008.htm]
ちょっと質問です。
上の記述のなかに
------
もうもうと降る火山灰の表面には火山ガス成分を吸着していますが、気体状態の火山ガスは、分子量が大きくても分離する訳ではありません。噴煙中の10ミクロン以下の浮遊粒子状物質(SPM)は、固体微粒子であっても数十km以上漂うのですから。
------
とありますが、意味がとれないのです。吸着はいいのですが、火山灰の比表面積と表面の組成(Hydrophorbicな表面なのかどうかを含めて)なんかはわかりますか?
あと、「分子量が大きくても分離する訳ではありません。」とは、どういう意味ですか。
固体粒子が気体に分散しているのは、コロイド分散系(ブラウン運動による)の一つで何ら不思議はないですが、物は何ですか。
木下さん、ごらんになっていたら、お願いします。
[130.34.31.136][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]

5189. 2000年09月14日 20時20分07秒 投稿:桜島10kmより木下 
 [http://www-sci.edu.kagoshima-u.ac.jp/volc/gas/public/index_p.html]
5122 村松さん 説明不足で、遅くなってすみません。
粒の粗い火山灰ほど早く落下します。(火山灰の表面には火山ガス成分を吸着していますが、同じ質量なら灰が細かいほど表面積が広く、ガスを沢山吸着しますが、これは本題ではありません。)
噴煙中の10ミクロン以下の浮遊粒子状物質(SPM)は、固体微粒子であってもほとんど重力落下せず、
数十km以上漂います(固体粒子がエアロゾルとして気体に分散しているので何ら不思議はないのは、おっしゃる通りです。)
ましてや、巨大分子であっても重力落下しないし、低濃度では重力分離もしません。これが云いたいことです。分子拡散だけでなく乱流拡散でかき混ぜられます。ガス濃度が少なくとも1000ppm以上ないと、分子量によって分離はしないのですが、よく誤解されてきたようです。この点は、根拠の文献を上記の火山ガスのページ中に準備中です。しばらくお待ち下さい。
[163.209.82.39][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 95)]

5214. 2000年09月15日 16時39分51秒 投稿:ちば 
 [http://www.gsj.go.jp/~yagi/Volc_Gas.html]
腐卵臭を強く感じて頭痛までするということは
この一覧表でみると,2-3ppmのあたりと符合します・・・
0.3ppmだという測定値を聞いて油断することは禁物だと思います
現状でも風の弱い窪地などで,局地的に濃度が高まる
危険性はあると思います.
 
硫化水素ガス濃度
(体積比ppm)
生理作用
1−2 かすかに臭気を感じる.
臭気(卵が腐ったような臭い)が著しい.
5−8 非常に不快な臭気を感じる.
10 許容濃度
50 気道が刺激され,障害が起こる.
100 臭気はあまり感じなくなる.5−8分ほどすると目・鼻・咽粘膜に強い痛みを感じ,暴露が長引けば激しい中毒になる.
800 直ちに急性中毒を起こして失神,呼吸麻痺により即死する.

(やぎさんのぺーじより)

[133.43.162.138][Mozilla/4.5 (Macintosh; I; PPC)]

5215. 2000年09月15日 16時40分18秒 投稿:早川 
そんなに二酸化硫黄が出ているなら,地球環境に影響をあたえるんじゃないの?
と思って少し調べてみました.

1983年1月からもう17年以上噴火しつづけているハワイのキラウエア火山からの二酸化硫黄放出量は毎日7000トンです.

おととい,水戸で,風早さん@地質調査所がいうには,世界でいまもっとも二酸化硫黄を出しているのはメキシコのポポカテペトル火山で,(たしか)毎日1万トン.

三宅島はいま毎日1万トン程度出しているらしい.

だから,地球環境に影響を与えるほどではないと思う.
天明の飢饉みたいなことはおこらないと思う.
(フランス革命の遠因となったのは,浅間山ではなくアイスランドのラカギガル火山だった)

という,否定的結果がわかったという報告でした.

なお,毎日7000トンのなか,キラウエア観光はふつうにおこなわれているし,ハイキングもさかん.ただし,プウオオ火口に向かうナパウ・トレイルの目にしみたことったら,なかった.
 

[133.8.33.197][Mozilla/4.08 (Macintosh; U; PPC, Nav)]

5228. 2000年09月15日 21時55分27秒 投稿:桜島10kmより木下 
 [http://www-sci.edu.kagoshima-u.ac.jp/volc/gas/public/index_p.html]
皆様、 本州各地の硫黄臭は、三宅島雄山からの高温火山ガスに大量に含まれるSO2と、重量比でその数分の一のH2Sが、強風で吹き付けられたための様ですね。青白いのは硫酸エアロゾルもあるのでしょうか。

1.活発な時期の桜島はSO2が年間70万トン、三宅島はそれよりはるかに大量の火山ガスが、マグマから分離しているとすると警戒すべきです。1991-95普賢岳のSO2ガスは少量でした。
(1991年6月のフィリピンの Pinatubo大噴火で吹き上げられた成層圏のエアロゾルの影響で、'91年夏から'93年にかけて日本だけでなくアラスカに到るまで北半球各地でまばゆいばかりの朝焼け・夕焼けが見られたのは、火山灰の落下後も火山ガス中の二酸化硫黄の変化した大量の硫酸エアロゾルが数年間成層圏に留まったためで、環境にグローバルな影響を与える事が知られています。http://www-sci.edu.kagoshima-u.ac.jp/volc/Sakura-Jima/sk03.html)

2.強風による吹き付けの特徴は、高濃度火山ガスの地域が比較的狭い帯状に限られ、時間は日中に限らないことです。
ある地点では風向の変化によって時間的に急激に変化するでしょう。
山の背後でも、強風による吹き下ろしがあります(新潟など)。
それほど強風でなくても比較的狭い範囲で上空1kmあたりに来た火山ガスは、日中の対流混合で地上に降りて来ます(前述4875と、原研シミュレーション4917)。

3.「そらまめくん」などSO2の連続測定点が人間活動の盛んな平野部などに全国展開されているのは公害対策と環境行政のためで、H2Sの測定がないと官庁を攻めても間に合わないでしょう。まずはフットワークのよい研究者ボランティアに期待します。

4.予告しました根拠の文献「高濃度火山ガスの動態と気象条件」を上記の火山ガスのページ中に載せました。
5191村松さん、特にその中の 5.追記をご覧下さい。雲が空に浮かび、エアロゾルよりも大きな雲粒がなかなか重力落下しないのは、乱流の影響が大きいと思います。自然大気中では分子拡散よりも乱流拡散の影響が大きいですね。分子拡散だけでも、0.1%以下の濃度では分子量が大きくても分離は無視できるのではないでしょうか。

[163.209.82.39][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 95)]

5231. 2000年09月15日 22時50分48秒 投稿:Cauli. 
ここをお読みのマスコミの皆さんにお願い。

台風14号の北上に伴い、今日愛知・岐阜・福井あたりで感じられた三宅島火山ガスによる異臭の範囲が、これから新潟や東北の方に移動していくことが予想されます。

その報道の際、「二酸化硫黄(SO2)」と「硫化水素(H2S)」を混同して伝えないようお願いします。同じ「硫」「S」の文字が入っているとはいえ、両者は化学的性質が異なるガスですので。

我々がここで議論するとき、本来は硫化水素について議論すべきところ二酸化硫黄の観測データを使うことがよくあります。それは、そらまめ君をはじめとするInternet上で公開されている観測データ(注)が二酸化硫黄しかないので、やむなくそのデータを代用して傾向を見ているだけで、硫化水素も同じような濃度で分布しているとは限りません。

注:そもそも、二酸化硫黄は石油を燃やしたときにも発生する公害原因物質で、硫化水素とは
  大気汚染防止法上の位置付けが異なるため、観測体制が異なっています。
 

環境庁から都道府県に注意喚起がされたようですので、今後は都道府県も両者を区別して対応すると思いますが、もし対応が不適切であれば指摘してください。

なお、二酸化硫黄と硫化水素の嗅ぎ分けは素人でも容易にできます。

 二酸化硫黄=マッチを擦ったとき、あるいはストーブを不完全燃焼させたときのようなツンとした臭い。

 硫化水素=卵の腐ったとき、あるいは夏のドブ川の汚泥から立ち昇るようなムッとする臭い。
  (実際に、汚泥の中には硫化水素を発生する細菌がいることが多いのです。)

文章にするときは、前者を「(ツンとする)刺激臭」、後者を「腐卵臭」とするのがよいでしょう。「硫黄臭」の表現は、どちらか判別できないのでやめてほしい。

なお、臭いを自分の言葉で表現したい場合は、いずれのガスも高校の化学実験室で生成可能と思われますので、恩師や母校に頼めば体験できるかもしれません。その際は換気を十分に行うことを忘れずに。わたしは高校生のとき、換気扇が故障しているのに実験を強行して倒れました。
 

[211.2.44.70][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98)]

5239. 2000年09月16日 07時46分06秒 投稿:いけだ 
SO2余話

昨日我が家にガスマスクの訪問販売がありました。例の火山ガスにかんする呼びかけ(ちらっとしか見せてくれなかったので文章は覚えられませんでしたが、そこでは呼びかけの主体は、非常災害対策本部でも気象庁でもなく東京都になっていました)のコピーを携え、「これからはこれが無くては外も歩けない」。仕組みを聞くとヤシガラ炭に吸着させるとのこと。
大変興味が湧き、欲しいとすら思ったのですが、1個15万円の品物にはさすがに手が出ませんでした。呼びかけの文章にも興味があり、是非コピーを下さいと粘ったのですが、ついにいただくことは出来ませんでした。

私の身の回りで火山ガスに関する呼びかけに最も早く反応した人物のひとりでした。

迷った揚げ句…追記
ポチさん5169.岡村さん5230>
ひとつの言葉や発言を異なった文脈の中にスライドさせて意味付けしてゆくのはコラージュ。もはや創作行為です。

あ、早川さんも同じ件について発言している。
…便乗したつもりではありません。

[210.166.226.67][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Mac_PowerPC)]

5241. 2000年09月16日 08時32分31秒 投稿:中山@千葉 
初めまして、毎日こちらの掲示板は拝見させて頂いております。

5239.いけださん
それは悪徳商法の匂いがぷんぷんしていますね。

http://www.mask.co.jp/bouginmask01/bougin01.htm

にある活性炭素繊維を使っているフィルタのマスク等の値段は、

http://www.mask.co.jp/bouginmask01/u3ah/u3ah.htm

に見られる様に、高くても数千円、ゴーグル一体型でも三万円台程度です。
思うに、今回の硫黄臭騒ぎに乗じた詐欺ではないでしょうか。

5239.いけださん記-----------------------------------
(ちらっとしか見せてくれなかったので文章は覚えられませんでしたが、そこでは呼びかけの主体は、非常災害対策本部でも気象庁でもなく東京都になっていました)のコピーを携え、「これからはこれが無くては外も歩けない」。仕組みを聞くとヤシガラ炭に吸着させるとのこと。
大変興味が湧き、欲しいとすら思ったのですが、1個15万円の品物にはさすがに手が出ませんでした。呼びかけの文章にも興味があり、是非コピーを下さいと粘ったのですが、ついにいただくことは出来ませんでした。
---------------------------------------------

ちらっとしか書類を見せない、これからはこれが無いと云々、
呼び掛けのコピーを渡さない、と言うのは、悪徳商法の常道です。

わたしは、三宅島に送る防塵マスクについて調べて、この程度の事を持っているだけですので、
あるいは、その方は善意で15万円の性能の良いマスクを持って来られたのかも知れません。
が、用心をした方が良いと思います。

[210.139.165.181][Mozilla/4.7 [ja] (Macintosh; I; PPC)]

5243. 2000年09月16日 08時42分34秒 投稿:村松@東北大 
H2Sについて、ちょっと古いのですが、1987年発行の
Hommmel (ed) Handbuch der gefahrlichen Guiterから
185 硫化水素(H2S)
物性
沸点 -60℃
蒸気圧 17.7(20℃)
蒸気密度比(空気=1) 1.19
融点 -86℃
水との混合性 部分的 100mlの水に0.672g(437ml at0℃、186ml at40℃)
分子量 34.08
引火点 可燃性気体
発火性混合気vol% 4.3〜45.5
発火点 270℃
臨界温度 100.4℃
外観性状:無色の気体、甘ったるい、腐卵臭の不快臭、特に危険な高濃度で無臭
空気中に放置および空気と混合時の挙動:
圧縮ないし液化可燃性気体で非常に有毒。放置された液体は非常に速く気体状態に移行する。気体放出時急速に大量の冷たい霧と非常に有毒な混合気を生じ、周囲に広がる。その霧は空気より重く、地表に沿い、這うように動き、発火の際遠い距離をバックファイヤーすることがある。火災の際、猛毒の二酸化炭素が生じる。
水中に放置および水と混合時の挙動:
硫化水素は水に溶解する。この溶液上方の空気は爆発の可能性があり、その場合、硫化水素の強いにおいに気づくようになる。
健康危険:
硫化水素は青酸とほぼ同程度の毒性がある。重症の中毒の場合、衝撃的に起こる意識喪失に続いて、呼吸麻痺と心機能不全により死亡する。この気体が低濃度の場合、眼、気道ならびに肺にきわめて強い刺激と炎症が起こる。肺水腫が起こりうる。肺水腫は2日間までの遅れで現れる点に用心。したがって、この気体を吸入したときは、いつでも医師の検査を受けることが必要である。その症状は消化器官の側もわかるが、中枢神経系の部分的麻痺の症状からも認めることができる。
症状:
重症の中毒:意識喪失、呼吸麻痺、けいれん、死
中程度および軽度の中毒:催涙、眼の炎症と痛み、気道の刺激、咳、呼吸困難、嘔吐、下痢、腹部けいれん、頭痛、意識もうろう、興奮、意識喪失、心臓律動障害
短時間の作用:
50〜100ppmで1時間後に眼および気道を刺激 200〜300ppmで1時間後に眼および気道を激しく刺激。500〜700ppmでは15分以内に、めまい、頭痛、吐き気など30〜60分後に意識喪失および呼吸停止が起こりうる。700〜900ppmではすぐに意識を喪失し、2〜3分後には呼吸停止、1000〜2000ppmでは即座に呼吸が停止する。
臭覚いき値=0.01ppm  MAX値=10ppm
注意事項:硫化水素は多くの金属を腐食し、その際硫化物を生じる。
(村松注:長いので途中略)
水質汚濁:
水生生物に有毒、魚類に対し0.86mg/lから有毒(参考文献あり) 魚類の餌料動物に対する致死限界量は1.0mg/l(参考文献あり)、大部分の藻類に対して有毒(参考文献あり) 地下水中に入る(沿岸濾過)場合、この汚染水は飲料水として使用できない。飲料水用に危険。水質に危険を及ぼす物質で、水質危険クラスは2、毒性評価数は魚類に対して6.3、バクテリア類5.8、哺乳動物7(参考文献あり)
(村松注:長いので以下省略)
[130.34.31.136][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]

5245. 2000年09月16日 08時56分07秒 投稿:村松@東北大 
SO2について、1987年発行の
Hommmel (ed) Handbuch der gefahrlichen Guiterから
186 二酸化硫黄(SO2)
物性
沸点 -10℃
蒸気圧 3.39(20℃)
蒸気密度比(空気=1) 2.26
融点 -75.46℃
水との混合性 部分的 112.7g/l at20℃、228.3g/l at0℃
分子量 64.06
不燃性で有毒な気体
臨界温度 157.5℃
外観性状:無色の気体、刺すようなにおい
空気中に放置および空気と混合時の挙動:
圧縮ないし液化、腐食で有毒な不燃性気体。放置された液体は非常に速く気体状態に移行する。気体放出時多量の冷たい霧と腐食性で、有毒な混合気を生じ、周囲に広がる。その霧は空気より重く、地表にとどまる。
水中に放置および水と混合時の挙動:
液体は水よりも重く、沈降する。多量の水の中では、二酸化硫黄を溶解し、腐食性の亜硫酸が生じる。水面外に出た二酸化硫黄は健康に有害な煙霧を生じる。
健康危険:
気体の二酸化硫黄は眼と気道および肺をきわめて激しく刺激し、最終的に肺水腫が起こる。肺水腫は2日間の遅れで現れる点に用心する。したがってこの気体を吸入したときは、いつでも医師の検査の必要がある。この液体と接触すると、皮膚は凍傷にかかり、眼には重症の障害が起こる。
症状:
眼および気道の炎症。激しい刺激性咳。、呼吸困難、意識喪失、死。
短時間の作用:
400ppmを超える濃度の気体を吸入すると、数分間で生命危険がある。
臭覚いき値=0.3〜1ppm  MAX値=2ppm
(村松注:長いので途中略)
水質汚濁:
直接および生じた硫酸を経由して水生生物に対し有毒で、魚類と藻類に毒性作用があり、魚類に対する限界量は0.5mg/l、致死量は1mg/l(参考文献あり) 魚類の餌料動物に対する障害いき値は260mg/lから。水質に危険を及ぼす物質で、水質危険クラスは1.毒性評価数は魚類に対して2.1、バクテリア類3.1(参考文献あり)
(村松注:長いので以下省略)
[130.34.31.136][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]

5246. 2000年09月16日 08時59分45秒 投稿:村松@東北大 
5243,5245に関する、村松のコメント

臭覚いき値に注目してください。
硫化水素と二酸化硫黄の混合気体の場合は、非常に二酸化硫黄が多く含まれる場合を除いて、硫化水素の臭いが優先します。

[130.34.31.136][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]

5248. 2000年09月16日 09時26分13秒 投稿:村松@東北大 
5243,5245の訂正と若干の解説:
(訂正)
臭覚いき値の右の、MAX値は、MAK値の誤りです。お詫びして訂正します。
臭覚いき値とは、純気体に対する一般的な、しきい値であり、目安とお考え下さい。
MAK値とは、最大許容労働場所濃度(Maximale Arbeitsplatz-Konzentration)のことで、旧西ドイツ連邦政府労働大臣名で公表されている、「健康に有害な産業用物質災害許容労働場所濃度」のリストで、1984年版のものを掲載してあるとのこと。
[130.34.31.136][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]

5284. 2000年09月17日 03時39分17秒 投稿:マンボウ 
マンボウです。

 16日夕方。川崎市多摩区でも、かなり強い異臭がしていました。
 私は喘息持ちです。

 夕方、買い物に出かけると同時に、軽い喘息の症状がでました。これも三宅島のガスの
影響なのでしょうか。

 子ども2人も喘息なので、今後もこう言った状態が続くと不安です。

 そこで質問なのですが、これらのガスは、一般の家庭用の空気清浄機でも除去が可能
なのでしょうか?

 夕方表に出た私は喘息の症状が出ましたが、自宅にいた子ども達には特に影響はなかった
様です。
 その差異として考えられるのは、豪雨の為に締め切っていた空気清浄機のある部屋に
いたか、外出して、ガスのある空気を吸ったかです。

 ガスマスクをするまでは、したくありませんが、ガスを吸わないで済む方法があれば
知りたいです。

[211.13.145.139][Mozilla/4.73 [ja] (Win98; U)]

5287. 2000年09月17日 06時48分29秒 投稿:村松@東北大です 
5284マンボウさん:
家庭用空気清浄器ですが、活性炭やゼオライトあるいはシリカゲルでもいいのですが、吸着剤が使われていれば効果があります。家庭用清浄器は多くは、タバコの煙、ダニ、胞子など、エアロゾル(空気を分散媒としている各種コロイド)をとるのが主目的のものがありますので、確認してみてください。
[211.10.64.124][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 95)]

5288. 2000年09月17日 07時56分21秒 投稿:いけだ 
Cauliさん5270>
>雨に当たるのが趣味という方はあまりいないと思いますが、

どうでもいいことでしょうが、私は子供のころから雨に当たることと味わうことを趣味(?)にしてきました。

16日は練馬と京橋で雨に遭いました。京橋の雨は、注意深く味わうと、やや酸味を確認できる程度。練馬の雨は土砂降りにも関わらず、酸っぱさを感じました。こうしたことは滅多にありません。霧やこぬか雨だと酸味は確認しやすいのですが…。

個人差が大きいとは思いますが、ヒトが舌で酸味を感じるpHはどのくらいからなのでしょう?

