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火山灰トラップについて

噴火している火山の近傍での調査は,安全に配慮しなければならないのは言うまでもありません.しかしながら,強い爆発を伴う火山では,火口近傍域に近づく事ができないことが普通です.そのような状況下では,安全なところまで飛来してくる火山灰が,火山活動の状況をリアルタイムで提供してくれる唯一かつ直接的な情報源になります.

火山灰を採取するためには,安全を確保しつつ,山体の近くて定期観測を行うことが望ましいですが,それでは時間も効率も良くありません.従って,地表に落ちる前に火山灰を採取するための機器を設置し,それを火山活動の状況に応じて回収,再設置する必要が生じます.

以下に示した「簡易火山灰トラップ」の設置レシピは,これまで日大関係者らが得た経験を元に大野が作成したものです.改良すべき点もたくさんあると思いますので,これを機械に降灰量の定量方法に関する皆様からのアイディアをお寄せいただければ幸いです.

簡易火山灰トラップとその設置・回収について

火山灰トラップの設置例

以下は,上記の方法で作成された火山灰トラップの設置例です.火山灰トラップは,「設置例2」のように上に覆い被さるものが無いようなオープンスペースに設置するのが望ましいです.また,カップの側面には「降灰量測定中」等のラベルを塗布する.

火山灰トラップの設置例1

日本大学文理学部構内.カップの側面には「降灰量測定中」と明記したラベルが貼ってある.

火山灰トラップの設置例2

有珠山2000年噴火の事例.火山灰トラップは,このような上空が開けたオープンスペースに設置するのが望ましい.ここには紙コップの他,洗面器も設置してある.

火山灰トラップの問題点

簡易火山灰トラップの問題点を列挙します.設置に当たっては,これらの点を認識下さい.

  • カップは開口面積が小さいため,降灰量が少ないと測定誤差が大きくなる.
  • 粒径の大きなものは測定できない(うまく捕まえられない).
  • カップが劣化しやすいため,長期観測には不向き.
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