[210.166.226.24][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Mac_PowerPC)]

5289. 2000年09月17日 08時15分38秒 投稿:村松@東北大です 
5288いけださん:
食酢でpH3くらいです。食酢を1/10薄めたとき、つまり(非常にいいかげんな計算で)大体pH4くらいで酸っぱさを感じると思います。
東京の酸性雨で記録されているのは、pH4〜5ですので、そのpHでも人によっては酸っぱく感じるかもしれません。
[211.10.64.124][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 95)]

5295. 2000年09月17日 09時42分15秒 投稿:ちば 
はやかわさん>
夜の間にそおっと2000mとかの上空を静かに流れてきて、
朝方になって日が昇りはじめて、地面が熱せられ
上昇気流が生じて、上空のガスの多く含んだ
大気が一気に下降する。
はじめの三多摩を襲ったSO2ガスのシミュレーションの解説は
そういうことだったと思います。(どこのサイトだったかな)

夜の間の大気の流れは層流的で
あまり拡散せずに濃度をある程度保ったまま
運搬できるということではないのでしょうか
台風の影響を受けた強くて早い流れの時はどうなのでしょう
拡散するまもなく到達するのかもしれません
 

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5297. 2000年09月17日 11時36分26秒 投稿:Cauli. 
マンボウさん(#5284):
実はわたしも喘息持ちなのですが、高校のときH2SとSO2を気を失うまで吸ったにもかかわらず喘息症状が出なかったという実績(?)があるため、今回は自分の体を過信しています(本当は急性と慢性では分けて考える必要があるんだろうな)。

一口に喘息といっても、どの物質で発症するかは人によって全然違います。また、精神的不安が発作を引き起こすことがあるともいいます。

発作を鎮める薬はお持ちですよね。それを常時携帯し、それが効かなかったり症状が重くなったら医者に走るくらいの「注意」は必要だけど、過剰な「不安」は逆効果だと思います。
 

いけださん(#5288):
普段から舌で雨の酸味を観測(?)されているとは凄いですね。
でも味は酸の種類によって異なるから、興味があれば定量的に調べてみてください。pH試験紙は東急ハンズなどでも購入できます。学研の「○年の科学」には年1度、「全国酸性雨調査」とかで付録についてくるんじゃなかったかな。

#この雷雨の中買い出しに行って電車が止まっても責任持ちませんのでよろしく。

[202.233.211.208][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98)]

5307. 2000年09月17日 16時46分47秒 投稿:Cauli. 
早川さん(#5305):
>二酸化硫黄だけでなく,硫化水素にも言及することの健康管理上の意味は何ですか?

いま本州で観測されている二酸化硫黄は、多いところで0.5ppm程度です。異臭を感じるという報道又は当掲示板で訴えがあった地点最寄りのそらまめ君の過去データでは、0.1ppm程度までしか上がっていないこともあります。最寄りといっても限られた数の観測点での話だから、局地的にそれを超えている可能性までは否定しませんけれど、福井県環境科学センターの注意喚起に参考として掲げられている「0.3〜1ppm(300〜1000ppb):敏感な人が臭いを感じる/1〜2ppm(1000〜2000ppb):大部分の人が臭いを感じる」とはギャップを感じます。
 

これに対し、硫化水素の方は(この期に及んで定量的な観測値をまだ見ていないのですが)、#5214でちばさんが指摘されたように多いところで2〜3ppm程度まで上がっている可能性があると見ます。二酸化硫黄の環境基準が大気汚染防止法に基づく告示(つまり国レベル)で決められているのに対し、硫化水素の基準は悪臭防止法に基づき都道府県条例で決められているので一定ではありませんが(同一都道府県でも工業地域とそうでないところで異なる値を決めていることもある)、排出口(外気に出る口)で10ppm、敷地境界線で0.02ppm(工業地域では0.2ppm)程度でしょう。大気汚染防止法と悪臭防止法はその目的が異なるから一概には言えないけれど、硫化水素の2〜3ppmというのは軽視できない数値だと考えます。
 

>「いおうくさい」から「二酸化硫黄」にきをつけろ,のキャッチフレーズだと,どのような
>見落としがあるのですか?

ひとつは、二酸化硫黄と硫化水素では身体に及ぼす影響が異なります。二酸化硫黄は主に粘膜に作用し、鼻や喉や眼を痛めます。硫化水素はそれだけでなく神経系に作用し、頭痛、嘔吐、意識障害などを引き起こします。自分が二酸化硫黄を発生させる実験をしたときは、鼻や眼に少ししみる感じはあったけど痛いというほどではなく、(換気扇は故障していたものの)窓を開ければいいや、と思い続行しました。次に硫化水素を発生させたとき、鼻や眼の刺激にはさほど変化はなかったのですが、しばらくして頭痛と嘔吐感に見まわれ、まずいと思い実験室を出ました。そこで級友に「SO2とH2Sを出したから実験室に入らず先生を呼んでくれ」と言い残して保健室にたどり着きましたが、1時間くらい意識がありませんでした。幸い土曜の午後で学校にはあまり人もいなかったため、大した騒ぎにならずに済んだのですが。
 

もうひとつは、早川さんが#5293で指摘された「濡れタオル」は、二酸化硫黄には効いても硫化水素にはあまり効かないだろう、ということです。硫化水素も水には溶けるけど、溶解度は二酸化硫黄に比べ、体積比でふた桁違います(だからこそ遠方まで高濃度で運ばれているのではないかと推測するのですが)。

さらにもうひとつ、普通のひとが「いおうくさい」と言ったら、それは二酸化硫黄ではなく硫化水素の可能性が高いと思うのですが、いかがでしょう。

[202.233.212.51][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98)]

5309. 2000年09月17日 17時55分18秒 投稿:村松@東北大です 
H2S臭について:

5214ちばさんが紹介されている、表は、私たちの認識とはちょっと違うので、ドイツの危険物ハンドブックの臭覚いき値を紹介したのです。
桁でいうと、少なくとも1桁は違うような気がします。
単に温泉臭い場合に、数ppmに達しているとは到底考えられません。以前、山形の温泉宿でH2Sが雪に閉じこまれて宿泊客を襲い、症状を出したときには、ppmオーダーのH2Sでした。
仙台では臭っていないので、計測できないので、確かなことは言えません。ただ、二酸化硫黄よりも2桁くらい、しきい値が低いのです。
とにかく、データを出して欲しいものです。

[211.10.64.124][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 95)]

5313. 2000年09月17日 19時38分51秒 投稿:へちゃ 
汚染物質の鉛直混合について

朝の昇温とともに、境界層下部は超断熱となり、上下混合が著しくなり汚染物質も(上空のものは下に)輸送されます。陸域の昇温は海域のそれを上回るので、海域上空を水平に移動したガスが陸域で下降するのは当然とも言えます。

しかし、次の場合は異なるようです。
「海上で下層雲が境界層(高さ1〜2km−へちゃ付加)の上部にあるような場合、雲層が日中は日射で加熱され大気は安定化するが、夜間は大気放射で雲層は冷却し不安定化する。その結果、大気が不安定なときは夜間に一層不安定となり、上下の混合・対流が活発化する〜(地表面に近い大気の科学〜東京大学出版界〜近藤純正103pp)」
つまりこの場合、人目に触れない海域では夜間にガスの下降が起こっている可能性があるということでしょう。

これらは、いずれ気象研究者の手によって調査され、発表されると思います。

[210.236.130.53][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 98)]

5325. 2000年09月18日 08時39分53秒 投稿:村松@東北大 
H2Sガス臭いへのこだわり(笑)
どうも、[http://www.gsj.go.jp/~yagi/Volc_Gas.html]の記述と我々の経験にギャップを感じてしまい、ちょっと調べてみました。
計測データ:
○カナディアンロッキーの温泉の源泉 H2S 2〜3ppm(出所不明)
○鳴子温泉 硫化水素型源泉 H2S 2ppm(我々が計測、未発表データ)
ということで、温泉の源泉付近では、数ppmのH2Sがあることは確かです。
○西ドイツの危険物ハンドブックの臭気いき値(前述)0.01ppm
○0.1〜1.0ppm Detectable by most persons by sense of taste rather than by odor
 (Safety, Mining & Eng.,http://www.instanet.com/~pfc/index.html)
○人体に害を及ぼす濃度の1/400ですでに臭いを感じる
 (US,National Institute for Health,http://www.nih.gov/)
 (村松の勝手な解釈:100ppmとすると、0.25pm、眼に異常を訴えはじめる10ppmとすると、0.025ppm)
とあります。なお、[http://www.gsj.go.jp/~yagi/Volc_Gas.html]と同じ記述もありました(火山ガス関係のサイト)。
というわけで、結局計測しないとなんとも言えない、という、お粗末な結論です。(_ _;)
[130.34.31.136][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]

5326. 2000年09月18日 08時59分13秒 投稿:村松@東北大 
5316早川さん:
気持ち悪い(笑)ので、放っておこうかと思いましたが(嘘です。すいません)、皆様の誤解を解いておこうと思います。#早川さんの猫なで声はなんとなく合いません (_ _;)
H2Sの自然酸化、つまり、燃焼は条件によって異なりますが、概ね300℃以上ないと進行しません。ただし、触媒燃焼や生体の中での燃焼では、活性化エネルギーが下がるので、常温でも進行します。大気中に分散したH2Sはオゾン酸化を受けて、SO2になりますが、その速度は遅いので、発生したH2Sは長時間安定に存在します。
従って、硫化水素臭、腐卵臭がしたことは明らかに硫化水素が含まれているものと推測されます。で私が問題にしているのは濃度レベルです。
以下蛇足:(ちょっと考えてみたこと)
火山ガスによる窒息事故では、発生源が近くか、温泉湧出口である場合がありますが、これは比重によってよどんでいるわけではなく、発生口近くの水溜り(温泉でもなんでもいいです)には、H2Sが過飽和状態で溶解していて、従ってその水面上は、平衡蒸気圧に匹敵するH2Sガスがいると思います(拡散速度が空気よりも若干低いのですぐには逃げていかない)。これが、H2Sが空気より重いからそこによどんでいると誤解される由縁であろうと思っています。
今回は、全く別のところからやってくるH2Sですので、何回も申し上げているように、下に溜まるということに期待すべきではありません。
[130.34.31.136][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]

5328. 2000年09月18日 12時54分37秒 投稿:さの 
5325 村松さま にフォロー

硫化水素は、悪臭防止法で定める特定悪臭物質(22物質あります)の一つですので、
悪臭関係の分野でも閾値の研究が随分と行われています。

環境庁監修「【最新】においの用語と解説[改訂版]」(社)臭気対策研究協会、1998.05
によりますと、硫化水素のにおいの閾値は、

「検知閾値 0.0005ppm(0.5ppb)」
「認知閾値 0.006ppm(6ppb)」

となっております(原典はppm単位表示のみ)。
検知閾値とは濃度を0から上げていって、種類を判別できないが、においの存在が分かる
最低濃度、認知閾値は、においの種類が分かる最低濃度のことです。

私は昨日午後(9/17PM3-4)に、8/28以降初めて自宅(東京都中野区)の庭先で
「硫化水素臭」を感じました(降雨中でした)が、「もんわりとした温泉臭」といった
感じでした。なお、そのときの直近の大気汚染常時監視局(中野区若宮局)のSO21時間
測定値は10ppb以下でした。

実は、20数年前に悪臭の官能測定法(3点比較におい袋法)の開発に関係していたことが
あるのですが、そのときの経験と比較すると、私がにおいを感じた硫化水素の濃度は、
認知閾値の10倍程度のオーダー(50〜100ppbといった所)かなと思いました。
においの記憶は五感の中で一番長く残る(思い出せる)といわれていますので、大昔の
感触ですが、結構当てになると自分では思っています。

直近の記憶と照合しますと、今夏北アに登山に出かけたとき、白馬鑓温泉の硫化水素臭が
北アの主稜線(天狗山荘あたり)まで、日中の上昇気流に乗って漂ってきたのを明らかに
認知できたのですが、そのときのにおいの強さに近いと思いました(なお、人間のにおい
の強さの感覚尺度は濃度のログで表せます)。

というわけで、やぎさんのページ(http://www.gsj.go.jp/~yagi/Volc_Gas.html)の、
硫化水素1-2ppmで「かすかに臭気を感じる」という所の、下限濃度1ppmはちょっと高すぎ
るのでないかなと思います。また、測定値に基づきもっと定量的に議論したい所ですが、
「においに対する感覚報告」から推定する硫化水素濃度が高めに寄らないよう注意が必要
と思います。

[150.67.32.3][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98) via proxy gateway CERN-HTTPD/3.0 libwww/2.17]

5330. 2000年09月18日 17時50分07秒 投稿:Cauli. 
 [http://www.eic.or.jp/kisha/200009/69276.html]
三宅島噴火及び新島・神津島近海地震非常災害対策本部(環境庁気象庁・国土庁)↑さま

「硫化水素も併せ同様の呼びかけ」だけしか書いてないのでは、既に観測している東京都以外は硫化水素の観測はしないんじゃありませんか?

東京都災害対策本部は、今夜にも、再び防災関係者を島に向かわせるようですが、都は貴本部設置前に村民へのヘルメット配布につき適切な対応を怠った前科がありますし、「防災関係者が島内で作業する場合には、必ずガスマスクやガス検知器等を携行するなど安全対策について周知徹底」では不十分かと思います。上陸する都、村及び指定(地方)公共機関の安全対策を竹芝乗船前に確認の上、それが不十分な場合は災害対策基本法第28条第2項に基づき、貴本部から適切な安全対策の実施を指示してください。

[202.233.212.20][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98)]

5353. 2000年09月20日 01時13分56秒 投稿:Cauli. 
気象庁さま
本来なら、軽症とはいえ火山ガス(硫化水素)による人的被害が確認されたのだから緊急火山情報を出していただくのが望ましいのですが、それができないのなら、火山観測情報に二酸化硫黄放出量の観測値を載せても硫化水素放出量の観測値を載せないのは硫化水素の遠隔観測が技術的に困難なためであり、硫化水素を軽視すべきではないことを火山情報の利用者に周知してください。それは火山学者にとって自明であっても防災関係者にとって自明とは限りません。

できれば、14日の非常災害対策本部としての報道発表環境庁及び国土庁と同時発表)したのを補足する形で、非常本部の所管区域(東京都)内の機関には非常本部名で、所管区域外の自治体には環境庁との連名で、それぞれ通知するのがよいでしょう。

[211.2.44.155][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98)]

5362. 2000年09月20日 17時58分34秒 投稿:Cauli. 
かとれあ丸、本日は三宅島に接岸できず大島へ。風上の三池港は波が高く、風下の阿古港は二酸化硫黄の濃度が高かったとという(NHK)。昨日島に人を置いていかなくて本当によかった。
 

東大地震研中田教授による三宅島雄山の19日のカルデラの状況。底まで観測できたのは久し振りのような気がする。
 

地調風早氏による16日のCOSPECによる雄山からの二酸化硫黄放出量観測模様。下から2つめの画像に書き込まれた「SO2/H2S〜3」は測定値なのか仮定値なのか?
 

まりさん(#5361):
そらまめ君の表示する風向風速は地上のものですが、ガスが遠方に流されるのは上空の風向風速の影響が大きいですから、地上の風速があまりないからといって内陸に届かないとは限りません。

二酸化硫黄(別名:亜硫酸ガス)は石油を燃やしたときに発生します(最近は浄化技術が進んできているから実際の排気ガスにはあまり含まれないよう規制されていますが)。また、硫化水素はドブ川の汚泥や人間の腸内に住む細菌からも発生します。おならのにおいには硫化水素も含まれているわけですね。

もちろん、三宅島雄山以外の火山や温泉なども放出しますが、臭いが広範囲で感じられる、言い換えれば大量のガスがばらまかれる原因は限られていますので、そういうときは(上空の風向風速なども勘案して)雄山が怪しい、ということになるわけです。観測点のひとつやふたつで二酸化硫黄が高いというくらいなら、工場排気の浄化装置(脱硫装置)の調子が悪いなんて原因も考えられるでしょう。

[202.233.211.247][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98)]

5363. 2000年09月20日 19時25分34秒 投稿:みやぎ 
 [http://www.gsj.go.jp/~imiyagi/Works/Event/Miyake2000/geol/000916cospec/]
このページの画像に書き込まれた「SO2/H2S〜3」は、測定値です。
風早氏が9/15ヘリ観測中に機内濃度測定でSO2=0.4ppm(検知管)、
H2S=0.1-0.2ppm(ガスセンサ)という値を得たので、現時点で
SO2/H2S=3としているとのこと。
[150.29.133.34][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Mac_PowerPC)]

5394. 2000年09月22日 10時07分05秒 投稿:さの 
 [http://www.metro.tokyo.jp/INET/ETC/SAITAI/HISAI/MIYAK246.HTM]
↑「東京都災害対策本部の対応等について(第146報)」の中の
「作業判断の基準(暫定)二酸化硫黄2ppm、硫化水素10ppm」というのは
どうやって決めたのだろうか。

暫定といえども安全の基準としているのだからはっきり根拠を公開して欲しい。

昨夕のNHKニュースでは米国の基準を参照し、労働時間との関係に触れていた
(残念ながら正確に覚えていません)ようですが、
米国の大気環境基準(http://www.epa.gov/airs/criteria.html)で、
SO2(健康関連:primary)は次のとおり。

年平均値 0.03 ppm 
日平均値 0.14 ppm 

また、米国NIOSH(National Institute for Occupational Safety and Health)の
SO2 CriteriaDocument(http://www.cdc.gov/niosh/pdfs/77-so2.pdf)では、
10時間/日、40時間/週労働でのSO2の職業的暴露限界を、時間加重平均濃度0.5ppmと
推奨しています。

[210.165.70.116][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98)]

5397. 2000年09月22日 12時05分45秒 投稿:Cauli. 
さのさん(#5394):
硫化水素の10ppmというのは、日本産業衛生学会の職業上曝露の許容濃度勧告値だと思います(同学会では二酸化硫黄の許容濃度はpendingとしている)。

ただし、いま島で作業している人は火山ガスと産業衛生について十分な知識経験がある(あるいは十分な知識経験がある人の指揮下で作業している)とは言い難いから、わたしはこの数値を暫定基準とすることを支持しません。

なお、今朝の日刊スポーツによると、昨日も15:30頃(三池)錆ヶ浜港停泊中のかとれあ丸が高濃度のガスに巻き込まれて健康被害を訴える人が出たそうですが、そのとき測定したのかどうかも不詳です。

[202.233.212.23][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98)]

5403. 2000年09月22日 15時19分11秒 投稿:M3 
>5402

@nifty, 共同通信ニュース速報
「三宅島より高温の噴火へ 塩化水素急上昇 極めて危険と専門家」
より引用

>>>
火山灰中の有毒な塩化水素の含有量が、山頂噴火が始まった七月と比べて百数十倍に
急上昇していることが二十二日、東京工業大学の研究グループの調査で分かった。
<<< >>>
 東工大の野上健治助手によると、採取した火山灰一キロに含まれる塩化水素は、
七月九日には約四十ミリグラムだったが、八月になって数百ミリグラムに上昇。火砕
流があった八月末に約二千ミリグラム、最新の九月上旬には約七千ミリグラムに達した。
<<<

同記事の要旨
・塩化水素は噴火活動を占う重要な指標とされている
・低温火砕流が起きて以後表面上は落ち着いた状態だが専門家は非常に危険な状態
と警告している
・同助手の言葉として、二酸化イオウも放出量と塩化水素量について、「いずれも
尋常ではない数字」「島に上陸したら防毒マスクを必ず着用することが必要」
・火山ガスに詳しい小坂丈予東工大名誉教授の言葉として「(塩化水素)濃度の急
上昇は噴火がより高温の形態に移りつつあることを示す」
 
 

同時刻の別記事
「不十分な火山ガス監視 異常訴える人相次ぐ」
より、
(第2、3段落)>>>
 東京都の現地災害対策本部は、作業員らにアラーム付きのガス検知器や防毒マス
クを携行させたが、津白根山などで使われているガス濃度が上がるとスピーカーで
周囲へ一斉に注意を促すような本格的な自動警報器は導入されていない。
 東京工業大の小坂丈予名誉教授は「島は相当危険で防災作業も望ましいことでは
ない。火山ガスが目に見えず、島では逃げ場がないことに対する関係機関の認識が
甘い」と話す。
<<<
 

 今現在の三宅島における「防災活動」に対する疑問が明確にマスコミに出てきた
しるしならば良いのですが。各新聞・TVが報じるかどうか、注目。

 

[202.219.14.234][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows NT 5.0)]

5421. 2000年09月23日 00時53分01秒 投稿:M 
初めて投稿します。ホテルシップに9/18から9/21マスコミの一人として乗船しました。
その時の様子をお知らせします。
9/18
24:00 台風で避難した竹芝桟橋のかとれあ丸に乗船、三宅島に向け出航。
 
9/19
朝起きると三宅島に着いていた。大きな噴煙が上がっていた。先遣隊が安全を確認した後
三池港に上陸。この夜は沖合に停泊。

9/20
北東の風が強く三池港に着岸できず半時計まわりに阿古に向かう。阿古に近づくと噴煙が
低く、阿古上空をたなびいていた。さらに船が進むと臭いがしてきて船内に入るようにと
指示がでた。咳き込んだり、目が痛い人がでた。結局着岸をせず大島に向かった。
阿古沖3kmで SO2 0.7〜1PPM  H2S 0.2PPMの発表

9/21
気象条件は昨日とほぼ同じとのこと、阿古にに直接向かう。昨日と同じく噴煙がたなびき
近づくと山を少し青っぽいガスが右から左に流れている。臭いはこの時はなかった。
上陸の許可がでて作業が始まる。防毒マスクをつけてない人はたくさんいた。私たちもして
いなかった。しばらくした後、風向きが変わりはっきりした青いガスがこちらに向かって
きた。急いで船内に入る。臭気が立ちこめ咳き込んだり口をおさえる人で船内は騒然となった。
が緊急に船内にもどるようにという指示はなかった。予定時間の16:30に神津島にむかっ
た。ガスは2回きて、1回目 15:40 SO2 2.2  H2S 0.6
           2回目 16:00 SO2 3.0  H2S 0.8
の発表があった。臭気は温泉の臭いだった。
  

[64.236.79.89][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows 95)]

5425. 2000年09月23日 06時07分04秒 投稿:村松@東北大 
5420Cauli.さん:
よろしくお願いいたします(笑)
5421Mさん:
私の経験では、硫化水素が0.1ppmもあれば、臭います。
宮城・鳴子温泉で駅前で臭う程度の臭気はそのくらいだったはずです。
前に指摘したことで忘れたことがあって、硫化水素の臭いがしているからといって、それだけではないぞ、ということです。硫化水素の臭いに注意がそれて、二酸化硫黄などのガスの存在を忘れてはいけないのです。
#引き続きモバイル中
[130.34.11.80][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]

5429. 2000年09月23日 09時40分45秒 投稿:Cauli. 
 [http://www.kishou.go.jp/miyake/jyoukyo/0922a.pdf]
気象庁、昨夜20:15になって21日と22日の二酸化硫黄観測値を報道発表↑(pdfファイル)の形で公開。
#5409で指摘したように火山観測情報では伏せられていたのに、地調が数字を出していることに気付いて「情報隠し」の指弾を浴びることを恐れたのか。それにしても、火山観測情報の訂正(追加)ではなく別の形で発表した理由は謎。火山情報に盛り込めない理由があるとも思えないし。

Mさん(#5421):
特に20日の体験談、時刻を明記していただければ幸いです。

>阿古沖3kmで SO2 0.7〜1PPM  H2S 0.2PPMの発表

二酸化硫黄の1ppmは眼に染みると思います。経験上、硫化水素は気分が悪くなるほど吸っても眼や鼻に染みないかもしれません。臭くて「鼻が曲がる」でしょうけど。結局、二酸化硫黄は涙と咳で、硫化水素は臭いで感知することになりそうです。そもそもそんなところに知識・装備なしで行ってはいけないのですが。
 

>昨日と同じく噴煙がたなびき近づくと山を少し青っぽいガスが右から左に流れている。

火山観測情報では、「青白い火山ガス」はヘリ観測じゃないと確認されていないような書き振りでしたが、船上から肉眼でもわかるのですね。

[211.2.44.89][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98)]

5433. 2000年09月23日 10時57分48秒 投稿:Cauli. 
 [http://resq.to/fun/3997/]
福井県環境科学センター10時現在、二酸化硫黄が和久野187ppb(=0.187ppm。以下同様)、敦賀175ppb、気比150ppb、北丸岡107ppbなど、主に若狭地方を中心に高い状態。

wさん(#5426):
SPMに火山灰は含まれます。他に比較して高いといっても、環境基準(そらまめ君地図表示画面の下の「測定項目」をクリックすると出ます)より低ければ問題ないし、環境基準自体かなり余裕を持って決められた数値ですから、多少基準よりオーバーしたあすぐに健康に影響があるというものでもありません。

塩化水素(HCl)について、村松さん(#5416)は「人体に影響があるのは相当高濃度から」と書かれていますが、ICSCに掲載されている許容濃度は5ppmとそれほど高くありません。ただ、塩化水素はよく水に溶けて島から遠くまで運ばれる可能性は低いのと、もともと体内(胃酸など)に存在している物質であり歯や粘膜を侵すほど高濃度でなければ悪さをしない(人体に蓄積されるとか神経に影響があるとかはない)ため、本州では心配ないと思います。

[211.2.44.144][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98)]

5434. 2000年09月23日 11時15分09秒 投稿:Cauli. 
二酸化硫黄のCOSPEC観測、「トン/日」の単位が使われていますが、測定値はあくまでもその時点での放出の勢いであり、実際に丸1日の放出量を測定したわけではないということに留意する必要があります。36000トン/日の数値は確かに大きいけれど、本当にその日24時間に36000トン放出したかどうかはわかりません。

1時間の雨量が50mm、というのは結構な大雨ですが、だからといってそれを1200mm/日とは言いません。24時間のうちにも雨の強い時間と弱い時間があります。雨の場合はずーっと観測していますから、24時間積算雨量が300mmとか実際の数値が出ますが、二酸化硫黄の放出量はそういうふうには測れないわけです。

[211.2.44.158][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98)]

5437. 2000年09月23日 11時39分36秒 投稿:M 
5429 Cauliさんへ

>特に20日の体験談、時刻を明記していただければ幸いです。

9:30 大浜岬沖 SO2 0.5PPM  H2S 0.1PPM 降灰 異臭
9:40 阿古港沖 SO2 1.0PPM  H2S 0.2PPM 降灰 異臭
     この時トンボが3匹 死んだと後で発表される。
10:00大島に向かう

>火山観測情報では、「青白い火山ガス」はヘリ観測じゃないと確認されていないような書き振 りでしたが、船上から肉眼でもわかるのですね

 そのとうりです。青白いガスは肉眼ではっきり見えました。右から左に流れていました。
 船の方向に向かってくるのも確認しました。速度はゆっくりしてました。その時船はすっぽり
 ガスに包まれました。

[64.236.123.104][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows 95)]

5439. 2000年09月23日 11時51分07秒 投稿:まつ@島原 
5429Cauli.さん

>火山観測情報では、「青白い火山ガス」はヘリ観測じゃないと確認されていないような書き振りでしたが、船
>上から肉眼でもわかるのですね。

「青白い火山ガス」は,陸上でも良くわかります.作業員の人は「青い霧」と呼んでいます.
16日午前に私達が上陸したときにも,山頂から大久保浜にかけて濃いガスが流れており,
伊豆付近の都道を帯状に「青い霧」が横切っていました.
車の窓や換気を止めて走り抜けましたが,車中にほとんど匂いは侵入しませんでした.
屋外作業員の人があまり防毒マスクをしていないのも,「火山ガス」がやって来ても,まず
匂いでわかる,濃度の濃いところは,目視でわかる.匂いがし始めたら,車で
逃げることが可能と考えているからではないかと思います.
そういう意味では,室内作業や船内にいた人の方が,急に濃いガスを嗅ぐことになって危ないのでは
ないかと思います.

#もちろん我々は防毒マスクを携帯して行動しています.

[133.5.168.105][Mozilla/4.7 [ja] (Macintosh; I; PPC)]

5466. 2000年09月24日 06時24分03秒 投稿:ちあきん 
Cauli. さんありがとうございます。

コップほど小さい世界でなく、半径数キロに及ぶガスの帯の場合を想像しても、
その中心部でも安全でしょうか。

かなり遠い所まで匂いが届くと言う事は、広範囲、高濃度な気がします。
それが 今の所は届くまでに風によって拡散されていると思います。

ただ、東京の気象は 壁が無く開けているとはいえ、
立ち込めたスモッグが、まるで煙の中にいるように、ずっと 停滞しています。
それぐらい 空気が流れません。
(ガスより公害の心配した方が本当は良いのでしょうが)
その 空気の停滞状態の時に 半径数キロ程度で帯が来たとして、帯の外側は薄まっていると
思いますが、中心部はどうでしょう。

特命リサーチと言う番組で、登山中に意識が無くなる事故、ビルディング内で意識が無くなる事故について、解明していました。
ガスが原因であったり、酸素が少なくなっているのが原因でした。
ただ、それは、小さなエリアであって、小さなスポットなので被害を受けた人は少なかったです。
東京の場合半径数キロ中の一キロでも濃度の高いエリアが出来てしまったら、数万人の被害者が出るのでは無いでしょうか?

三宅島からの距離によって広まったガスの濃度は、均等に薄まっているのでは無くて。
薄いところ、濃いところ、まだらになっている気がします。

勝手な想像と勝手な不安で申し訳ありません。
ただ、ガスの影響がかなり広範囲、遠距離に及んでいるので 不安になっています。

[211.17.160.50][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows NT; DigExt)]

5468. 2000年09月24日 07時40分07秒 投稿:村松@東北大 
5466ちあきんさん:
物理化学の基礎に平衡というのがあるんですが、すべての物理化学的な事象は平衡に向けて移動しているんです。速度論(Kinetics)というのは平衡状態までの変化を表します。
ガスは三宅島から海を渡ってやってきて、距離は火山ガス事故がある場合(せいぜい数キロ)の何十倍も遠い距離を経ています。そこからやってくるガスが前提で話をしています。つまり、平衡系への連続的な拡散支配(速度論にはいろんな考え方がありますが、平衡系<大気の濃度が地球全体で同一になることを想定>までの主因として拡散速度だけを考えていい状況)になっていると思われます。
仮にガスが濃縮されるとしても一時的(恐らく数秒以下の単位だろう)なものでしかないですし、open system(開放系)では、通常考えられるメカニズムはありません。
通常考えられないメカニズム(つまり今まで拡散支配だったものが突如濃縮方向に変化する異常現象)としては、よほど特殊な環境(たとえば、非常に限られた空間だけ温度が周りよりも数十度も低い、大気圧が非常に低いなど)を想定せざるを得ません。
コップの中の泥をたとえていましたが、コップ自体がこの「特殊な環境」です。
また、不均一系である液−固系の泥水では、泥は熱運動に起因するブラウン運動よりも凝集沈殿する方が勝る場合がありますが、大気中のガスは、同一相(均一系:気−気)ですので、物理化学的には全く違う系です。ただし、多量の火山灰が多量のガスを吸着してやってくる場合は、違いますけど。
#以前、火山灰の比表面積を質問したが回答がなかった....(落涙)

ただし、三宅島自体は発生源ですので、上記の考察は適用できません。
安達太良、阿蘇の事故を繰り返さないで欲しいです。

[211.10.64.124][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 95)]

5480. 2000年09月24日 12時00分33秒 投稿:村松@東北大 
5472へちゃさん:
念の為、“濃縮化”と“高濃度に分布している”ことは別ですよね?

あと、大気中の水分に溶解しているSO2,H2S(あと,HCl)というのもありますが、湿度が高いときに、これらの濃度が高い、という相関はあるんでしょうか? >> 誰とはなく (^_^;

[211.10.64.124][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 95)]

5482. 2000年09月24日 12時53分52秒 投稿:Cauli. 
村松さん(#5480):
>あと、大気中の水分に溶解しているSO2,H2S(あと,HCl)というのもありますが、湿度が
>高いときに、これらの濃度が高い、という相関はあるんでしょうか?

「大気中の水分」って水蒸気(つまり気体のH2O)のことですよね、ミストではなくて。「水蒸気に溶解しているSO2」なんて概念はあるのかなぁ。少なくとも観測値は、トータルの濃度を測っていると思います。

例えばビーカーに塩酸を入れておいたとき、湿度(水蒸気圧)が高いと塩酸は気化しやすいかしにくいか? しにくいような気がする。

濃縮のメカニズムとして、雲(霧でも可。要するに大気中に含まれる液体の水)が移動していくときに経路上のSO2やHClを溶かし込んでいって、どっかで水が蒸発して高濃度のSO2やHClが残る、という仮説を考え付きました。ただし、雲の主たる推進力は風だから、「経路上のSO2やHClを溶かし込んでいく」ということがあり得るかどうかは怪しいです。移動を考えず、周囲のSO2やHClを溶かし込んでいって集める、ということならあり得ると思いますが、それで拡散に対抗するほどの濃縮が可能かどうか。

[211.2.44.111][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98)]

5483. 2000年09月24日 13時46分24秒 投稿:村松@東北大 
5482Cauli.さん:
水蒸気の話ではないです。雲や霧のことです。
これだと、局在化する可能性があるかも、という意味。
[211.10.64.124][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 95)]

5485. 2000年09月24日 15時48分49秒 投稿:Cauli. 
村松さん(#5483):
あ、やはり。
でも水といえば、そらまめ君では相模川とか荒川とか川沿いに二酸化硫黄濃度が高い地点が分布することがあります。湿度の問題なのか、風がそういうふうに吹いているのかは定かではありませんけど。
[211.2.44.117][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98)]

5487. 2000年09月24日 16時02分59秒 投稿:Cauli. 
#5485補足:
もうひとつ、東京都環境局を見ていると、陸→海方向(例えば北西)の風が吹くとき東京湾岸の方が内陸より二酸化硫黄濃度が高いことが多いです。ただし、それは三宅島方向からの風ではありません(少なくとも地上では)。また、同局の地図は環境基準の日平均値40ppbの半分以下の18ppbで飽和してしまうから、三宅島起源の二酸化硫黄が多いときには使えません(でも数値情報は使える。湿度はそらまめ君では判らないからその意味では貴重)。
[211.2.44.88][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98)]
5497. 2000年09月24日 19時14分20秒  投稿:sai 
 [http://www.nagano-eikouken.or.jp/jyoho/h11/h11_2_1.html]
#5480.~5483. 村松@東北大、Cauli.さんへ 

> 水蒸気の話ではないです。雲や霧のことです。
> これだと、局在化する可能性があるかも、という意味。

http://www.nagano-eikouken.or.jp/jyoho/h11/h11_2_1.html
森林衰退と大気汚染 より

>乗鞍岳では、1963年7月にpH3.4、1990年7月にはpH1.4の霧が観測されています。 

>硫黄を含む物質が燃えると亜硫酸ガス(SO2)が発生し、大気中で酸化された後、
>硫酸へと変化し、エアロゾル(粒子状物質)となります。

http://www.keea.or.jp/qkan/wordri.htm
環境に関する用語集 より

>硫酸ミスト 
> 亜硫酸ガスが空気中の水分に溶けて亜硫酸になりますが,大気中にオキシダントがあると酸化されて硫酸になります。
>これらが大気中に霧状に存在するものを硫酸ミストといいます。

硫酸ミストがどのように移動、分布(局在化する可能性)するのかは 私にはわかりませんが。

[202.208.61.193][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.5; Mac_PowerPC)]

5498. 2000年09月24日 19時15分33秒 投稿:sai 
#5485 Cauli.さんへ 

> でも水といえば、そらまめ君では相模川とか荒川とか川沿いに二酸化硫黄濃度が高い地点が分布することがあります。
> 湿度の問題なのか、風がそういうふうに吹いているのかは定かではありませんけど。

微気象の影響でしょうか?
川の低温が下降気流をうんでいるのかな。
朝(太陽エネルギー)から大気の循環でSO2のの濃度が上がるのと同じかな。

[202.208.61.193][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.5; Mac_PowerPC)]
5508. 2000年09月25日 08時24分24秒  投稿:村松@東北大 
#長期出張から帰着しました (_ _;)
5497saiさん:
URL御紹介ありがとうございます。
誤解を与えている可能性がありますので、ちょっとだけ補足を。
話は、SO2をガスとして捉えるか、水に溶解した亜硫酸として捉えるかの問題に移行しています。
濃縮化機構として、気-気の均一相で考えると、拡散支配になったとき、突如逆の方向に進むのは物理化学の常識としては考えにくい、というのが最初の私の主張です。
が、ヘテロな系、エアロゾル(雲、霧も含めます。気−液不均一系)では、ゾルの分散凝集挙動で物理化学的な性質は代表されるので、エアロゾルの凝集、つまり、媒体の大気に対して均一に分散していたエアロゾルがなんかの拍子に凝集してしまい、結果的にエアロゾル中に含まれる亜硫酸濃度(媒体である大気の単位面積当たり)が大きくなる、という機構があるかもしれない、というのが、次の私の主張のつもりでした。
#この辺は出張中のため、詳しく書きませんでした。すいません。

で、確認です。
>硫黄を含む物質が燃えると亜硫酸ガス(SO2)が発生し、大気中で酸化された後、
>硫酸へと変化し、エアロゾル(粒子状物質)となります。

亜硫酸ガスが大気中で酸化された後、エアロゾルになるというのは本当ですか?
#燃えた(酸化反応)後、さらに酸化されるという表現に何か不思議なものを感じます。
硫酸への酸化は、霧でも雲でも水溜りでもなんでもいいのですが、水という溶媒に溶けてからのことだと思っていますし、そういう実験事実もありますから。より具体的には水中に溶解している酸素によって酸化され、最初は亜硫酸だったものが、硫酸となる。
これが硫酸ミスト。

なお、念のため、エアロゾルというのを粒子状物質とするのは誤りと言えないまでも、誤解を与える表現です。コロイド分散系の一つというぐらいにしておきませんか。
タバコの煙りと同じ。

[130.34.31.136][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]
5517. 2000年09月25日 18時35分02秒  投稿:sai 
#5508. 村松さんへ

まず 私は素人ですのでSherlock 2(Macです)で検索された情報を
URL紹介しただけで,
今回 結果的におかしな情報を紹介した事は大反省します!

>亜硫酸ガスが大気中で酸化された後、エアロゾルになるというのは本当ですか?
>#燃えた(酸化反応)後、さらに酸化されるという表現に何か不思議なものを感じます。

私も 水が大変すぐれた溶媒であり、触媒であることは認識しています。

>そういう実験事実もありますから。

実証できているなら そうなのでしょう。

で、主題の「媒体の大気に対して均一に分散していたエアロゾルがなんかの拍子に凝集してしまい、
結果的にエアロゾル中に含まれる亜硫酸濃度(媒体である大気の単位面積当たり)が大きくなる、
という機構」ですが

「大気汚染の酷い地域の森林の衰退が 川、谷沿いに起こるらしい」という情報から
そのようなメカニズムが現実に起こりうるのかなと思いましてコメントした次第です。
 

[202.208.61.185][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.5; Mac_PowerPC)]
5519. 2000年09月25日 19時08分12秒  投稿:Hal.T 
ガスの濃集:
固相中で液相が移動するときには不純物の掃き寄せがおきます。しかし大気中に雲がある、
気相中に液滴相がバンドとなっているような、たとえば笠雲のような状況でどうなるのかなと
考えてみましたが、単純に水平移動する大気で濃集するようなメカニズムは無理みたい。

それよりも、上下に循環する雷雲のような構造の方がいいような気がします。

上昇気流に液滴が滞留し、上に向かう大気中の(今話題になっている)ガスをどんどん集め、
最終的にそれらの液滴が蒸発するとガスが集積した状態になる気がします。精密に考慮された
モデルではありませんが、どうでしょうか?
 

[210.254.79.5][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98)]
5533. 2000年09月26日 08時09分53秒  投稿:村松@東北大 
Date: Mon, 25 Sep 2000 18:06:29 +0900
環境科学辞典(荒木ら 1990,東京化学同人)から

二酸化硫黄 sulfur dioxide
---------------
無水亜硫酸、亜硫酸ガスともいう。SO2、分子量64.06。融点-75.5℃、沸点
-10.0℃。比重2.26(気体)、1.46(液体)。水への溶解度は
22.8g/100ml(0℃)、4.5g/100ml(50℃)。無色、腐敗した卵に似た刺激臭の気
体。液体は無色透明。水分の存在下では還元作用を呈するが、酸化剤として
働く場合もある。硫酸製造の原料および殺虫剤、殺菌剤、漂白剤、還元剤に
使用される。硫黄を含む化石燃料(石炭、石油)の燃焼により発生し主要大
気汚染物質の一つで、大気汚染の指標物質として広く測定が行われている。
最大の発生源は重油の燃焼で、そのほか硫酸製造、金属精錬工程での硫化鉱
の燃焼などからも発生する。
植物の葉が日中に空気中の二酸化硫黄を吸収すると、毒性の強い二酸化硫黄
が硫酸イオンSO42-に解毒化される。しかし、大気中の二酸化硫黄濃度が高
く、植物体内の解毒能力以上に二酸化硫黄が葉に吸収されると、葉肉細胞が
破壊され、可視障害が発現する。アルファルファでは障害を受けた部分の葉
が当初は水浸状を示し、あとで白色や淡褐色に変わる。また針葉樹の葉は赤
褐色となり、落葉しやすくなる。同程度の可視障害をもたらす二酸化硫黄濃
度は植物の種類によって異なる。高感受性植物としては、アルファルファ、
オオムギ、ワタなどがあり、1.25ppmの1時間暴露で障害が現れる。植物の二
酸化硫黄抵抗性は、木本植物>草本植物、常緑樹>針葉樹、落葉広葉樹>常
緑広葉樹である。
生体影響については、二酸化硫黄は水に可溶性のため上気道への影響が強く
みられる。しかし、口呼吸で速い速度で吸入したり、下気道へ侵入しうる粒
径(一般に3μm以下)の粒子が共存すると、粒子に二酸化硫黄が吸着して下
気道への影響が見られることも想定されている。
0.3〜1.0ppmで臭いを感じ、5ppmになると上気道に刺激感や気道抵抗の増加が
みられるものが出現する。しかし、これらの減少は反復暴露によって適応や
耐性がみられる。20ppmになると眼の刺激、30〜40ppmでは呼吸困難も認める
ようになる。50〜100ppmでは1時間ぐらいは耐えられるが、400〜500ppmでは
短時間暴露で生命に危険である。このような高濃度になると上気道への影響
が強く、炎症性潰瘍や声門水腫が発生し、窒息死を起こしたり肺水腫がみら
れたりする。しかし、高濃度暴露では瞬間的に眼や上気道に強い刺激を認め
るので、事故などで歩行不能にならない限り重症になる前に暴露から逃げる
ことができる。高濃度暴露よりも比較的低濃度への長時間暴露が問題になる
場合が多く、閉塞性肺疾患患者が職業性または大気汚染物質として暴露され
ると症状が憎悪すること、死亡率の増加や子供の呼吸器疾患の羅患率の増
加、地域住民の間で呼吸器症状の有症率の増加などが報告されている。しか
し、大気汚染の場合、二酸化硫黄単独の影響というよりも二酸化硫黄と浮遊
粉塵の混合暴露による影響として評価されている。
急性毒性は吸入でLC50がマウスで130ppm・24時間、TCL0がハムスターで
3ppm・5日、LCL0がラットで611ppm・5時間、マウスで764ppm・20分であ
る。許容濃度は、日本産業衛生学会(1983)が5ppm(13mg/m3)、ACGIH(1983)が
2ppm(5mg/m3)。二酸化硫黄に係る環境基準は、1時間値の1日平均値が
0.04ppm以下であり、かつ、1時間値が0.1ppm以下であることとされている。
また、大気汚染防止法において、物の合成、分解その他の化学的処理に伴い
発生するものついては特定物質に指定されている。労働安全衛生法施行令別
表第3において、特定化学物質(第三類物質)に指定されている。排ガス中
の二酸化硫黄の分析のための自動計測器はJISB7981に溶液伝導率方式、赤外
線吸収方式、紫外線吸収方式、定電位電解方式が規定されている。大気中の
二酸化硫黄の分析のための自動計測器は、JISB7952で溶液伝導率方式、炎光
光度検出方式、電量方式、紫外線蛍光方式が規定されている。なお、環境基
準に係る二酸化硫黄の測定は、溶液伝導率法によると規定され、この方法に
より常時監視が行われている。これら以外の二酸化硫黄の化学分析法にはヨ
ウ素滴定法、ロザニリン吸光光度法などがある。

[130.34.31.136][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]
5534. 2000年09月26日 08時10分59秒  投稿:村松@東北大 
環境科学辞典(荒木ら 1990,東京化学同人)より引用

硫化水素 hydrogen sulfide
----------
H2S、分子量34.08、融点-85.5℃、沸点-60.3℃、対空気比重1.19。最も簡単
な硫黄化合物で無色、腐卵臭の刺激性の気体。可燃性で空気中で青色の炎を
あげて燃え二酸化硫黄になる。水に可溶、フッ素、塩素、臭素と激しく反応
する。液体硫化水素(無色)は有機化合物のよい溶媒である。有機合成にお
ける重要な還元剤、分析試験(金属沈殿剤)、金属の精錬、各種工業薬品、
農薬、医薬品の製造に使用される。
硫化水素を吸入すると血中に移行し、硫化水素が遊離したままで生体に作用
し、細胞酵素のシトクロムオキシダーゼを不活性化するために中毒作用が起
こると考えられている。硫化水素は血中で速やかに酸化され、無害で排泄さ
れやすい硫酸塩になるため蓄積作用はないと考えられている。
ヒトの臭いの閾値は、0.0005〜0.025ppm、明瞭に感知するのは0.06ppm、1〜
5ppmでは不快臭が強く、20ppm以上になると結膜炎や角膜障害、200〜400ppm
では眼・鼻・上気道に対する灼熱性疼痛(30分間ぐらい耐えられる)、400〜
700ppmでは30分〜1時間暴露で肺水腫が起こり生命に危険、700ppm以上では
頸動脈球(洞)を刺激し反射性の呼吸中枢麻痺で即死すると考えられてい
る。急性毒性(LC50)は経気道で、ラット713ppm・1時間、マウス673ppm・
1時間である。
許容濃度として、日本産業衛生学会(1983)は10ppm(14mg/m3)、ACGIH(1983)は
10ppm(14mg/m3)、米国職業環境大気基準は天井濃度(CL)として20ppm、ピーク
濃度(PK)として50ppm(10分)を示している。
植物に対する硫化水素の毒性は比較的弱い。高感受性のソバ、アスター、
キュウリ、トマト、ハツカダイコンで20〜40ppmの5時間暴露で葉面に可視障
害が発現する。中程度の感受性を示すグラジオラスでは60〜80ppmではじめて
障害が発現する。高抵抗性種にはカーネーション、イチゴ、モモなどがあ
る。
硫化水素は労働安全衛生法施行令第3において特定化学物質(第二類物質)
に指定されているほか、同報に基づく酸素欠乏症等防止細則において急性の
硫化水素中毒を防止する観点から種々の規制がなされている。大気汚染防止
法において特定物質に指定され、また、悪臭防止法においては悪臭物質に指
定され、敷地境界線におえる規制基準の範囲は0.02〜0.2ppmである。悪臭と
しての硫化水素の発生源は、屎尿処理場、畜舎、クラフトバルブ工場、澱粉
工場などである。
一般に分析はメチレンブルー吸光光度法法またはガスクロマトグラフ法で行
う。排ガス中の硫化水素の分析法はJISK0108で硝酸銀電位差滴定法、イオン
電極法、メチレンブルー吸光光度法およびガスクロマトグラフ法が規定され
ている。電位差滴定法では、吸収液に吸収後、硝酸銀メタノール溶液を用い
て電位差滴定を行う。イオン電極法では、硫化物イオン電極を用い電位差測
定分析法で定量する。吸光光度法では、吸収液に吸収後、p-アミノジメチル
アニリンと塩化鉄(III)とを加え、生成したメチレンブルーの吸光度を測定す
る(定量範囲は5〜1000ppm)。ガスクロマトグラフ法では、炎光光度検出器
または熱伝導度検出器を備えた装置で定量する(定量範囲は前者を用いた場
合0.05〜3ppm)。なお悪臭防止法の規定では、冷媒に液体酸素を用いて低温
濃縮を行った後、炎光光度検出器付ガスクロマトグラフで分析することと
なっている。

[130.34.31.136][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]
5535. 2000年09月26日 08時12分13秒  投稿:村松@東北大 
環境科学辞典(荒木ら 1990,東京化学同人)より引用

塩化水素 Hydrogen Chloride
------------
HCl、分子量36.46。常温、常圧において無色刺激性を有する気体で湿った空
気中で発煙。冷却すると無色の液体(液化塩化水素)および固体となる。融
点-114.25℃、沸点-85.09℃、液体の比重1.187(沸点)、固体の比重
(d-195)1.503。水への溶解度は0℃で82.31g/100g。メタノール、エタノー
ル、およびエーテルに易溶。完全に乾燥した塩化水素は比較的不活性であ
る。塩化水素の水溶液を塩酸または塩化水素酸といい、純粋のものは無色で
ある。市販の濃塩酸はおよそ36〜37%の塩化水素を含み、比重は約1.19であ
る。水との共沸混合物をつくり、共沸点は108.584℃、塩酸濃度は20.222wt%
である。非金属とはほとんど作用しないが、多くの金属を常温で溶解して水
素を発生する。
環境中濃度の測定データは少なく、都市大気中の全塩化物の濃度として、91.
8〜150μg/m3(東京−千葉・市原市,1969)との報告がある。また、脊椎動物
の胃壁細胞からは塩酸が分泌され、ヒト成人の胃液pHは1.2±2.3(基礎分泌)
である。
天然の発生源として、大気中に浮遊する海水の塩分粒子(海塩粒子)が二酸
化窒素や硫酸ミストと反応して塩化水素ガスを発生する。また火山が発生源
となる場合もある。人工的には塩化物や塩素を含む石炭、燃料油の燃焼が大
気への塩化水素ガスの発生源であり、塩化ビニル樹脂の焼却、火災の際にも
多量に発生する。塩酸は実験室ばかりでなく、食品、製鉄、医薬品の工場な
どでも広く利用されている。
塩化水素ガスは強力な刺激物質であり、鼻や上部気道の粘膜を腐食し、ただ
れや潰瘍を生じさせるほか、眼粘膜にも刺激を与え、角膜の混濁をまねく。
粘膜刺激は10ppmでみられ、1000ppm以上のガスに数分間暴露されれば致命的
である。塩化水素による慢性的暴露は耐性を生ずるが、咳、痰、嘔吐、呼吸
困難、胃痛のほかに歯の損傷が著しく、門歯の表面に斑点を生ずる。
マウス、家兎を用いた動物実験でも毎日100ppmを6時間呼吸させ50日間は耐
えられるとされているが、粘膜刺激以外に、精神不安定、呼吸促進、血色素
の減少が認められる。許容濃度は、日本産業衛生学会(1983)、ACGIH(1983)と
もに、天井値として5ppm(7mg/m3)とされている。
塩化水素による植物被害として、軽度な場合は葉の一時的なしおれや裏面の
退色化が起こる。重度な障害としては、葉脈間が褐色に変わり、壊死する。
草本植物では、20分間暴露で葉面の10%に壊死をもたらす塩化水素の濃度
(ppm)は、コスモス2.1、マリーゴールド2.8、ヒャクニチソウ4.9、キンセン
カ5.2、アスター9.6である。
塩化水素は、毒物及び劇物取締法で劇物に、労働安全衛生法施行令別表第3
で特定化学物質(第三類物質)に指定されている。大気汚染防止法において
も有害物質に指定され、排出基準が煤煙発生施設別に80〜700mg/m3N(Nは標
準状態)と定められており、また、物の合成、分解その他の化学的処理に伴
い発生するものについては特定物質に指定されている。
排ガス中の塩化水素の分析法は、JISK0107にイオン電極法、硝酸銀滴定法お
よびチオシアン酸水銀(II)吸光光度法が規定されている。いずれも塩化水素
を硝酸カリウム水漿液に吸収させ、pHを約5に調節した後、分析を行う。イオ
ン電極法では塩化物イオン電極を用い電位差測定分析法による。硝酸銀測定
法では硝酸銀を加えた後チオシアン酸アンモニウムで滴定する。チオシアン
酸水銀(II)吸光光度法ではチオシアン酸水銀(II)と硫酸鉄(III)アンモニウム
を加え吸光度を測定する。

[130.34.31.136][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]
5536. 2000年09月26日 08時20分16秒  投稿:村松@東北大 
5533-5535までについてのコメント

アアガオ等植物の色の変化は、H2Sではなく、二酸化硫黄の可能性が高いことがわかります。
また、私が過去こだわっていたH2Sの臭いについては、1ppmを超えると相当にひどいこともおわかりいただけると思います。
また、HClについては、相当高濃度で、といういいかげん発言をしましたが、閾値が高いので、臭ったらすぐに離れることが必要ですね。私の場合は日常的に塩酸を使っていますので、変な耐性ができてしまっているのかもしれません。
で、三宅島ですが、東京都の発表にもありますが、港から1km離れた船上でSO2が3ppmとはすごいです。これは島で日常的な生活を営むことは絶望的であることを示しています。

[130.34.31.136][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]
5540. 2000年09月26日 10時16分00秒  投稿:村松@東北大 
5538私の投稿に関連して:
四日市喘息なんて記憶にないかしら。原因物質は二酸化硫黄SO2とされています。このときの濃度は0.1ppmのオーダーだったはず。でもこれが、長期間(たぶん数年以上)続くと、喘息になり、夜も眠れない喘息の発作は続くのでした。
[130.34.31.136][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]

5545. 2000年09月26日 13時09分42秒 投稿:たかやま 
5537はやかわさん

 これから、西風が卓越するようになりますので、三宅島の火山ガスが南関東にくる確率は
低くなります。今日も南西の風が吹いていますので、火山ガスの多くは太平洋の上をわたっ
ていっていると思います。2酸化硫黄の放出量が増えたのが、9月になってからだったのは
幸運だったと思います。
 これからだと、日本の南を三宅島から離れて西側を台風が北上してくるときが心配ですね。
近ければ、雨が降りますから2酸化硫黄は洗い流されるはずです。
 

 もっとも、2酸化硫黄の放出量がこのまま来年の夏までつづくと、大変ですね。特に、喘
息もちの人は、大変ですね。

[160.202.2.10][Mozilla/4.75 [ja] (Win95; U)]

5546. 2000年09月26日 13時20分09秒 投稿:垂水 
もこた様

私は桜島から20キロのところに18年間住んでいました。
火山灰はそうとう降っていましたが、
硫黄臭いにおいを感じたことは一度もありません。
桜島の島内でも火山ガスがマスコミで話題になったことはありませんでした。

[202.250.175.204][Mozilla/4.7 [ja] (Macintosh; I; PPC)]

5547. 2000年09月26日 13時44分15秒 投稿:ごみやま 
5546.垂水さん

桜島について
私とは住んでいた時期が違うのかもしれませんが、少なくとも一度、強い硫黄臭が観測され、赤ん坊などに影響があった(どの程度かは忘れました)という記憶があります。
強い吹き下ろしの風の影響もあったと記憶しています。
たぶん、今から25年前以内だと思います。

[202.33.156.85][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 95)]

5550. 2000年09月26日 16時57分45秒 投稿:石原 
もこた様,

桜島の火山ガスとの付き合いの経験を話します。20〜25年前に,桜島の中腹,二酸化硫黄SO2,塩化水素HClの日平均濃度が,それぞれ,0.01〜0.5ppm,0.001〜0.1ppm,同時に火山灰(数〜1000ppmのガス成分が付着)が頻繁に降るという環境のもとで5年間働きましたが,仲間を含め,いまのところ障害は出ていません。若く健康であったためかもしれません。風が弱いときにはガスが谷筋にそって迫りきて1ppmを越えることも有りました。その時は鼻では臭いを感じなくなり,代わって,多少の息苦しさを覚え,煙草の味がひどくまずくなりました。逃げるにしかず,麓へそそくさと退去しました。今の三宅島の二酸化硫黄放出率は,桜島の5〜10倍とのこと,数10km離れた地域は別として,三宅島,特に微風時の風下では危険な状態と察せられます。御参考まで。
 

[130.54.113.32][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows 95)]

5551. 2000年09月26日 18時25分33秒 投稿:Cauli. 
 [http://www.ntt-east.co.jp/release/0009/000926a.html]
NTT阿古の発電機復旧↑。今日はガスに邪魔されなかったとのことでやれやれ。ガスがないのにかとれあ丸が動かなかったということは、都現地対策本部の方針も変わりつつあるのか、漁船は接岸できてもかとれあ丸は無理な海況なのか。

とりあえず回線途絶は回避されたけれど、#5548に書いたことは、四島(八丈も念のため)のみなさんは知っておいた方がいい。特に災害伝言ダイヤルは相手方と番号を打ち合わせて、予行演習しておいた方がいい。
 

#5527で予告した「ガスの特性と防災上の留意点が手早くわかるようにする」“抜粋の抜粋”を作りました。が、「50件ほど精選」にはできず、ソースサイズで185kBほどあります(実際にはソースを読むわけではないから、ここの最近100件と同じ程度の時間で読めると思う)。

今回は取捨選択にわたしのセンスが試されておりますが、(1)島内での危険は考えないことを原則とする、(2)しかし今より二酸化硫黄放出量がひと桁少なかった9月初めの「島内の危険」で現在又は近い将来「本州の危険」になる可能性があるものは残す、(3)質問を読まなくても回答だけで理解できるときは質問は省く(議論が続くときも同様)、(4)大気汚染観測サイトへのリンクのみを内容とするものは別途リンク集を作成するつもりなので省く、(5)その他のリンク先が玉か石かはきちんと判断していない(石でも残す)、という方針で整理しております。

わたしのアカウントでは[三宅島噴火をめぐる議論の履歴へ]からのリンク先を直せないため、暫定的にここに置きました。このため相対パス指定で貼り付けられた画像は落ちます。Hal.Tさんが帰って来られたら正規の場所に移してくれるでしょう。
 

早川さん(#5537):
結局のところ、三宅島がどの程度の量の毒ガスを出すかにかかっているのではないでしょうか。
8月28日静岡・関東や9月14〜15日中部・北陸では、0.5ppm(500ppb)オーダーの二酸化硫黄が観測されました。それらのときわたしは、急性かつ一時的でない(つまりガスが来なくなってからも残る)健康被害が出るまでにはまだひと桁程度余裕があると判断しました。

8月28日に三宅島がどの程度二酸化硫黄を出したのかはよくわかりません。29日噴火の前兆か何かで一時的に大量のガスを出した可能性がありますが、9月21日気象庁発表(pdfファイル)。によると「悪天のため観測なし」となっています。

9月14〜15日頃は15000トン/日オーダーでした。最近は30000トン/日オーダーをを超える日がありますので、あと数倍の余裕ということになりましょう。そこまで三宅島がガスを出すと考えられるのであれば、関東を中心として近畿・北陸までの広い範囲に防毒マスクの配布が必要になるでしょう(そんな数千万個の防毒マスクは容易に調達できないでしょうから、生産体制自体必要かと思います)。

なお、当掲示板#4431(9月2日)でさのさんは、我が国の化石燃料による二酸化硫黄排出量が1400トン/日、桜島による放出量が2000トン/日、三宅島による放出量が3000トン/日で、三宅島が最大の発生源になっていると指摘されています。この「3000トン/日」は、現在は「30000トン/日」に置きかえられなければなりません。
 

村松さん(#5540)、もこたさん(#5543):
年平均値ベースで考えると、大気汚染常時監視研究会監修「日本の大気汚染状況平成11年版」(ぎょうせい刊)による、昭和40年代初頭の川崎や四日市の二酸化硫黄濃度は0.1ppmオーダーだったのに対し、平成10年の桜島周辺の観測点の二酸化硫黄濃度は0.02ppmオーダーとなっています。

なお、当掲示板#3742(8月29日)でやぎさんが桜島を例にぜんそく発作・農作物被害の可能性に言及されています。また、#4488(9月2日)ではさのさんが桜島はじめ世界の活火山の二酸化硫黄放出量を紹介されています。

[202.233.211.201][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98)]

5553. 2000年09月27日 00時23分48秒 投稿:Miya 
 [http://www.ann.hi-ho.ne.jp/cgi-bin/user/minoder/impbbs1.cgi]
5542. Cauli.さん
ありがとうございます。 
>環境庁9月14日発表も、県から市町村には情報提供されていると思います
ときいて心当りが・・。
我が家のサイトの掲示板↑上記URL(実質、私の日記となっています)の9/14(タイトル:2555)によると、その日は完全にダウンして身動きがとれないという程ではなかったのですが体調不良でした。上の階の4歳の喘息持ちの女の子とその母親も体調不良でした。

市への情報提供については知らなかったけど、私達の体は、ちゃんと反応していたってことなんでしょうね。(あまりうれしくないですが・・)

でも、普通の人はそういう情報って何処で知るんでしょう?
私はこうやってネットができるからいいんですが・・・。

[202.219.55.104][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98)]

5575. 2000年09月27日 22時47分49秒 投稿:すみれ@埼玉 
私は一応看護婦・保健婦資格を持つ者なのですが、
>3. 目に刺激を感じたり、咳が出たりした場合には、医療機関に相談すること 

↑を見て、変な、いやな気分です。特に「医療機関に相談すること」とあっても、
これでは後手後手なんですよね。↑こういうことで、安心させて騙しているという感じをぬぐいきれないです。
東海村の事故直後の健康診断もセレモニーだという批判がありますが、それと同様に医者にかからせる事で騙している感じがします。
おそらく、仮に医者だとしても万能ではないのです。それをあたかも「医療機関に相談」すれば治るかのように言い方をし、皆をそのように操作している事に非常に不愉快な気がいたします。
これでは喘息・アレルギー症状の悪化などをどう予防したらいいのか、まったくわかりません。

[133.205.224.166][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 98)]

5577. 2000年09月28日 00時37分48秒 投稿:すみれ@埼玉 
Cauliさん レス有難うございます。
医者ならわかるのでしょうか?保健所の医師(保健所長だけだったかな?)にどの程度わかるのでしょうか?保健婦にはわかりません。母子のことでも、成人病、難病、精神疾患でもない、これまで、対応した事が無いようなことですから・・・。
保健所は県の管轄、保健センターは市町村の管轄です。私は今、ある市の保健センターの
臨時保健婦として数ヶ月働いておりますが、今までの所、三宅島関連の注意や回覧はまだ、一度も見た事がありません。先日、他の一部の保健婦にここで得た知識の話を教えたのみです。
おそらく、健康上の対策は患者さん御本人の方がいろいろ知っておられることでしょう。
SO2,H2S対策のことまで、私がこれまで勉強した本には載っていないと思います。
ある病気関連の掲示板でアレルギー症状が強くなったとか、知人からそのような話を聞いて、ここを見つけたわけですが、
本当にどうしたらいいのか、なんと言ってあげたらよいのか、予防法がわからないのです。
どなたか教えてください。
[133.205.224.199][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 98)]

5581. 2000年09月28日 08時30分08秒 投稿:村松@東北大 
5580Cauli.さん:
おお。専門中の専門の質問です(笑)
活性炭は効果があります。できれば塩基性酸化物の多孔体の方が効果がずっと上なんですけど。多孔体とは、非常に多くの孔があいている物質のことで、活性炭はその一つです。どのくらいか、というと、新宿歌舞伎町の横丁のような迷路があちこちに発達していて、比表面積という尺度(単位重量当たり、どのくらい表面が出ているかというもので、内部に発達した孔も表面と考える。こちらは、内表面という言い方があって、多孔体の粒の外側の外表面に対して使われる概念です)で言うと、200〜1000m2/gというものです。つまり、1g中に、200平米以上の表面があって、そこが吸着サイト(ガスが吸着するところ)となります。
活性炭は、冷蔵庫に入れると、悪臭を消してくれますが、これは悪臭の原因のアミン類(これはアルカリ性)をよく吸着するからです。
で、二酸化硫黄のような酸性ガスに対しては塩基性(アルカリ性)のものの方が効き目があって、炭酸カルシウムの多孔体ならなおさら効果が高い、ということです。

おお。あまりにも専門中の専門なので、書きすぎてしまいました(苦笑)

[130.34.31.136][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]

5585. 2000年09月28日 10時40分34秒 投稿:すみれ@埼玉 
やっと書きこみのページが開けました。(なかなか開けなくて・・・)

「住まいにおける化学物質」というホームページ
http://www.kcn.ne.jp/cgi-bin/azuma/light.cgiでよく来る医者の意見を引き出そうとしたのですが、失敗しました。
アレルギー関係の治療もしていると聞いていたのですが、その程度です。
ふだん、喘息患者に関わっている医師なら、多少の考えをお持ちかもしれませんが、専門が異なればお手上げではないでしょうか? 医師の化学関係の知識もたいしたことなかったりします。
産業保健関係でもおそらく、環境の基準とか、検査の対象や項目などはあっても、高濃度の暴露があった場合、どうするか?ということまで聞いた事がありません。知っているとすれば、産業医大出身の医師でしょうか?でも実際はどうなのでしょう?

村松さん 室内の化学物質などを取り除くのに炭を置いたりすることはよくありますが、多孔質の炭酸カルシウムってどこかで簡単に手に入るのでしょうか?

みねさん 別宅を教えてください。海外サーフィン私も行きます。
 

[133.205.224.159][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 98)]

5587. 2000年09月28日 11時07分24秒 投稿:すみれ@埼玉 
さち。ー>らら。さま こちらこそよろしくお願いします。
私はある免疫疾患を持っていますので、その病気のサイトで三宅島の影響があることを
お一人の患者さんの投稿から知ったものです。でも、アレルギー関連の病気のサイトがあれば
そちらで情報交換すると良いのかもしれません。ごめんなさい。私はまだ、捜していません。

私は環境ホルモンや化学物質が身体に与える影響などについて、もっと知りたいと思っているために、
よく「住まいにおける化学物質」http://www.kcn.ne.jp/~azuma/
へ遊びに行きます。もしよろしかったら、こちらへも書きこんでください。
先日↑でこちらのサイトを紹介したのですが、今の所、反応がありません。
いろいろな書きこみがあれば、そちらの皆さんの関心が高くなると思います。

なべさん の稲わら焼きの件も、出来れば↑に書きこんでいただきたいと思います。
よろしくお願いします。  
なんか変ですか?いいですよね?健康に関わる事に違いないのですから。 

[133.205.224.22][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 98)]

5588. 2000年09月28日 11時15分18秒 投稿:rika 
すみれ@埼玉様、山形大学の諏訪部先生にメールで質問されてはいかがでしょうか?
“喘息患者さんからの寄稿集”というHPに、連絡先が載っています。

http://www.id.yamagata-u.ac.jp/LaboratoryMedicine/Asthma/asthma.html

患者の立場になって、本当に親身に、そして詳しく答えてくださいます。
(私は、諏訪部先生にどれだけ助けられたかわかりません。)

[211.16.148.168][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]

5590. 2000年09月28日 12時25分01秒 投稿:らら。 
Cauliさまご指導ありがとうございます。もう一度喘息の掲示板で探してみようかな?以前散々探したのですが掲示板探しきれなかったので、日記風のしか・・。ありがとうございました。これからもこの掲示板楽しみにしてますのでのぞかせてくださいね。皆様の意見大変参考になります。これは、独り言ですが、去年変な風邪が流行ったときマスク全集類試しました。今も1つありますが結局普通のマスクの下にぬらしたガーゼを、当てるのが一番いいみたいでした。
他は、値段の割には、あまり差が感じられませんでした。別に否定するわけでゎありません。それなりの効果があると思います。でも過敏に反応する人々がマスクを買いに走る。。なんて社会現象が置きたらと困る思って。また情報お願いします。ありがとうございました。
[211.9.1.22][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows 98)]

5591. 2000年09月28日 12時44分56秒 投稿:村松@東北大 
5585すみれ@埼玉さん:
炭酸カルシウムの多孔体は一般の人には手に入らないかもしれません。
シリカゲルでもかなりの効果はありますが、残念ながら水の吸着が起こるので、すぐにしけってしまってダメになっちゃいます。炭酸カルシウムも同じ傾向にはあるのですが、それでもシリカゲルよりは上でしょうか。
活性炭の優位点は、無機ガスだけではなくて有機のガス、特にホルムアルデヒド等の有害物質の吸着除去に有効な点が上げられると思います。
無理して炭酸カルシウムを探すよりは活性炭で十分にいけるはずです。吸着速度の問題がありますので、できれば空気清浄器のような空気循環の装置と一緒に利用すると、SO2の除去は早いです。活性炭が手に入らない人は、炭や、コーヒーのかすをよくフライパンで炒めて乾燥させたものなどが効果があります。
[130.34.31.136][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]

5594. 2000年09月28日 13時12分56秒 投稿:すみれ@埼玉 
皆さま いろいろお教え頂き有難うございます。
私の加入している日本子孫基金の情報誌「食品と暮らしの安全」に、
いつか、仙台の寺澤という医師の木造の診療所が紹介してありました。
木がホルムアルデヒドを吸着するらしく、普通は室内の方が濃度が高いのに、
ホルムアルデヒド 外気中0.01ppmに対し、診療所内 0.002ppm と室内の濃度が低く、
喘息で眠れなかった子が診療所ですやすや眠ってしまったり、咳がそこに来ただけで治ってしまったりするそうです。

やはり、暴露しないことが一番の予防になるということでしょうか?
外は無理でも、せめて室内の環境を良くしてみましょう。コーヒーかすも活用したいですね!

[133.205.224.209][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 98)]

5596. 2000年09月28日 13時20分13秒 投稿:さち@さいたま 
 わたしの体験的な話です(専門家の意見ではありません)。
 活性炭入りマスクはそこそこ有効だと思います。1枚つけてダメな場合は3枚重ねて使ってます。活性炭入りの空気清浄機も使ってます。これもそこそこ有効と思いますが、こないだ高濃度のが来たときはどちらもあんまり効果なかった・・・・。(マスクも空気清浄機もモノによっては余分な化学物質など含まれている可能性があるので注意が必要)。
 あとは栄養に気を配りビタミンCをなるべく多く採るとか、炭を入れた風呂にゆっくり入るとか、ストレスをためないとか心がけています。じっさいどれくらい効果があるかはわからないですが、お金もあまりかからないし、害になることもないと思うので実践しています。
 健康面での影響が気になる人たちとなんらかの方法で情報交換したいですね。やっぱり情報足りないです。

 身体に異常があったら医療機関へって言われても、ガスが来ていて身体に異常があるときって、どうにも外出できないんですがねぇ・・・・外にでたら余計に悪くなるじゃないですか(苦笑)。外出するなと言われても、「三宅島のガスが来てるのでお休みします」なんて勤務先に言えないでしょう。そもそも多くの人々が三宅島から火山ガスが来ていることを知らないんですから。かつて喘息がひどかったという友人に電話をしてみましたが。三宅島からガスが来ていることをまったく知りませんでした。現状では必要な人のところに情報が行っているとは思えません。匂いを感じていても下水の匂いではないかと思いこんでいる人もいます。花粉予報のように、火山ガス予報をテレビの天気予報の最後に付け加えて、多くの人々に注意を喚起することはできないものでしょうか。

 医療関係、行政の対応は通常「科学的な因果関係」が立証されてからですよね。過去の公害問題でも「科学的な因果関係の立証」という部分で時間が経ってしまっています。火山ガスの健康への影響について本格的な対応がなされるにはまだまだ時間がかかりそうな気がするのですが・・・・・。

 空気清浄機のいらない村松さんうらやましすぎる・・・・・

[203.165.233.23][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows 98)]

5597. 2000年09月28日 13時36分03秒 投稿:らら。 
空気清浄機の件ですが、我が家の結果は、活性炭のフィルターのファン式が1番でした。
イオン式は音がなく静かなのですがごみや、ぶっしつを、吸着してから吸い込むまでの時間がかかるのかな?何も変化なし。喘息は、おこらない。
オゾン式は、なぜだかわからないが体がだるくなる。喘息も起きる。
プラズマ式は、細菌にはこうかあると思います。結露の黒かびが少なくなったと思います。でも喘息は、起きる。
したがって、ファン式のフィルターを、交換するタイプのを、24時間使ってます。
あくまでも専門かではないのでご参考まで。メーカーさんに怒られる。
木は、よく選ばないと防虫加工してあるのがあるので、新聞紙を、丸めておいとくというのはどうでしょうか?
[211.9.1.22][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows 98)]

5603. 2000年09月28日 17時16分49秒 投稿:たかやま 
ららさま、さちさま

 鹿児島だと、ローカルの天気予報で桜島南岳の山頂付近の風向と風速の予測が毎日報じられます。私が住んでいた10年ほど前でも、そうでした。

 三宅島の山頂付近の風は、火山観測情報に翌日の予想が載っています。しかし、WEB上(気象庁のホームページ)では翌日にならないとこの情報はupされないので役に立ちません。ちなみに、地震回数と微動の振幅についても、この情報に載っています。地殻変動は、国土地理院にあります。

 ただ、最近は、WEB上で予想天気図(例えば、、新日本気象海洋株式会社)をみることができます。この読み方がわかれば、あさってくらいまでの風向きを予測することは難しくないです。ここ数日では、あさってあたりから南風になり、三宅島からの火山ガスが関東にやってくる気圧配置になります。

 一般的に、週間予報とか天気予報で雨の予想になっている数日前から南風になりやすくなります。
 

[160.202.2.10][Mozilla/4.75 [ja] (Win95; U)]

5639. 2000年09月29日 18時46分45秒 投稿:すみれ@埼玉 
rika(#5588)さま
 有難うございました。さっそく、諏訪部先生に問合せました所、本日お返事が届いておりました。一部を転載させていただきます。
****************************************************************
>三宅島関連のホームページである方からここを紹介されてやってまいりました。

私の主催します喘息関連の「PFセンター」の方でしょうか? 特に神奈川在住の方は 
噴火の二酸化硫黄の影響を受けて喘息がひどくなっているようです。

>また、来日中の指揮者の方が喘息で亡くなった記事も読みました。

これはどなたでしょうか? 掲載新聞はどちらでしたか?

>また、アレルギーと三宅島の件について、なにかお考えを教えていただけたら幸い 
です。

噴火によって何らかのアレルゲンが増加してアレルギー症状を悪化させることも考え 
られますが、私は噴火の二酸化硫黄が直接気管支や皮膚を刺激して悪化するのではな 
いかと考えています。正常でもあの臭いは強烈ですが、喘息では気管支の慢性炎症 
が、アトピーでは皮膚の慢性炎症がありますので、あらわになった粘膜は軽度の刺激 
でも過敏に反応し症状を悪化させます。

******************************************************************************
「来日中イスラエルの指揮者シャローン氏(49)が16日午前3時、宿泊していた東京都内のホテルで気管支ぜんそくの発作を起こし、収容先の病院で亡くなった。」
↑の記事はどの新聞でしたか、すみません、どなたか、もう一度教えてください。

[133.205.224.204][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 98)]

5654. 2000年09月29日 23時53分30秒 投稿:すみれ 
都合により すみれ に改名しました。
Cauliさん(#5576,5578) 私のごく少ない情報からの勝手な憶測です。
大きな東京都あたりはどうか知りませんが、この一年間余りの間に私が実習で行って見たり、
この数ヶ月、臨時職員として働いてみた感じでは、お役所関係に「専門家」というものは
いないのではないかと思います。残念ですが・・・。
たぶん、今、保健所は増えてきてた非常事態宣言中の結核の問題とか、その他諸々のことで
頭がいっぱいでしょう。スタッフは保健所長である医師がひとりと、あとは保健婦、臨床検査技師、精神その他の福祉の方たち、薬剤師いたかな?いたかも。ま、多少はいるのですが、
一般に我々が思うような「専門家」ではないように思います。
それに、お役所は新しい事態に対応出来る体制になっていないように見えます。
たぶん、現在の仕事をこなすのに精一杯で、新しい情報を積極的に取り入れながら、考えながら
日々、変化を繰り返しながら生まれ変わってゆくという代物では全くないのです。
だから、残念ながら、私達が普通に保健所やお役所がなんとかしてくれるだろう なんて考えるのは「とても甘い」のです。
市民、住民がお役所、保健所を突っついたり、外の専門家が口を酸っぱく何か言って、ようやく
重い腰をあげるかどうか  ではないかと思います。
三宅島やその他の島の役場の方、ごめんなさい。一般論です。
だから、三宅島の影響に関連する医療の事も、関心の高い医師を大いに活用して、いろいろ意見を言ってもらうとか、
何かする必要があるのではないかと思うのです。じっと何かを待っていても、何も進まないと
思っています。 
[133.205.224.70][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 98)]

5661. 2000年09月30日 11時10分52秒 投稿:Cauli. 
東大地震研中田研究室のページ更新。火口底の写真だけでなくもある。最近の火口底の写真は東大総合文化研究科大島研究室にもあり。
 

早川さん(#5658):
郵政省通信総合研究所のこれまでの画像とは異なり、南→北と北→南の両方向で観測していますね。
 

すみれさん(#5639):
>噴火によって何らかのアレルゲンが増加してアレルギー症状を悪化させることも考え 
>られますが、私は噴火の二酸化硫黄が直接気管支や皮膚を刺激して悪化するのではな 
>いかと考えています。(後略)

噴火によりアレルゲン(アレルギーを起こす物質)がばら撒かれるというより、二酸化硫黄等が粘膜を侵すことによりアレルゲンの受容量が増えるのではないか、ということですね。
 

すみれさん(#5654):
>大きな東京都あたりはどうか知りませんが、この一年間余りの間に私が実習で行って見たり、
>この数ヶ月、臨時職員として働いてみた感じでは、お役所関係に「専門家」というものは
>いないのではないかと思います。残念ですが・・・。

実はもと保健所勤務の医師の方からもメールをいただいたのですが、どうやらそのようです。そういえば、9月14日の非常災害対策本部発表は環境庁・気象庁・国土庁が連名になっていたけど、環境庁や国土庁と同じ建物にある厚生省は関与していないようでした。
いまの三宅島は、火山現象としては記録に残っている限り初めての経験かもしれないけれど、本州の二酸化硫黄濃度は日本のいくつかの都市で30年前に経験したよりもまだ低いです。そういう意味で、二酸化硫黄による被害防止や治療には過去の経験を生かす余地があるではないのかと思っています。

[211.2.44.144][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98)]

5662. 2000年09月30日 14時26分48秒 投稿:すみれ 
Cauliさま(#5661)
>噴火によりアレルゲン(アレルギーを起こす物質)がばら撒かれるというより、二酸化硫黄等
>が粘膜を侵すことによりアレルゲンの受容量が増えるのではないか、ということですね。

ごめんなさい。私アレルギーのことはあまりくわしくありません。が、おそらく、基本的にはそういうことだと思います。
気道などの粘膜を侵すものは他にもたくさんあるでしょう。
稲わらの煙もそのひとつでしょう。私はいつか蚊取り線香の煙でひどい目にあったことがあります。
以下は諏訪部先生から、さらにその後頂いたご返事の一部です。

********************************************************************

確かに病院のワックスがけは喘息の患者さんにとっては厳しいですね。
もっと刺激のないワックスができるといいです。

>田んぼの稲わらを焼く煙のつらい と 三宅島のサイトで話していた方がいました。

これも同じです。私の患者さんでも秋口の野焼きが大変辛いと言っていた方がおります。

[133.205.224.215][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 98)]

5668. 2000年09月30日 18時33分41秒 投稿:sai 
#5663. すみれさんへ 

>どなたか何か御存知ですか?あるいは何か探せる方はいませんか?

Sherlock 2で 検索をしてみました。
みなさま、ご批判よろしくお願いします。

http://ww1.tiki.ne.jp/~mizukyo/u92chi.htm

産業医学科医長 道端 達也が水島の事例に詳しいみたいです。
 
 

#5662.

>私アレルギーのことはあまりくわしくありません。

http://www.cc.rim.or.jp/~jiei/topics.htm#97aug1

喘息に関する最新ニュースより

*火山性ガスで2名死亡
*東南アジアで大気汚染深刻化

http://www.vkn.co.jp/jaf/pumf2/chapter0.html

アレルギー性ぜん息 の話しです。

[202.208.61.207][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.5; Mac_PowerPC)]
5673. 2000年10月01日 00時43分47秒  投稿:さの 
まず一般論でいいますが、「危険」=(リスク)という言葉は、「何が」、「何にとって」、
「どの程度」という頭書きがついて語られなければいけないと思います。

今の三宅島のSO2が、関東平野から濃尾平野に至る本州南岸に住む方々に(既に)及ぼし
ている「危険」は次の通りと思います。具体的には、SO2の短期的環境基準
(1時間値0.1ppm)の10倍オーダーの濃度のSO2暴露が1時間以上続くことが数回あること
を想定して言います。

1.重篤な喘息あるいは慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患い、かつ、SO2に感受性の高い方は、
激しい気道狭窄発作などで死に至る「危険」がある。

2.上記疾病患者でSO2に対する感受性が特に高くない方でも、症状を悪化させる「危険」が
 ある。また、上気道の疾患(つまり風邪など)をもつ方の症状を悪化させたり、回復を
 遅らせる「危険」がある。

3.上記以外の方々にとって、短期に回復する呼吸器系の急性症状が発生する「危険」が
 ある。また、将来に喘息やCOPDに罹患する「危険」が高くなる。

以上の表現は医学的な正確さに欠き、「危険」の程度の表現も定量性に欠いていると思い
ますが、現在の関東平野や濃尾平野に至る本州南岸に住む方々への、三宅島の「火山ガス」
の「危険」については、最低限上記の3者に分けて考える必要があると思います。

また、我が国の人口の95%以上は、上記の3.の分類に入ると思います(1.2.の方々の危険を
多数決で無視せよという意味ではないので念のため)。

なお、関東南部の都市域では、二酸化窒素(NO2)及び粒子浮遊状物質(SPM)の環境基準
を長年(20年以上)にわたって達成していない地域が広範に広がっています。そうした地域
に住んでいる方々の内で、上記3.の分類に当てはまる方々に対する、現在までの三宅島から
の火山ガスにより慢性呼吸器系疾病に罹患する「危険」は、NO2やSPMのそれを上回るもの
ではないと思います。

私は、今は防災上の観点から、御蔵島及び神津島における火山ガスの「危険」をもっと
重視すべきと思います。

[210.165.70.235][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98; Win 9x 4.90)]
5677. 2000年10月01日 04時27分20秒  投稿:いけだ 
誰からもコメントがないようですので…

Cauliさん5661>噴火によりアレルゲン(アレルギーを起こす物質)がばら撒かれるというより、二酸化硫黄等が粘膜を侵すことによりアレルゲンの受容量が増えるのではないか、ということですね。

すみれさん5639にある諏訪部先生の発言内容を私はそのようには読みませんでした。(可能性はあるものの)アレルゲンの問題ではなく、アレルギー症状としての炎症を起こした粘膜がSO2に刺激され、その結果(自覚)症状が悪化する。と言っているのだと理解しています。
(更に一歩進んで)アレルゲンにならない物質はこの世に存在しないはずなので、諏訪部先生はSO2がアレルゲンとして問題になる量に至っていないと考えているのだと解釈しました。

アレルギーが悪化するということと、症状が悪化するということはまったくと言っていいほど意味が違ってきてしまいます。

[210.166.226.38][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Mac_PowerPC)]
5680. 2000年10月01日 11時14分54秒  投稿:さち@さいたま 
 一般的に以下の3点の特徴を持つ危険は見逃されたり、対応が遅れたり、無視されたりする傾向にあるように思います。
1.ゆっくり進行する危険
2.個体差がからむ危険
3.複数の要素が関係する危険
 いずれも科学的な把握が難しい条件と思います。今回のガスの問題(とくに本州方面への影響)についてはこれら3点がからむのではないでしょうか。行政、医療機関等は個体差を考慮し、柔軟に対応してほしいと思います。

 書いていて、ふと、どこかで聞いた茹で蛙の逸話を思い出しました。蛙を茹でるときに熱湯にいきなり放り込むと飛び上がって逃げてしまう。でも水からじわじわ温度を上げていくと気づかずに茹で蛙になってしまう、というお話です。じわじわやってくる危険はわからんぞ、用心しろ、という例え話でしょう。しかし、なんのために蛙なんぞ茹でるんだろうなぁ (^^; 

 ガスの影響受けやすい方へ;がんばりましょう!!!!

[203.165.233.23][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows 98)]
5684. 2000年10月01日 11時31分05秒  投稿:さの 
> 5676 ららさま

> だれか、1952年12月のロンドンスモッグについてご存知ですか?
> これは、本当の話なのですか?ある環境サイトで見つけました。
> これは、環境的な原因でおきたのですか?それとも事故ですか?
> 内容はあまりにも信じられない数字なので今は、載せません。
> 事実がわかれば報告したいと思います。

ロンドンスモッグ事件は、有名(大気汚染研究関係者の間だけかな?)な
事件です。解説は英語ですいませんが、本家英国の このページ
ものがまとまっています。

原因は工場事故などではなく、大量の(硫黄分を含む)石炭燃焼を行って
いる所に、高湿度で大気が長く滞留する気象条件が重なったことにあり
ます。

産業革命以降、石炭消費の増えた欧州では、規模はこれほどでなくても、
しばしば類似の事態が発生していました。英国では、日本の明治維新前に
煤煙法が成立しています。( ご参照

日本の昭和40年代後半の四日市SO2大気汚染などは、原因こそ石炭ではなく
石油に変わっていましたし、SO2の濃度もロンドン事件ほどは高くなかった
と思われますが、発生のメカニズムはロンドンスモッグ事件とよく似たもの
でした。

なお、ロンドンスモッグ事件で5千人近くの人が亡くなったのは、SO2の高濃度
(測定値はありませんが、私は少なくとも1ppm以上はあったものと考えています)
が長時間(数日に)わたって継続し、硫酸ミストが生成してそれも長時間滞留
したためと思われます。三宅島からのSO2に照らして考えると、島内でロンドン
スモッグ事件のような条件がそろうことは、8/29から心配していましたが、
関東地方などでは、SO2濃度値と高濃度の継続時間の両面で、これほどのことが
起きる心配はないと思います(数万t/日レベルのSO2放出強度を前提として
考えていますが)。

おまけ:

世界銀行資料より世界主要都市の大気汚染状況(SO2を含む)
Acrobat Readerがないと読めません(ごめんなさい)。
世界を見渡すとすごい所に住んでいる方々がまだ沢山います。
なお、このようにまとまった資料はなかなかないので紹介しましたが、
この中の横浜のSO2の数字は1桁間違っているのではないかと思います。

[210.165.70.6][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98; Win 9x 4.90)]
5688. 2000年10月01日 17時03分19秒  投稿:いけだ 
すみれさん5681>
>アレルギーが悪化するということと、症状が悪化するということはまったくと言っていいほど意味が違ってきてしまいます。
 とくに↑は全くわかりません。

申し訳ありません。分かりにくいことを自覚したまま投稿してしまいました。
(なべさん5686>レスを付けて下さって、ありがとうございます。)

>アレルギーの悪化というのは、IgEなどの免疫系のタンパク質の増加ということですか?
>症状の悪化というのは、気道の浮腫とか、浸出液の増加とか でしょうか?

症状の現れる免疫反応を免疫疾患と捕らえるならばそういうことなのだと思います。(抗体の増加をアレルギーの悪化と言ってしまうと全ての免疫反応をアレルギーにしてしまうことになってしまうので、抵抗感がありますが…。)
補足します。言いたかったことは火山ガスをアレルゲンとして捕らえるか、刺激物として捕らえるかの違いが不明確になっているのではないかということです。実際には両者の働きをしているのでしょうが、諏訪部先生の説明はアレルゲンとして捕らえる必要はないと言っているように私には思えます。
アレルゲンとして捕らえるならば免疫疾患に対する治療法が選択され、刺激物として捕らえるならばそれによって悪化した症状に対しての対処療法で対応することになるのだと思います(解釈のうえに重ねた解釈)。
Cauliさん(5661)は火山ガスをアレルゲンとして捕らえて発言していると思われますので、意味がすれ違ってしまう。これは(諏訪部先生のサイトとこの掲示板の両方に来ていながら)勿体無いなぁ…、と思った次第です。
Cauliさん5679>二酸化硫黄が「呼び水」として働く
に関しては保留させて下さい。考えてもみませんでした。こうした働きがあるとしたら何と呼ぶのだろう?

さち@さいたまさん5680.>、なべさん5682.>いねむり蛙の安らかな死
私も中学生の時このはなしを聞き、妙に感動しました。で、中学2年の夏休み、家の前にある池から毎日蛙を捕まえてきてはビーカーに入れて落ち着いたところを見計らって茹で、250匹の蛙の大量殺戮を成し遂げてしまったことがあります。水温が42℃から48℃に達すると蛙は暴れ始め、60℃から70℃で表皮粘膜が白濁し、その段階で脱出したものもたいてい(若干の行方不明蛙を除く)死んでしまいました。今でも蛙の話を聞くと胸が痛みます。三宅島の駐車場に大量発生したという蛙(ちばさん>)どうなったんでしょうね。
どなたか、この実験に成功した人はいませんか?このはなし、出所は一体どこなのでしょう?

[210.166.226.33][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Mac_PowerPC)]
5690. 2000年10月01日 21時00分41秒  投稿:らら。 
アレルギーが悪化する。とアレルギーの症状が悪化するは、意味が違うものと思われます。
アレルギーが悪化するは、IGEや、アレルゲンに対する抗体が急激に増える。アナフィキラシ−が起こり易くなる。
アレルギー症状が悪化する。は、アトピーや、アレルギーによる鼻炎、中耳炎、腸炎などの症状が亢進することと思います。
アレルギー反応は、初回のアレルげん感作では、おこりにくいはずです。普段アレルギーのない人は、アレルギー反応は、心配しなくていいと思います。
一時的な高濃度のSO2放出による急性気管支炎、肺炎、肝機能の低下、などが心配かと思います。      しかし、何年も「一〜2年」SO2の放出が続けば、体内でアレルゲンの抗体が獲得され反応があると思いますが。。こうなったら大変ですが。

火山の登山者の事故は何回かの登山中にSO2に触れることがあり感作したのと思います。
もしくは、アレルギー喘息ではなく、急性気管支喘息による呼吸不全か窒息では、なかったのではないのでしょうか?。アレルギー喘息と急性気管支ぜんそくは、まったく意味が違うと思います。
アレルギーのメカニズムはなかなかわかりずらく軽いものから重いものまで多種多様です。
新聞紙や、教科書のインクでさえ命取りになる人もいるのですから・・。
5683.すみれさま。残念ながら今は、どの病院のどの医師に相談してもそのような答えしか返ってこないと思います。それが現実です。
どこか、アレルギーの患者さんや科学物質過敏症、食物アレルギーでチャット、掲示板のあるサイトご存知内でしょうか?今の症状の変化や、情報が速く得られると思いますので。
ちなみに私は、探してますがなかなかHITしません。
もしよろしれば、すみれさん、さち@さいたまさんもっとお話したいのですが。。

[211.9.1.22][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows 98)]

5698. 2000年10月02日 00時10分14秒 投稿:すみれ 
ららさま
「住まいにおける化学物質」http://www.kcn.ne.jp/%7Eazuma/index.htmlのリンクの中に、化学傷害メーリングリスト
http://www02.u-page.so-net.ne.jp/zb3/hou/というのがありました。 
中を見てませんので、室内汚染が中心かもしれませんが・・・。

私で良ろしければ、(居る時は)いつでも、どうぞ。
喘息については目下、勉強中です。

[133.205.224.107][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 98)]

5700. 2000年10月02日 00時37分06秒 投稿:吉野@千葉県 
 [http://www.koe.gr.jp]
5684>さのさま
5697>ららさま
吉野秀夫(千葉県議会議員)と申します。
以下、よろしかったら参考にして下さい。

千葉県では京葉工業地帯に火力発電所、製鉄所、石油精製所、石化関係事業所などが林立しております。県では、それら各事業所の@燃料使用量、A煙道(煙突)での硫黄酸化物排出量(それだけではありませんが)をテレメーターで県庁内にリアルタイムで計測・記録しています。補足率は極めて高いと考えて結構だと思います。

その計測データから、千葉県内の事業所での燃料使用量から計算した硫黄酸化物の排出量は
  平成10年度で22,922トン/年度です(平成11年度千葉県環境白書69ページ)。
同じく、千葉県の発生源テレメーターによる硫黄酸化物排出量は、
  平成10年度で約24,600トン/年度です(平成11年度千葉県環境白書80ページ)。

三宅島雄山からの二酸化硫黄の排出量が38,000トン/日(9月27日気象庁発表)と比較すると、片や一年間、片や一日間、三宅島火山ガスのもの凄さを再認識させられました。

なお、千葉県における昭和40年代における硫黄酸化物排出量は昭和47年度版千葉県公害白書によると、
昭和43年 126,000トン/年度
     昭和44年 217,700トン/年度
     昭和45年 259,700トン/年度
     昭和46年 253,200トン/年度 であったと公表されています。

さらに、千葉県の大気汚染観測点(46局)における二酸化硫黄の環境濃度である一時間値が0.1ppm(環境基準)を超過した時間数を県当局から聞き取りました。以下の通りです。
  平成12年度(8月〜9月2日) 延170時間(最高値0.286ppm)
  平成11年度          なし
  平成10年度          延2時間(最高値0.146ppm)
  平成9年度           延1時間(最高値0.116ppm)

最後に、東京都、神奈川県、埼玉県が大気汚染のデータをリアルタイムでホームページに公表している中で、千葉県のみが独自対応できていないことについて、千葉の県会議員として、大いに反省させられました。すなわち、テレメーターで県内各事業所の燃料使用量までリアルタイムで捕捉するシステムを稼動させながら、そうしたデータの一般公開が遅れているわけで、大いに改善すべく、県当局に働きかけております。

[202.238.121.254][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows NT 5.0)]

5701. 2000年10月02日 00時44分01秒 投稿:吉野@千葉県 
 [http://www.koe.gr.jp]
5700>
で誤植がありました。訂正させていただきます。

平成12年度(8月〜9月2日) 延170時間(最高値0.286ppm)
              ↑
              は、2日ではなく、28日です。お詫びいたします。

[202.238.121.254][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows NT 5.0)]

5702. 2000年10月02日 00時54分51秒 投稿:Cauli. 
らら。さん(#5697):
>日本の汚染の最高の昭和42年頃のピーク時で、0.06ppm

それは、一般環境大気測定局15局平均(昭和40年以降継続して観測されている地点15か所の年平均値)と呼ばれている数字(例えば、環境白書平成元年版)だと思います。あくまでも年平均値だから、今回のように風向きにより数時間だけ記録される数字と比較することは妥当ではありません。

なお、15局平均でなく1局(1地点)単位で調べると、過去には年平均値0.1ppmを超えた例も存在します(例えば、環境白書昭和47年版)。

[211.2.44.86][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98)]

5705. 2000年10月02日 01時32分45秒 投稿:Cauli. 
 [http://www.erc.pref.fukui.jp/erc/hou.html]
福井県環境科学センター(みどりネット)に、興味深い資料↑がありました。

大気汚染の常時監視と緊急時の措置に関するもので、二酸化硫黄濃度の1時間値が0.2ppm以上3時間継続、0.3ppm以上2時間継続若しくは0.5ppm以上になった場合又は48時間平均値が0.15ppm以上となった場合で、かつ、気象条件からみて当該大気の汚染の状態が継続すると認められるときは、都道府県知事はその事態を一般に周知させる等の「緊急時の措置」を講ずることになっています(大気汚染防止法第23条等)。8月28日都環境局発表には、法的な裏付けがあったわけですね。

これも過去の例を調べると、昭和46年度にはいおう酸化物(二酸化硫黄)について兵庫県の128回を筆頭に、全国で250回以上「緊急時の措置」が発令されていたことがわかります(環境白書昭和47年版)。当時は基準が現在と若干異なるのと条例に基づく措置の回数も含んでいるというニ点で、単純な比較はできないのですが。

[211.2.44.147][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98)]

5708. 2000年10月02日 07時51分15秒 投稿:Cauli. 
らら。さん(#5706):
川崎だから無料なのではなく、公害病として認定されているから無料なのだと思います。
公害健康被害の補償等に関する法律は、「事業活動その他の人の活動に伴つて生ずる相当範囲にわたる著しい大気の汚染(中略)の影響による健康被害」を対象にしているから、火山という自然現象による被害には適用されないと解します。
[211.2.44.69][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98)]

5725. 2000年10月02日 20時38分29秒 投稿:sai 
#5690. ららさんへ
努力してみましたが、なかなかここというBBSが見つかりませんね。

http://www.tcup5.com/511/dorachin.html

わかばクリニックの掲示板 ...うちわのチャットには良さそう。

http://www.tcup1.com/146/sumio.html

Medical Explorer 医療情報交換掲示板 ...かたい。

よろしかったらご利用を。

追加情報

http://www.nies.go.jp/kenko/health/kobayashi/kobayashij.html

小林隆弘(理学博士)さん

研究概要
>大気汚染物質が気道(鼻から肺までの空気の通る道)の持つ免疫を制御する機能にどのような影響をおよぼすか明らかにすることが研究の中で最も興味のあるところです。大気汚染物質に暴露されると気道のこの免疫を制御する機能が乱されることを示唆する結果が得られています。この乱れが喘息や花粉症の原因になる可能性について検討しています。
 

以前の書き込みで 道端 達也氏の敬称が抜けておりました。
大変 失礼しました。

[202.208.61.201][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.5; Mac_PowerPC)]

5727. 2000年10月02日 22時05分23秒 投稿:桜島10kmより木下 
 [http://www-sci.edu.kagoshima-u.ac.jp/st-sci/physics/soturon/koyamada/index.html]
1.桜島噴煙観測と、火山ガスのSO2とSPMの強い相関を明らかにした小山田さんの上記ページが出来ました。

2.火山ガスの特性と対策について、下記の文献は図書館で手に入りやすいと思います。
[1] 羽根田治,火山ガスの特性と対応策を知る,山と渓谷,1997-11,145-147.
[2] 藤原泉,安達太良山の遭難から−火山ガスの警鐘,岳人, 1997-11, 92-96.
但し、風が弱くない時でも高温火山ガスに警戒すべきことがこれらの解説や、その背景の報告書などで不足していることを、前にご紹介した所で論じました。直接行くには、
http://www-sci.edu.kagoshima-u.ac.jp/volc/gas/edu/read/gastxt.html
です。特に追記もご覧ください。[1],[2]はそこでの引用文献です。

3.三宅島からの火山ガスは、海抜1000-1500m程度の風で運ばれることが多いと考えられます。但し地上風はバラツキが大きく、あまりあてになりません。
上空の風を簡単に検討をつける方法は、天気図です。
台風や低気圧の中心のまわりは、時計と反対の回りにほぼ等圧線に沿って吹きます。
詳しくは少し中心に吹き込むかも知れません。
高気圧の回りは時計回りの風ですが、その中心に近づくほど穏やかです。
前線は、低気圧がつながったように考えて下さい。
取りあえず、たかやまさん等のお話への補足で、下記にも書いてあります。
http://www-sci.edu.kagoshima-u.ac.jp/volc/gas/public/index_p.html

時間がなくて、これまでの議論の引用が不足したままですが、ご参考まで。

[163.209.82.39][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 95)]

5730. 2000年10月02日 22時57分06秒 投稿:ちば 
 [http://www.geo.chs.nihon-u.ac.jp/tchiba/volcano/catalog/kaz-5.htm]
■ようやく出張からもどってきました。
秋田駒ヶ岳の山頂は良い天気で、空気がおいしかった。
1970-71年溶岩も良く見えました。

■悪石島は鹿児島県のトカラ列島にあります。
奄美大島と屋久島の中間くらいです。
データは↑のページを見て下さい。
位置は、第四紀火山分布図中のno.5です。
>5276古井戸さんへ

■横浜市内のある高校では、9月中旬くらいから
喘息などの症状が悪化して病欠する生徒が増えているそうです。
(時期的には三宅島の火山ガスとの関連も疑われます。)
須藤さんの八王子のデータの発表や警告もあったわけですし、
疫学的な調査を早急に実施して、9月中旬以降
どれくらいの患者が発作を起こし、
どれくらいの方がなくなったのかをはっきりさせ、
三宅島の火山ガスの影響を推し量る必要があると思います。
5700吉野さん>
千葉県の年間の放出量と三宅島の1日の放出量がほぼ匹敵するという
重要で具体的な指摘を、たいへんありがとうござます。
千葉県は、関東では三宅島に最も近いわけでもあり
リアルタイムの情報公開は、
火山ガスのハイリスクパースンを救うためには
急がなければならないと感じています。よろしくお願いします。

■この掲示板は、どうやらみんなみています。(5707ASAさん)
インターネットの新たな可能性を示しているといえるかもしれません。
できるだけ、議論が堂々めぐりにならないようにしましょう。
みなさん、過去ログを把握した上で、推敲に推敲を重ねて書き込んでいただけるので、
それぞれの発言に重みがあります。最近は、削除することもすくなくなりました。
それでもあとで間違いに気づいたら、自分でも削除や修正ができますので、よろしく。
(留守がちな管理人より)

[210.166.70.109][Mozilla/4.5 (Macintosh; I; PPC)]

5737. 2000年10月03日 07時41分54秒 投稿:sai 
#5735. Hal.Tさんへ

>友人からもらった旅客機からの写真をボンヤリ見ていると、白い噴煙はかなりの距離をまとまって流れているように見えます。

http://weather.is.kochi-u.ac.jp/
の可視光の晴れた昼間の画像を観察すると 三宅島雲が一直線になびいてるのが観察出来ます。

>気体は拡散するという常識が、kmオーダの巾と厚みをもつ気団に対しては軽々しく通用しない気がしてきました。

サットンの拡散式のようにはいかないようです。

[202.208.61.185][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.5; Mac_PowerPC)]

5738. 2000年10月03日 07時52分57秒 投稿:早川 
5735Hal.Tさんへ,

噴煙の拡散速度は,上空の横風の速度に比べて小さいので,まとまって移動しているようにみえます.上空2000メートルの横風の速度は,10m/s程度でしょう.上空1万メートルだと,30m/sくらいになります.

上空1万メートルなら,1時間で100km移動します.わずか1時間しか拡散していない(薄まっていない)毒ガスが本土を襲うことが考えられます.ただし,上空1万メートルの風はたいてい西風です.東側に陸地がないのがさいわいです.

これからの季節,速い南風が吹きうるかどうか,わたしは詳しくありません.
 

[133.8.33.197][Mozilla/4.08 (Macintosh; U; PPC, Nav)]

5739. 2000年10月03日 09時45分19秒 投稿:さの 
> 5727 桜島10kmより木下 さま に追いかけ

> 三宅島からの火山ガスは、海抜1000-1500m程度の風で運ばれることが多いと考えられます。
> 但し地上風はバラツキが大きく、あまりあてになりません。
> 上空の風を簡単に検討をつける方法は、天気図です。
> 台風や低気圧の中心のまわりは、時計と反対の回りにほぼ等圧線に沿って吹きます。
> 詳しくは少し中心に吹き込むかも知れません。
> 高気圧の回りは時計回りの風ですが、その中心に近づくほど穏やかです。

海抜1000-1500mの気象状況を見るには、地上天気図ではなく850hPa高層天気図が向いて
います。この天気図には、気圧850hPa(大体高度1500m位)の等圧面の等高線が太実線で
表示されています。風と等高線の関係は、上記の風と等圧線の関係と同じに考えてよいです。
ただ、等高線と風の方向は、地上よりもより平行に近くなります。
また、この高層天気図には、高層観測点の温度、風向、風速等と、湿潤領域(温度と露点
温度の差が3℃未満の領域)が表示されています。後者は、ハッチ(ボツボツ)で表されて
いて、降雨をもたらすような湿った大気の存在を示しています。

850hPa高層天気図は、気象FAX受信装置があれば誰でも入手できますが、WEBで無料で公開され
ているところは少ないです。

国際気象海洋(株)のページ がお勧めです。

また、予想図は 新日本気象海洋(株)のページ で見ることができます。
ただし、予想図は実況図より一段と専門家向け仕様で、一般の方が読むのはかなり難しいです。

> 5738 早川さま

1万m上空はたいてい「対流圏」の中ですが、ここの大気が地上まで降りてくるのは大変です。
また、これからの季節だと1万m上空の西風は100m/sくらいになることもあります。
上記 5727 桜島10kmより木下 さまご紹介のように、三宅島の火山ガスは、比較的強い風に乗って
高々2000m以下くらいの所を余り乱れずに進んでくるパターンが危ないと思います。
大気が垂直方向によく混ざるのは、晴れた日中で大体高さ1000m位までの範囲です。

これからの季節でも、低気圧が日本海に入って発達するようなことはしばしばあり、
そんなときは強い南風が吹きます。よくその後寒波の襲来なんてパターンになります。
秋口だと、低気圧の後ろから、強めの上空寒気を伴ったシベリア方面から移動性高気圧が
張り出してくるなんて時です。

[210.165.70.180][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98; Win 9x 4.90)]

5740. 2000年10月03日 11時33分50秒 投稿:なべ 
>海抜1000-1500mの気象状況を見るには、地上天気図ではなく850hPa高層天気図が向いて
>います。この天気図には、気圧850hPa(大体高度1500m位)の等圧面の等高線が太実線で
>表示されています。風と等高線の関係は、上記の風と等圧線の関係と同じに考えてよいです。
>ただ、等高線と風の方向は、地上よりもより平行に近くなります。
>また、この高層天気図には、高層観測点の温度、風向、風速等と、湿潤領域(温度と露点
>温度の差が3℃未満の領域)が表示されています。後者は、ハッチ(ボツボツ)で表されて
>いて、降雨をもたらすような湿った大気の存在を示しています。

>850hPa高層天気図は、気象FAX受信装置があれば誰でも入手できますが、WEBで無料で公開され
>ているところは少ないです。

なぜか「赤旗」は高層天気図を載せて(今でも載せている?大昔の話)いて、隣の地学科の学生は党員でもないのに山の天気を知るためにたいてい購読していた。私も一時期購読していた。

[210.251.3.53][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 95; Yahoo! JAPAN Version Windows 95/NT CD-ROM Edition 1.0.)]

5741. 2000年10月03日 17時39分07秒 投稿:松島 
三宅島にもっとも近い高層気象観測点の八丈島における風のデータです。
下の表は「理科年表2000年版」の378,382,384ページから書き写したもので、
1961年から1990年の間の30年間の月ごとの平均値です。
風向は北を0度として時計回りに360度までで示されます。かっこ内は16方位に
なおしたものです。風速は m/s の単位です。およその高さが変わるのは季節変化に
よるものです。
冬から春にかけて西風が強くなります。月平均するとほとんど西寄りの風になってしまい
ますが、前線が通過する前は南風、後は北風が吹くこともあるでしょう。東海地方から
伊豆諸島にかけては中部山岳を回り込むように風が吹くために北風になりにくいです。
大気の上下方向の混合については、
これからしばらくは海面温度と気温の温度差があまりないために、前線や台風以外では
大気中では強い対流が起きにくく、上空の二酸化硫黄なども降下しにくいと思われますが、
冬になると温かい黒潮と冷たい季節風との温度差が大きくなるので、対流が活発になって
上空の二酸化硫黄なども降下しやすくなるかもしれません。八丈島では冬は時雨や雪が
降ったと思います。関東地方などの内陸では冬が近づき日射量が小さくなるほど対流が
活発な領域の高さが低くなるので、上空の二酸化硫黄などが降下してくる可能性は小さくなる
と思います。

気圧(およその高さ)   1月        2月       3月 
             風向 風速   風向  風速   風向  風速
850hPa(1460m)    274(西) 10.5 275(西)  9.8 269(西) 8.2
700  (3000m)    273(西) 18.6 274(西) 18.3 271(西) 16.2
500  (5500-5600m) 269(西) 35.7 271(西) 34.4 270(西) 31.2
300  (9150-9200m) 264(西) 65.6 267(西) 61.0 268(西) 51.5

気圧(およその高さ)      4月          5月         6月
              風向    風速     風向   風速    風向   風速
850hPa(1490m)    253(西南西) 5.3 249(西南西) 4.7 244(西南西)  6.0 
700  (3100m)    263(西)   11.0 259(西)    8.6 254(西南西)  9.3
500  (5700-5800m) 265(西)  21.9 262(西)   17.9 258(西南西) 15.4
300  (9500-9700m) 265(西)  36.0 262(西)   30.2 261(西)    24.2

気圧(およその高さ)     7月          8月        9月
               風向  風速     風向  風速   風向  風速
850hPa(1500m)    250(西南西) 4.4  219(南西)  2.7  220(南西)  2.5 
700  (3150m)    267(西)     5.2  237(西南西) 2.4 245(西南西) 5.7
500  (5850m)    272(西)     6.9  253(西南西) 2.8 250(西南西) 10.7
300  (9600-9700m) 287(西北西) 8.4  286(西北西) 2.9 254(西南西) 14.5

気圧(およその高さ)      10月       11月      12月
               風向   風速   風向  風速  風向  風速
850hPa(1510m)    261(西)     1.3  262(西) 5.1  269(西) 9.0 
700  (3100-3150m) 255(西南西) 8.1  262(西) 12.5 267(西) 16.6
500  (5700-5800m) 254(西南西) 19.4 260(西) 27.8  264(西) 33.6
300  (9300-9600m) 255(西南西) 32.7 259(西) 50.0  261(西) 62.5

[130.34.125.208][Mozilla/4.75 [ja] (Win98; U)]

5742. 2000年10月03日 21時14分44秒 投稿:桜島10kmより木下 
 [http://www-sci.edu.kagoshima-u.ac.jp/st-sci/physics/soturon/koyamada/]
5739さのさま、 きちっとした説明有り難うございます。
5741松島さま、 八丈島情報を整理して頂き有り難うございます。
私の指摘の意図は、
高層データや850hPa高層天気図がなくても、インターネット環境になくても、
毎日のTVや新聞で身近に得られる地上天気図で、重要な海抜1000-1500mの風を理解し予測できるということにあります。
 気象のプロでない喘息などアレルギーに過敏な方々が安心できる日や気をつける日を自分で判断できるのにお役に立てばというためです。

勿論、この簡便な方法は、等圧線の粗いときなど、若干のズレはやむを得ません。
また、地上天気図と850hPa高層天気図および850-900hPaの風との関係をつかむのに、さのさんのコメント5739が重要だと思います。なお、

鹿児島では、上空約1500mの風として、実は850hPaの風のデータと予測を天気予報で提供しています。雲仙噴火では、高層観測点は福岡と鹿児島なので、長崎・熊本では予測だけを放映していたと記憶しています。

さらに、5727で紹介した上記ページ(2000.1の稿)では、
2.4 風データについて
気象庁が毎年出している高層気象観測年報が、1996年からCD-ROM化され1988〜1998年版が発行されている[7]。そのうち、1998年鹿児島上空の風データをMicrosoft Excelで使用した。測定時間は3時、9時、15時、21時の4回である。風向WD(°)と、風速WS(m/s)を用いて解析した。風向WD(°)は北風を0°として時計回りに何度の方角から風が吹いてくるかで表現してあり、例えば270°は西風となる。桜島上空の噴煙の流れは、海抜約1500mにあたる850hPaの風で理解される場合が多い。しかし、山麓に火山ガスを吹き降ろす強風の時は、900hPaと925hPaの風が有効であることが分かっている[8]。大きな爆発のときなどは3000〜4000mも噴煙が上がるが、今回解析する1998年12月ではそれほど大きな爆発はなく、専ら925hPaの風データを使用した。指定気圧面925hPaは海抜約850m程度、700hPaは3000m程度に相当する[3]。引用終わり

ところで、本州への火山ガス移流を理解するには、八丈島とともに館野などのデータもすぐほしいと思います。

[163.209.82.39][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 95)]

5743. 2000年10月03日 22時13分55秒 投稿:ちば 
気象庁から発表される毎日の天気予報の中で、
三宅島のガスの影響範囲の予想をだせないでしょうか

火口から出るガスの量は予測はできないにしても
もしも出た場合の風下はどっちなのかはわかると思います

そういう情報が頻繁にあれば、
雨が降りそうなときに傘を持っていくような、対応ができると思います。
きょうは、ガスが濃そうだから、出かけるのはやめて
窓を閉め切って自宅でじっとしていようとか
マスクを用意していこうとか
自転車で行くのをやめてバスにするとか
その人なりの適切な対応ができると思うのです。

たしか、鹿児島のテレビで(島原でもやってた)
天気予報の中で降灰の分布予測を見た記憶があります
>いけださん

[202.32.150.2][Mozilla/4.7 (Macintosh; I; PPC)]

5746. 2000年10月03日 23時12分40秒 投稿:すみれ 
生化学の先生にお尋ねしてみたのですが、
よく わからないというご返事でしたが、******以下の事を教えてくれました。

 フリーラジカルや活性酸素は炎症をさらに拡大させるだろうなあ・・・と思います。
 以下 転載です。

*******************************************
>調べた中でよさそうのをメモしておきます。 
>やさしい環境科学、保田仁資、 化学同人、112p, 1999よりーーーーー
 空気中に1ppmの亜硫酸ガスが含まれている場合、
1日に33mg, 1ヶ月に1gを吸入することになる。 SO2は呼吸器粘膜を
刺激し、気管支喘息を引き起こす。 そして上気道で溶けて吸収される。
SO2が体内で酸化されるとフリーラジカルや活性酸素などが生成する。
ーーーーー以下略

[133.205.224.29][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 98)]

5769. 2000年10月04日 19時05分00秒 投稿:松島 
5742 木下さん
> 私の指摘の意図は、高層データや850hPa高層天気図がなくても、インターネット環境になくても、
> 毎日のTVや新聞で身近に得られる地上天気図で、重要な海抜1000-1500mの風を理解し予測できるということにあります。
> 気象のプロでない喘息などアレルギーに過敏な方々が安心できる日や気をつける日を自分で判断できるのにお役に立てばというためです。

私もそのように思います。「防災気象情報サービス」を見ると,
有珠山の地上・上層風の予報が気象協会北海道支部によって連日提供されています。
これは、気象庁発表の予報の数値情報をそのまま載せたものと思われますが、せめて、このようなことだけでも
できないものかと思いました。ただ、難しいと思うのは被害を受けると想定される地域が近隣の島々ばかりでなく、関東地方一円など
かなり広い地域に渡ることで、山頂付近の風だけで単純に判断するわけには行かない場合もありうることです。

[130.34.125.208][Mozilla/4.75 [ja] (Windows NT 5.0; U)]

5771. 2000年10月04日 21時58分15秒 投稿:さの 
■>5756 ちばさま

> 衝動を抑えがたく、作ってしまった画像を紹介します。

その衝動はよく分かるつもりですが、私はその衝動を9/7(4851、4852 さの ご参照)
から3週間我慢しました(5712 さの ご参照)。

管理人さまは衝動に走らないで下さい。
ダウンロード図を掲載するからには、東大海洋研さまには仁義を切られたんでしょうね!?

投稿が減っても豊かな緊張感があれば、この掲示板の価値はさらに高まると私は思います。
恐らく世界火山学史上に残る「みゃるさん火砕流下実況iNET中継」を掲載した当掲示板の
管理人さんの重みを誇りにして戴きたいと思います。

■>らら+ちば さま

環境庁の本格的疫学的プロジェクト結果をご参照下さい。

平成8年度大気汚染に係る環境保健サーベイランス調査報告 
平成9年度大気汚染に係る環境保健サーベイランス調査報告 

これは3歳児対象で長期的影響を対象としています。また時間の視野は年単位の分析です。

考慮要因が多数ある中で、短期的にX月X日のXの影響を云々するのに、残念ながら疫学的
手法はあまり有効(誤解を恐れずにいれば経済的)とは思えません。たとえ、試みても膨大
な要因別対照群の設定を考えただけで結果が得られるまでの時間に思い至ると卒倒してしま
います。

短期的影響評価は、発症機序に立脚した臨床学的アプローチが王道だと思います。
医学関係者のコメントを切に望みます。極少数の弱者が多数に踏みつぶされないように。

■竜さま、かとうさま

GPSが旧来の測地に対抗できるようになったのはここ数年。
今年8月9月の評価はGPSと潮汐の対照が有効でしょうが、ここ10年となると
歴史的手法を大事にしないと。
大昔(いつのこっちゃ)の測地の基礎はまず潮汐から!でしたよね?
「海が動いているのか陸が動いているのか」それが問題だ(シェークスピア か(/_;)/)
上下内外硬軟GEO関係全体の連携を有為に運んで戴きたいと切に希望します。

■たぶんご覧になっている東京都環境局の方

1.御蔵島 2.神津島 3.八丈島 4.新島・大島 に大気汚染常時監視局に準じる
機能をもつSO2濃度臨時監視局を設置して、測定値をオンラインで(が高望みならば
なるべく早く分かりやすく)公開してください。まだ十分に間に合います。
お願いです。

ただし、まず測定従事者人命を最優先にしてください。

これからNHKニュースを見ます。

[210.165.70.152][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98; Win 9x 4.90)]

5775. 2000年10月05日 03時51分35秒 投稿:いけだ 
どうも昨日あたりからまた右脇腹が痛みます。

わたしは97年に肝癌であと3ヶ月の命を宣告されたのですが、まだ生かさせてもらっています。9月下旬からどうも匂う日には脇腹が痛みます。肝臓は沈黙の臓器。痛さは感じないはずですが、腫れて、方々を圧迫するみたいです。

ここ数日、診断の機会を捕らえては医者や民間治療の先生方に三宅島の話を振ってみるのですが、案の定反応は鈍い。ただ、話をする中で、アプローチの問題かなぁ…という感触を得ています。どうしても私は火山を出発点として考えてしまう。治療者は身体や臓器を出発点として、考えているわけで、その間の距離は思いの外大きいのかもしれません。火山ガスの議論を読み、火山ガスの像がはっきりしてくると、からだへの影響、対策法、などがぼやけてくる。身体に焦点を合わせると今度は、火山ガスの情報がかなりぼやけて見えてくる。このところ感じていた奇妙な違和感は対象のオーダーとかレンジの問題だったのかな、と、個人的に考え始めています。

火山ガスの不安は付きまとい続けるだろうけれど、それとは別にからだの側から捕らえなおしてみようと思っています。

この夏は、三宅島の西側に低気圧がある夜は活性炭入りの枕かヨモギの葉を詰め込んだ枕を使い、枕元に濡れタオルを置くようにしていました。私には(なにが身体に合うかは個人差が激しいので強調しますが)かなりの効果を上げてくれたように思います。
とは言え、気圧配置は自分の予感を補足するというところが実際の役割で、身体が弱っているところは敏感に環境に反応するらしく、なんとなくあしたはやばいぞという感覚があるのですが。

Tシャツを着て、その上にタオルをかけ、肝臓、腎臓、胸腺を中心として70℃くらいのアイロンをからだにかけてやる。これも朝方苦しいときなど、かなり楽にしてくれました。この方法は喘息の方にも効果があるので、お薦めします。

[210.166.226.36][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Mac_PowerPC)]

5800. 2000年10月05日 21時07分00秒 投稿:桜島10kmより木下 
 [http://www-sci.edu.kagoshima-u.ac.jp/st-sci/physics/soturon/koyamada/]
三宅島現地観測体制再建のために
5789ちばさん紹介の毎日新聞の記事や10.4夜10時のNHKなどでは、
> 停電で、次々と観測装置がダウンして ということですが、
噴煙が高く上がっている状態では、多量のSO2を含む高温型火山ガスは島の周辺には
あまり来てないと推測されます。
また、強風では9月20日の阿古(5421Mさん 他)のように風下は危険ですが、
それを避けて接岸できれば、火山ガス濃度は低いはずです。
以上、極めて当然のことと思いますが、今回の三宅島火山ガスは別として、
大気環境観測定点では日本で最も厳しい状態が続いている桜島有村などのSO2データ
解析↑で裏付けられています。

無風・弱風が危険という5550石原さんの経験談には賛成できません。かってそのような
研究報告もありましたが、私たちは1994年秋の気象学会で明確に反論しました。
灰表面からの分離や雨に溶けたガスの分離が、山腹では重要かもしれませんが、
谷筋に沿って山麓まで下るかは問題です。
日中の対流混合の可能性もありますが、好天では斜面に沿った上昇気流がむしろ支配的だと思います。

冷たい地下水に溶けた大量のH2S、CO2などが気化して窪地などに滞留するという低温型火山ガスの危険は、活発な三宅島にはあてはまらないと思いますが、お気をつけ下さい。

爆発による噴石や火砕流に警戒しながら、数カ所の港湾部で火山ガス連続無人観測を開始し、安全を確かめながらその他の観測体制を再建することを願います。

[163.209.82.39][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 95)]

5807. 2000年10月05日 23時10分21秒 投稿:さの 
 [http://www-sci.edu.kagoshima-u.ac.jp/st-sci/physics/soturon/koyamada/]
>5800 桜島10kmより木下 さま 

↑で山岳波のことはよく分かりました。

> 無風・弱風が危険という5550石原さんの経験談には賛成できません。かってそのような
> 研究報告もありましたが、私たちは1994年秋の気象学会で明確に反論しました。
> 灰表面からの分離や雨に溶けたガスの分離が、山腹では重要かもしれませんが、
> 谷筋に沿って山麓まで下るかは問題です。
> 日中の対流混合の可能性もありますが、好天では斜面に沿った上昇気流がむしろ支配的
> だと思います。

これから寒候期に向かうとき、洋上島といえども無風・弱風時は接地逆転はある程度発達
しますよね。そのとき、サーマルではなくよく寝たプルームの裾からの流れ込みが逆転層
内に滞留する危険というのは心配しなくてよいのでしょうか?接地逆転の最大発達時は
未明で、そのときは、上記好天日中と逆に、下降気流が弱いながらも支配的なはずです。
三宅島のソースファクタが桜島の数倍以上という状態がしばらく続くならば心配すべき
条件だと思うのですが。もちろんSO2が重いから下に貯まるということではなく、乱流拡散
が支配的と考えた上での話です。
 

[210.165.70.83][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98; Win 9x 4.90)]

5811. 2000年10月06日 09時48分38秒 投稿:村松@東北大 
いまさらといわれそうですが、二酸化炭素についてまとめておきました。

荒木ら「環境科学辞典」東京化学同人(1985)から引用

二酸化炭素
炭酸ガス、無水炭酸。CO2、分子量44.01、融点-56.6℃、沸点(昇華点)-78.5℃(1気圧)。対空気比重1.529、0℃における気体密度1.977g/L。無色無臭。わずかに酸味を感じる。常温では気体、低温加圧で液化する。これを一部気化させて蒸発潜熱で雪状化し。それに液化物を少量加え加圧固形化したものがドライアイス(固体炭酸)である。気体は水に溶けやすく、1気圧、0℃で0.3346g/100g、10℃で0.2318g/100g、20℃で0.1688g/100g溶け、エタノールには水より約2倍容溶ける。化学的には活性は低いが、金属の酸化物や水酸化物とはよく反応する。水に溶けて炭酸H2CO3を生じ、1気圧下ではpH3.7の水溶液となる(村松注:現在の大気平均CO2濃度から算出される水のpHは、5.7。つまりこれよりpHが低い雨が酸性雨と呼ばれる)。高温で気体は熱解離して一酸化炭素COと酸素O2を生じ(村松注:概ね1000℃以上のお話なので考慮しなくてよい)、また赤熱炭素に触れてCOに還元される(村松注:C+CO2→2COという反応。COの不均化の逆反応。これも大気中のCO2濃度から鑑み、考慮しなくてもいい量。ただし、炭の不完全燃焼で、2C+O2→2COという反応はよく知られ、COは意外に安定なので、冬場CO中毒による事故が後を立たない)。
二酸化炭素は自然大気中に約0.033%含まれる(村松注:ここ数十年で急速に増えており、地球温暖化ガス=Green House Gasの一つとしてその削減が求められている。なお、Green House Gasは元来は良い意味で使われた)が、化石燃料の大量消費と植生破壊による二酸化炭素循環の平衡破綻(村松注:破綻とまでは言いきれないのではと思う。物理化学的に言えば単なる平衡の移動と考えてもいいのではないか)は、毎年約0.8ppmの割合で大気中二酸化炭素のバックグラウンド濃度を増大しつつある。この増大は地球気圏の温室効果として将来に懸念を生じさせている。
二酸化炭素は工業的に大量に用いられているが、その放出場所が換気不良な場合は、気中二酸化炭素増加に酸素欠乏が伴う。ドライアイス使用冷蔵庫、発酵タンク、酸処理後の炭酸ナトリウム中和過程、炭酸ガス消火器の誤放出などで、高濃度二酸化炭素、低酸素による事故が起こりやすい。
二酸化炭素は生体細胞内でのエネルギー利用の最終産物として排出され、血液を介して灰から呼気中に放出される。呼気中には3〜4%の二酸化炭素が含まれる。吸気中の0.03%の二酸化炭素は血液のpHを約7.4に保つのに寄与している。気中二酸化炭素が欠乏すると、血中二酸化炭素が低下し、pHは上昇してアルカローシスに傾き、呼吸は浅く遅くなり、また脳血管収縮による軽い脳の酸素欠乏を引き起こす。
吸気中二酸化炭素増大は血中二酸化炭素上昇で血液pHを下げ、血管拡張と呼吸中枢刺激による呼吸深大とが起こる。気中二酸化炭素濃度1%で呼吸深度はやや増し、3%で呼吸増大と顔面温感、4%で眼および上部気道刺激感、顔面紅潮、頭痛、めまい、耳鳴、徐脈、血圧上昇、6%で頻呼吸、熱感、皮膚血管拡張、悪心、嘔吐、7〜8%で肺うっ血、呼吸困難、10%以上で意識障害、呼吸停止、死の危険(村松注:酸素が十分にあっても二酸化炭素濃度により中毒が起こるので要注意。一般に酸欠ととられることがあるが、全く違うものである。脚注参照)。
吸気中の二酸化炭素増大は体内二酸化炭素排出が阻害され、血中、細胞中の二酸化炭素蓄積により、特に脳神経中枢細胞内の二酸化炭素蓄積は、その活動を抑制し、麻酔効果を現す(村松注:二酸化炭素を5%含んだ空気を30分間吸い続けるとその場から脱出することが難しくなると聞いた<高圧ガス講習会の伝聞>。1997/7/12の青森・八甲田山の田代平での自衛隊員の中毒事故、1986/8/23のカメルーン共和国ニオス村での事故が痛ましい。前者は火山ガス、後者は湖水中から炭酸ガスの大量気化が原因と見られる)。
気中二酸化炭素の化学分析法には水酸化バリウムと二酸化炭素の中和反応を利用したバリット法がある。簡便法としては検知管法、迅速法として干渉計法がある。連続測定には非分散型赤外ガス分析計が用いられる。建築物における衛生的環境の確保に関する法律では、多数の者が使用し、また利用する建築物(特定建築物)で、中央管理方式の空気調和設備を設けている場合、空気環境の調整を二酸化炭素濃度0.1%を管理基準として行うことを想定している。この基準は、空気環境を環境衛生上良好な状態を確保する上での指標として二酸化炭素を用いている。また、労働安全衛生法に基づく事務所衛生基準規則(第7条)により作業環境測定等の実施などの規則がなされているほか、労働安全衛生規則(第583条)において坑内の炭酸ガス濃度の基準が規定されている。
日本産業衛生学会(1983)、ACGIH(1983)による許容濃度はいずれも5000ppm(9000mg/m3)とされている。

<村松による脚注>
酸素欠乏症
酸素は地球大気中(乾燥時)20.95%含まれる。
酸素欠乏による症状は下記の通り(Henderson,Haggardによる)
(酸素濃度、症状の順)
16〜12% 脈拍、呼吸数の増加、精神集中に努力がいる。細かい筋肉作業が困難、頭痛、悪心、耳鳴
14〜9% 判断力低下、発揚状態、不安定な精神状態、刺傷などに無感覚、酩酊状態、記憶障害、体温上昇、全身脱力、チアノーゼ
10〜6% 意識不明、中枢神経障害、痙攣、チェインストークス型呼吸、チアノーゼ
10〜6%の持続またはそれ以下 睡眠→呼吸緩徐→呼吸停止→6〜8分後心臓停止

つまり、大気組成のままでCO2が単に増加した場合は、先にCO2中毒が起こります。CO2が10%に至っても、O2濃度は18.86%ありますから。

[130.34.31.136][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]

5857. 2000年10月07日 19時07分23秒 投稿:村松@東北大 
桜島に臨時火山情報がでましたね。18:00です。

臨時火山情報 第1号
平成12年10月 7日18時00分
鹿児島地方気象台 発表
火山名 桜島

桜島南岳は本日(7日)16時42分に今年132回目の爆発をしました。
この爆発では多量の噴煙を火口上5,000M以上まで上げ、火山雷を18
回伴いました。噴石は雲のため不明でした。袴腰近くの気象台の観測点(南岳
の西北西4.6KM)での爆発地震の最大振幅は4?M(マイクロメートル)でした。
現在のところ被害の報告はありませんが、鹿児島市の中心部から北部にか
けてかなりの降灰がありますので、交通事故等に注意して下さい。今後も噴
石を伴う爆発が発生することが考えられますので、今後の火山活動に十分注
意して下さい。

[130.34.31.136][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]

5878. 2000年10月08日 20時51分48秒 投稿:桜島10kmより木下 
 [http://www.minaminippon.co.jp/]
桜島、続報。ひどい降灰の様子は南日本新聞 2000.10.8 朝刊↑。
このような降灰の時でも、爆発で吹き上げられたSO2やSPMは上空に留まるようです。
爆発3時間後、10km離れた室内で換気ダクトを通して硫黄臭が進入。窓を開けると強く匂いました。強い東風による吹きつけで、噴煙はほとんど横に流れていたと推測されます。
なお、南岳火口から2kmまでは立ち入り禁止です。
鹿児島県は1988年に国際火山会議を主催、毎年の国際火山フォーラムもあり、行政と火山学者の連携は良く、総合防災訓練が毎年実施されています。
全国展開されている環境大気測定局は、気象台ルートではなく、火山学者ルートでもなく、環境庁と県・大きな市の環境調査機関が連携して人為起源の公害と大気汚染を監視するのが元々の役割ですが、鹿児島では行政機関に属する研究者の努力によって桜島山麓に火山ガス測定網が展開されています。
また、九州を始め酸性雨研究者の間では火山ガスの環境影響は、国境を越えた大気汚染物質の移動とともに重大な関心事です。関連して、申し遅れましたが、5608さのさま、5613村松さま。
成層圏に上がったSO2は、ガス状態のままオゾンや紫外線の影響のもとで気相反応で酸化され、乏しい水分を吸着して硫酸液滴のエアロゾルになるのが主で、それから硫酸塩になり、落下するようです。対流圏では固体微粒子の表面反応や亜硫酸の酸化が重要になるけれど、気相反応も無視できないようです。
[163.209.82.39][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.01; Windows 95)]

5893. 2000年10月09日 18時56分42秒 投稿:ちば 
 [http://www.metro.tokyo.jp/INET/ETC/SAITAI/HISAI/MIYAK287.HTM]
↑東京都から6日に発表された、三宅島の作業時における火山ガス対策
とその運用マニュアルです。

わたしも、安達太良山の事故のすぐ後に
ガスマスクを着用して、H2Sガス測定器持参で、調査をしたことがありますが
なかなか暑くて大変でした。もっともガスの濃度の高い谷間では、
テレビクルーの何人かはきちんとマスクを装着していたのに、
頭が痛いといって高台に避難していました。
わたしは、なんともなかったのでずんずんいきましたが、
測定器の値は100ppmを振り切って警報が鳴りっぱなしでした。

すこしだけの経験からコメント

□マスクは顔全体を覆うようになっているが
人によっては隙間ができるのではないか。
きちんと密着しているのかの確認が必要
(そのNHKのひとは大顔だった)

□吸収缶は、マスクを使用するごとに装着する消耗品
有効時間が1時間程度とされているが、ガス濃度によって変化する。
硫化水素用と亜硫酸ガス用で吸収缶の種類が異なる。
どっちをつけていくかとか予備をどうするとか、あらかじめ作戦が必要である。

[202.32.150.2][Mozilla/4.7 [ja] (Macintosh; I; PPC)]

5943. 2000年10月12日 23時55分11秒 投稿:ちば 
5933ポチさん>
終息なんてまだまだ、とんでもないと思います。
島民が戻っていないじゃないですか。
火山活動だってまだ続いています。

たしかに一時より変化が少ないとは思いますが、
火山活動は活発に続いている状態です。
火口付近の温度はまだ高い状態で
火口から噴煙が連続的に上がっている(ときどき火山灰を含む)。
その中に含まれる火山ガスの量は減少していないし、
成分もSO2やHClなど、高温のマグマを示すものが多い。
カルデラ内の火口の地下には、高温のマグマがあることはまちがいないでしょう。

もしもSO2やHClなどの火山ガスが少なくなってくれば、
マグマの温度が低下してきた反映であり、
終息が近づいてきたと言えるかもしれません。
終息したかどうかを判断するには、それだけでなく、
さらに、三宅島の収縮が止まり垂直変動量も安定してさらに
地震や磁力や重力などの変化も見極めなければいけません。

もし、それらが安定したとしても、それでも
現在のような植生が徹底的に破壊された状態では
雨が降ったときに泥流の発生の恐れがあります。
地域によっては雨が降るたびに避難所に行かなければならない状態では
すべての住民を帰すわけには行かないと思います
それでは終息とは言えません。

火山灰や噴石、火山ガス、泥流によって破壊された山の緑が
戻り、あるいは、それ以前に防災施設が完成して、少々の雨が降っても
大丈夫な状態になって、それから島民がもどってこれるわけですが
そのときには泥流の危険の高い場所の土地利用をどうするかとか
虻田町でいまおこっているような難しい問題も発生するでしょう
実はまだまだ、これからが本番という気がしています。

その期間がどのくらいになりそうなのか
年内がどうのということではないと思いますが

[202.32.150.2][Mozilla/4.7 (Macintosh; I; PPC)]
5951. 2000年10月13日 08時38分21秒  投稿:早川 
 [http://www.edu.gunma-u.ac.jp/~hayakawa/news/2000/miyake/index.html]
5943ちばあん>
>もしもSO2やHClなどの火山ガスが少なくなってくれば、
マグマの温度が低下してきた反映であり、
終息が近づいてきたと言えるかもしれません。

言えないでしょうねえ.
わたしは,そういう事態の到来を不気味だと感じます.

そういう事態の開始で一時帰宅なんぞを実施して,破局が到来することがいちばん恐ろしい.1986年11月19-20日ころはそういうムードになって,とつぜん21日の破局を迎えた.伊豆大島.
 

[133.8.33.197][Mozilla/4.08 (Macintosh; U; PPC, Nav)]
5962. 2000年10月13日 18時14分52秒  投稿:sai 
#5955. のんままさんへ    はじめまして saiです。

>情報、どなたか頂きたいんですが・・・

日記をあたりました。 
2000.10.09の朝、小雨 硫化水素(H2S)臭 静岡県中部で感じました。

経験上 当地では小雨の時強く感じます。
昼間は不快感(二酸化硫黄?)がありました。

> 私は臭いに敏感なため、ちょっとでも臭いがあると
> 部屋の窓を開けることができないんです。(頭痛くなって)
> 外出なんてとんでもない!困っています。

この問題はず〜と考えていまして、当日小実験してみました。

窓を閉めて、新聞紙の上に乾燥剤の消石灰をおいて扇風機を回してみました。

結果 少しは効果がありそうでした。 不快感の減少

乾燥剤の消石灰、生石灰は危険物ですので絶対にまねしないでください!!!

村松@東北大さん なんかいい安全な方法はありませんか?

[202.208.61.183][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 4.5; Mac_PowerPC)]
5967. 2000年10月13日 23時58分54秒  投稿:さの 
>5966 なかじま さま

>ある都市を火山ガスが襲うと言うようなシュミレーションがありますか?
ありません(もちろん断言も証明もできませんが)。

>100万人都市が襲われそうになり、避難命令がでる。というシュミレーションでも良い
ですが。
 軍事的研究の中にあるかもしれません。

今の三宅島からの火山ガス放出の強さでは、関東地方でガスマスクを住民全員に配布すると
いう対策を考える必要はないでしょう。ただし、少数の火山ガスに弱い方々への対策は、
もっと強調されなければならないと思います。火山ガスの人体への影響には大変な個人差が
あります。

さらには、三宅島で作業をしなければならない方々、及び、近隣の島々の住民に対する
火山ガス暴露予防対策、健康管理の強化と、そのための火山ガス濃度の測定をきちんと
行う必要がありますが、現実には極めて対応が遅れて(ずれて)います。> 東京都さん

まずは、この掲示板の表題下にある「三宅島噴火をめぐる議論の履歴へ」の中の
ある火山学者のひとりごと(ガス)indexをご覧下さい。長くてややこしくて難しくて大変ですけど。

(余計なさんこと)
・シュミレーションではなくシミュレーションです。
・イオウの匂いというのはいろいろな種類がありますので、卵の腐ったようなとか
 温泉ぽいとか、種類を表す感覚的な形容詞をつけるとよいです。
・当地とはどこですか?

[210.165.70.71][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98; Win 9x 4.90)]
5968. 2000年10月14日 00時06分27秒  投稿:ポチ 
 [http://www.jda.go.jp/jgsdf/]
5966:なかじまさん

ちょっと取り扱い注意な話題だと思いますが、外国の話というのは湾岸戦争時のイスラエルのことです。↑陸上自衛隊のホームページに「セキュリタリアン」誌から転載された防衛研究所の喜田邦彦氏の「湾岸戦争とミサイル防衛 その時イスラエル国民は」があります。人口の65%にあたる290万人に無料配布され、マスクの原価だけで約500億円かかったそうです。
ところで情報は交換の原則があります。”当地”というのが不明ですし、”何度か”では何の情報にもなりません。
よろしくね。

[211.120.76.130][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]
5971. 2000年10月14日 02時16分43秒  投稿:ポチ 
化学戦のデータが参考になるかは不明ですが。さほど軍事オタクではない
わたしがいつも利用させていただいている ジェイムズ・F・ダニガン著
「新・戦争のテクノロジー」河出書房新社(1992年)の第21章 化学、
生物、核兵器 から。pp428-429,

風はガスの効果を助長したり弱めたりする。風が短時間で無害の濃度まで
ガスを薄めてしまう。
時速二十キロメートルの風は、時速四キロの風に比べて、六十%以上も有
効範囲を小さくする。風はまた、風下の地域に被害を及ぼす。
1日のうちの時間帯と風の強さによっては、神経ガスが百二十キロ離れた
ところまで、非致死性の被害を及ぼすことがある。
強風だと、時刻にかかわらず有害濃度のガスを七十五キロ先まで運ぶ。
(中略)化学剤がもっとも威力を発揮するベスト・コンディションは、寒くて
風がない夕刻、浸透性のある土壌で植物が生い茂っている、そんな環
境、反対に、科学剤の効きめがもっとも薄くなる条件は、暑くて強風、浸
透性のない土壌で茂みがない、しかもどしゃ降りの雨、である。
持続時間の長い化学剤は、相手が着ぶくれているときは別として、冬にもっ
とも効果をあらわす。マスタード・ガスの場合、効力持続時間は冬八週間、
夏七日間、雨期はわずか二日間である。
持続性のある液体神経ガスVXは、冬だと十六週間、夏三週間、雨だと十二時
間しかもたない。

[211.120.76.130][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]
5973. 2000年10月14日 08時08分04秒  投稿:早川 
 [http://www.edu.gunma-u.ac.jp/~hayakawa/news/2000/miyake/index.html]
ガスマスクですが,これは,公的機関に頼らずに民間レベルで対応することも可能です.大地震のあとに,デパートの防災グッズがよく売れると思います.それとおなじで,いまガスマスクを大量生産して販売すれば,近々飛ぶように売れる可能性があると思います.

冷戦時代,個人消費者にむけて核シェルターが販売されたのと同じ発想です.
それで儲かったお金の何割かを三宅島被災者にあげたら,尊敬が集中することでしょう.

起業家のかた,挑戦してみませんか?一攫千金??
わたしはこの件に関して,経済的損失の責任を,一切負いません.
 

[133.8.33.197][Mozilla/4.08 (Macintosh; U; PPC, Nav)]
5975. 2000年10月14日 08時56分35秒  投稿:村松@東北大 
5973早川さん:
防毒マスクですが、ちゃんとしたやつだと、25000円くらい。吸収缶も高濃度用だと5000円くらい。初期費用は合わせて30000円くらい。それから訂正があります。以前、酸性ガスは表面処理した活性炭だろうと言いましたが、それだけではなくて、炭酸カルシウムみたいな中和剤が入っているようです。
毒ガスに対して防毒マスクを装着すれば大丈夫というのは、逃げることを想定してのことで、これをつけて恒常的に作業をすることができるという考えは支持できません。毒ガスがきたら当座は防毒マスクをつけてしのぎ、さっさと逃げる、あるいはガスが通りすぎるまで待つ、というのが正しいでしょう。
これをつけて恒常的に三宅島での作業をやらせないでください>>東京都どの
マスクは目や呼吸系は守りますが、皮膚などは守れませんから。当たり前ですけど。
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5976. 2000年10月14日 09時10分10秒  投稿:村松@東北大 
5975村松の補足:
空気呼吸器というのがあります。特に我々のような化学系の建物にはあちこちにこいつが常備されていて、決死隊を結成して、倒れている仲間を救助に向かうためのマスクです。私の研究室の外にあるのは(中にあっても意味がない)、ライフゼミという空気呼吸器です。こいつは、1セット300,000円くらい。補助ボンベが100,000円くらいです。酸素濃度が18%以下のところや、有毒ガスがなんだかわからないときは、こいつをつけます。かなり、何度も練習しないと装着が間違ったり、時間がかかったりします。
あと、送気マスクは、ポンプ本体は粉塵を濾過するだけですので、あたり一面毒ガスのところでは使えません。
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5977. 2000年10月14日 09時26分51秒  投稿:早川 
 [http://www.edu.gunma-u.ac.jp/~hayakawa/news/2000/miyake/index.html]
村松さん,

登山用の酸素吸入ボンベって,緊急時に役に立ちませんか?
あれなら,一本1000円.
ぜんそくもちのひとは,それを常時携帯して,せき込んだらそれを吸う.

これを送信してでかけます.ちょっと一ツ橋まで.

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5978. 2000年10月14日 10時13分10秒  投稿:ポチ 
 [http://www.sts-japan.com/J.HTM/22/32_5.htm]
おそるおそる、村松さんおはようございます。
ライフゼムって300,000円もするんですか。いや、するだろうなあ。
ダイバーであるわたしから見ると、個人が所有するなら
市販の6か8リッタータンクとハーネス、レギュレーター、
ダイブマスクで多分120,000円くらいかな。フルフェイス
マスク(面体)で組んでも200,000円以内で済むと思います。
防災仕様ではないですが、火の海をくぐったり神経ガスに
対応するわけではないので、まあ問題ないでしょう。
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5982. 2000年10月14日 14時47分45秒  投稿:村松@東北大 
#某掲示板の件で裏で激論を交わしていたので、こっちを見る暇なしで、すんません
5977早川さん:
それでもいいでしょうが、眼がやられる可能性を危惧しています。
あと、緊急避難用に「小型空気呼吸器」というのがあります。こいつはフードをつけて(スーパーの買い物袋の大き目のやつみたいなもの)、肩に小さなボンベを下げるタイプです。
これなら、高くても30,000円です。密閉性がめちゃんこ悪いので、さっさと逃げるときだけに使えます。で空気も10分しか持ちません。
#10分で30,000円は高いような気がしますけど。
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5983. 2000年10月14日 15時02分57秒  投稿:村松@東北大 
5978ポチさん:
ダイバー仕様とライフゼム、私ダイビングしないので、何が違うのか、正直言ってわかりません。
ライフゼムですが、最大補給量は、毎分550リットルで、ボンベの容量は常圧換算で1200リットルくらいです。普通に使うと30分くらいは余裕で持ちます。が、1時間は絶対に不可能と思います。
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5985. 2000年10月14日 20時33分49秒  投稿:めめ#通りすがり 
 [http://volcano.und.nodak.edu/vwdocs/volc_images/africa/nyos.html]
火山性ガスによる災害としては、 カメルーンの1986年の大惨事↑を、忘れることはできません。
原因は、SO2やH2Sではなく、CO2。いまの三宅島とは全然性質を異にしますが。
[210.166.80.151][Mozilla/4.75 (Macintosh; U; PPC)]
5988. 2000年10月15日 15時57分05秒  投稿:ポチ 
 [http://www.sts-japan.com/J.HTM/22/32_5.htm]

5983:村松さん

ありがとうございました。ライフゼムとスキューバの違いについてですが。
防炎・耐腐食性などに対応した素材を用いているかは仕様書を見なければ
不明です、ただしデマンド型とプレッシャデマンド型(陽圧型)について
は、ダイビングのレギュレータはすべてデマンド型に属しており、吸気し
なければ送気はしません。どちらも二段減圧方式で、レギュレータのタン
ク側で高圧空気(200kg/cuまたは150kg/cu、小型タンクでは後者のみ)
を約8kg/cu+環境圧に減圧し(ファーストステージ)、口元のセカンドス
テージで環境圧と等圧に調整します。当然深く潜るほど呼吸可能時間は減少
します。
ライフゼムに使用する6または8リッタータンクは通常ダイビングでは補助タ
ンクとしてしか使われません。空気供給の持続時間の計算式を出したかった
のですが、今U.S.NAVYのダイビングマニュアルしか探し出せず、単位の換算
で挫折しました。すみません。
ところで川重防災工業↑のページでオキシゼムというのがありますが、これ、
ちゃんと使っているところがあるのでしょうか。公称150分使用可能というの
ですが、これは多くのダイバーを殺した純酸素の閉回路スキューバと同じもの
のようです。炭酸ガスキャニスターで純酸素を再利用するもので、現在ダイビ
ングで使用するのは論外。わたしの知識では、これを使用するときは、まず肺
と気管内の空気を純酸素で満たし、器具を装着して閉回路を作ります。窒素
(ダイビングでは空気中に79%と仮定します)が多量にこの閉回路に残留して
いると、次第に酸素分圧が低下し、死亡します。作業中にいったん大気を呼吸
することで事故に至る可能性もあります。酸素モニターがあるのでしょうが、
どんなにレクチャーを受けても潜水医学の専門的知識のない人間が使用する
環境をわたしは想像できません。

[211.120.77.62][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]